美しい女
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「あいつについて知ってることがあるならさっさと話せ」
腰掛けて一瞬の呼吸を置いた後、口を開かない男に少しイラついた口調で話を促せば、男はびくっと肩を揺らした。
「……はぁ」
だが、ぼさぼさの伸びきった髪から覗く瞳は、しっかりとローを見返しており、何か強い意志が感じ取れたローは小さくため息をついた。
「なにか…訳がありそうだな」
「…いなくなったあのお嬢さんはあんたにとって大事な子か?」
「…ああ」
「なら話は早い
おれが持っている情報を全て渡す
その代わり…おれの娘を、助けてくれ!」
「娘…?」
昨日恋歌にしたときと同じように、地面に足と額を着けてローの足元で頭を下げる。
「あんたがおれの娘を助けてくれると約束してくれるならすべてを話す」
「言っておくがおれは海賊だ
慈善活動をするつもりはねぇ
それにお前が集めた程度の情報ならおれの部下たちならすぐに集めてこられる
その情報にどれだけの価値があるってんだ」
「…あんたの部下がどれだけ優秀かはわからないが、これはおれが数か月かけて掴んだ情報だ
そう簡単に情報が掴めるとは限らない上に…一刻も早く無事を確認したいだろ?」
自分よりかなり年下のローに威圧され、身体が小刻みに震えているが、負けじとローの瞳から一切視線を逸らす事はしない。
「…海賊と取引をしようってんだ
それ相応の覚悟はあるな?」
「もちろんだ
娘を助けてくれるなら、この命でもなんでもくれてやる」
その言葉にも嘘は感じられず、にやりと口角をあげた。
「いいだろう
お前の知っている事を全て話せ」
ローの肯定の言葉に目を見開いた男は、この男にかけるしかないとぎゅっと自分の服の裾を握りしめた。
「…この島は、狂ってる」
「狂ってる?」
「ああ…
この島で女王から直接卸されている商品は見たか?」
「あの似たような色をした、何が入ってるかわからねぇ代物だろ」
赤やピンクしかない美容品が並んでいた光景は、昨日恋歌とシャチと一緒に見て違和感を覚えたのは記憶に新しい。
「…その通り
この島の女王はすでに高齢ではあるが、全盛期に美姫として辺りの島から求婚を受け続けていた美貌を今も保っていると聞く
その美容方法を城下にも伝え、使用している美容品を卸している」
「おれもそう聞いたよ
だからこの島は綺麗な人が多くて、美容品もいっぱいあるって…」
上陸する前にシャチから聞いた情報を男に伝えれば、その通りだと頷きが返ってきた。
「だが、問題はその美容法だ
この島の女王の美容法は…若い女の血が使われている」
「「!!」」
「若い女の血が本当に美容にいいのかはわからないが、女王は若い女を攫っては血を搾り取り、不要となれば殺す」
「まさか、この島の美容品の色って…」
嫌な予感がしたベポがさっと顔を青くしながら考えたくない結論に辿り着いた。
「お察しの通り血の色だ」
「うぇ…気持ち悪い…」
舌を出して嫌そうな顔をしているベポが、ローの背中にぐりぐりと顔を擦り付けると、ぽん、と頭を撫でられた。
「ひとつ聞きたいんだが、あんたはこの情報を数か月かけて掴んだと言っていたな」
「ああ」
「それならあんたの娘がいなくなったのは数か月前
まだ生きているという確証はあるのか?」
男の話が正しければ血を搾り取って不要となれば殺されるはず。
そんな狂った女王に攫われて数か月間も無事であるという保証は何もない。
「…確証は、ない
けど…諦めることなど、できるわけがないだろう…」
「「……」」
話しを終えて再びうつむいてしまった男は、また自分の服の裾を強く握り締めて震えている。
「話は分かった
つまり恋歌もその狂った女王に掴まっている可能性が高いってわけだ」
「ああ…女王の標的は島の外から来た女たちやおれたちのような庶民…
いなくなったところで騒ぎを揉み消せる相手ばかりだ」
「おれたちみたいな海賊や、あんたらみたいな庶民は自警団も真面目に取り合わねぇってことか」
海賊が仲間がいなくなったからと自警団や海軍に相談できるはずもなく、庶民が自警団の相談しても既に女王の息がかかっており、真面目に探してくれないのだろう。
「じゃあ昨日いきなり追われたのって…」
「あのお嬢さんを連れ去る為だろうな」
