美しい女
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『(意外としつこい…)』
ベポと別れてからしばらく1人で路地裏を走り回っていたが、なぜか撒く事が出来ず息が上がり始めている。
魔法を使えばもう少し楽に逃げられるだろうが、なかなか魔法を使うタイミングも掴めない。
すでに兎座の力は借りており脚力は上げているが、魔力よりも先に体力が尽きそう。
『(ローはどこにいるのかな)』
壁に背を預けて上がった息を整えながら、ローはどこにいるのだろうかと考えるが、ある程度撒いてから合流したいと、まだ近くをうろうろしている自警団の男たちを壁越しに見て、掌に魔方陣を発動させた。
『(【アリエス】)』
頭の中で牡羊座に呼びかけ、風の魔法で風向きを調節して男たちを眠らせていく。
『(ちょっと威力が弱いけど、逃げる時間稼ぎぐらいなら…)』
声に魔力を乗せて発動していない星の魔法はいつもより威力が弱いが、眠らせるには十分だったようでばたばたと男たちが倒れていく。
『(暗くなってきたし、これなら一気に船に戻れるかも…)』
すでに陽は落ち視界も悪い。
魔法をあまり使い過ぎると、魔方陣の光で居場所がばれてしまう。
だが、この暗闇に乗じて完璧に撒くことができるだろうと、ふぅと息をはいた。
『!!』
ある程度の人数を減らした恋歌は、路地裏から出ようと壁から顔だけを出そうとしたが、後ろから首に刃物を突き付けられ、身動きが取れなくなった。
「ちょこまかと…手間取らせてくれたわね」
疲れたようなため息と女の声が後ろから聞こえ、ぞわっと鳥肌が立つ。
この女はやばいと、魔法を使おうとした瞬間、ちくっと首筋に痛みが走った後、意識を失った。
「(もうそろそろ船に戻ってもいいかな…)」
恋歌が意識を失う少し前、ベポの方はどんどんと自警団の男たちの人数が減り、今ではもう追ってくる人の気配は感じないところまで撒けた。
「(あれ?)」
屋根伝いに逃げていたベポは、視界の端で見慣れた帽子を見つけ、その近くに着地をする。
「……」
急に上から降ってきたベポに驚いたように目を見開いているローは、我慢しきれずに人気のない所で読んでいた買ったばかりの医学書をぱたんと閉じた。
「1人か
恋歌はどうした」
「それが…」
ベポの近くに恋歌がいない事に気づいたローは、何かあったのかとベポに聞けば、急に自警団に追いかけられた事、二手に分かれて撒いてから船に戻ろうと話した事を説明した。
「…そうか」
「恋歌はもう船に戻ってるかな」
「…取り敢えず戻るぞ
お前たちが追いかけられたなら、早めに出航した方がいいかもしれねぇ」
「そうだね」
既に陽は落ち暗くなっており、冷たい風が吹き始めている。
星が良く見える時間帯ではあるが、星を見ただけでは恋歌が無事なのかどうかも分からない。
恋歌が戻っている事を祈って、ローとベポは走って船まで戻った。
「……」
それを今日路地裏で話した男が見ていた事に、ローもベポも気づくことはなかった。
ベポと別れてからしばらく1人で路地裏を走り回っていたが、なぜか撒く事が出来ず息が上がり始めている。
魔法を使えばもう少し楽に逃げられるだろうが、なかなか魔法を使うタイミングも掴めない。
すでに兎座の力は借りており脚力は上げているが、魔力よりも先に体力が尽きそう。
『(ローはどこにいるのかな)』
壁に背を預けて上がった息を整えながら、ローはどこにいるのだろうかと考えるが、ある程度撒いてから合流したいと、まだ近くをうろうろしている自警団の男たちを壁越しに見て、掌に魔方陣を発動させた。
『(【アリエス】)』
頭の中で牡羊座に呼びかけ、風の魔法で風向きを調節して男たちを眠らせていく。
『(ちょっと威力が弱いけど、逃げる時間稼ぎぐらいなら…)』
声に魔力を乗せて発動していない星の魔法はいつもより威力が弱いが、眠らせるには十分だったようでばたばたと男たちが倒れていく。
『(暗くなってきたし、これなら一気に船に戻れるかも…)』
すでに陽は落ち視界も悪い。
魔法をあまり使い過ぎると、魔方陣の光で居場所がばれてしまう。
だが、この暗闇に乗じて完璧に撒くことができるだろうと、ふぅと息をはいた。
『!!』
ある程度の人数を減らした恋歌は、路地裏から出ようと壁から顔だけを出そうとしたが、後ろから首に刃物を突き付けられ、身動きが取れなくなった。
「ちょこまかと…手間取らせてくれたわね」
疲れたようなため息と女の声が後ろから聞こえ、ぞわっと鳥肌が立つ。
この女はやばいと、魔法を使おうとした瞬間、ちくっと首筋に痛みが走った後、意識を失った。
「(もうそろそろ船に戻ってもいいかな…)」
恋歌が意識を失う少し前、ベポの方はどんどんと自警団の男たちの人数が減り、今ではもう追ってくる人の気配は感じないところまで撒けた。
「(あれ?)」
屋根伝いに逃げていたベポは、視界の端で見慣れた帽子を見つけ、その近くに着地をする。
「……」
急に上から降ってきたベポに驚いたように目を見開いているローは、我慢しきれずに人気のない所で読んでいた買ったばかりの医学書をぱたんと閉じた。
「1人か
恋歌はどうした」
「それが…」
ベポの近くに恋歌がいない事に気づいたローは、何かあったのかとベポに聞けば、急に自警団に追いかけられた事、二手に分かれて撒いてから船に戻ろうと話した事を説明した。
「…そうか」
「恋歌はもう船に戻ってるかな」
「…取り敢えず戻るぞ
お前たちが追いかけられたなら、早めに出航した方がいいかもしれねぇ」
「そうだね」
既に陽は落ち暗くなっており、冷たい風が吹き始めている。
星が良く見える時間帯ではあるが、星を見ただけでは恋歌が無事なのかどうかも分からない。
恋歌が戻っている事を祈って、ローとベポは走って船まで戻った。
「……」
それを今日路地裏で話した男が見ていた事に、ローもベポも気づくことはなかった。