全ての話がつながったローは、鬼哭を肩に担いで立ち上がった。
「今の話をあいつらにも聞かせて作戦会議だ」
腰掛けて一瞬の呼吸を置いた後、口を開かない男に少しイラついた口調で話を促せば、男はびくっと肩を揺らした。
「……はぁ」
だが、ぼさぼさの伸びきった髪から覗く瞳は、しっかりとローを見返しており、何か強い意志が感じ取れたローは小さくため息をついた。
「なにか…訳がありそうだな」
「…いなくなったあのお嬢さんはあんたにとって大事な子か?」
「…ああ」
「なら話は早い
おれが持っている情報を全て渡す
その代わり…おれの娘を、助けてくれ!」
「娘…?」
昨日恋歌にしたときと同じように、地面に足と額を着けてローの足元で頭を下げる。
「あんたがおれの娘を助けてくれると約束してくれるならすべてを話す」
「言っておくがおれは海賊だ
慈善活動をするつもりはねぇ
それにお前が集めた程度の情報ならおれの部下たちならすぐに集めてこられる
その情報にどれだけの価値があるってんだ」
「…あんたの部下がどれだけ優秀かはわからないが、これはおれが数か月かけて掴んだ情報だ
そう簡単に情報が掴めるとは限らない上に…一刻も早く無事を確認したいだろ?」
自分よりかなり年下のローに威圧され、身体が小刻みに震えているが、負けじとローの瞳から一切視線を逸らす事はしない。
「…海賊と取引をしようってんだ
それ相応の覚悟はあるな?」
「もちろんだ
娘を助けてくれるなら、この命でもなんでもくれてやる」
その言葉にも嘘は感じられず、にやりと口角をあげた。
「いいだろう
お前の知っている事を全て話せ」
ローの肯定の言葉に目を見開いた男は、この男にかけるしかないとぎゅっと自分の服の裾を握りしめた。
「…この島は、狂ってる」
「狂ってる?」
「ああ…
この島で女王から直接卸されている商品は見たか?」
「あの似たような色をした、何が入ってるかわからねぇ代物だろ」
赤やピンクしかない美容品が並んでいた光景は、昨日恋歌とシャチと一緒に見て違和感を覚えたのは記憶に新しい。
「…その通り
この島の女王はすでに高齢ではあるが、全盛期に美姫として辺りの島から求婚を受け続けていた美貌を今も保っていると聞く
その美容方法を城下にも伝え、使用している美容品を卸している」
「おれもそう聞いたよ
だからこの島は綺麗な人が多くて、美容品もいっぱいあるって…」
上陸する前にシャチから聞いた情報を男に伝えれば、その通りだと頷きが返ってきた。
「だが、問題はその美容法だ
この島の女王の美容法は…若い女の血が使われている」
「「!!」」
「若い女の血が本当に美容にいいのかはわからないが、女王は若い女を攫っては血を搾り取り、不要となれば殺す」
「まさか、この島の美容品の色って…」
嫌な予感がしたベポがさっと顔を青くしながら考えたくない結論に辿り着いた。
「お察しの通り血の色だ」
「うぇ…気持ち悪い…」
舌を出して嫌そうな顔をしているベポが、ローの背中にぐりぐりと顔を擦り付けると、ぽん、と頭を撫でられた。
「ひとつ聞きたいんだが、あんたはこの情報を数か月かけて掴んだと言っていたな」
「ああ」
「それならあんたの娘がいなくなったのは数か月前
まだ生きているという確証はあるのか?」
男の話が正しければ血を搾り取って不要となれば殺されるはず。
そんな狂った女王に攫われて数か月間も無事であるという保証は何もない。
「…確証は、ない
けど…諦めることなど、できるわけがないだろう…」
「「……」」
話しを終えて再びうつむいてしまった男は、また自分の服の裾を強く握り締めて震えている。
「話は分かった
つまり恋歌もその狂った女王に掴まっている可能性が高いってわけだ」
「ああ…女王の標的は島の外から来た女たちやおれたちのような庶民…
いなくなったところで騒ぎを揉み消せる相手ばかりだ」
「おれたちみたいな海賊や、あんたらみたいな庶民は自警団も真面目に取り合わねぇってことか」
海賊が仲間がいなくなったからと自警団や海軍に相談できるはずもなく、庶民が自警団の相談しても既に女王の息がかかっており、真面目に探してくれないのだろう。
「じゃあ昨日いきなり追われたのって…」
「あのお嬢さんを連れ去る為だろうな」
全ての話がつながったローは、鬼哭を肩に担いで立ち上がった。
「今の話をあいつらにも聞かせて作戦会議だ」