出会いから出航まで
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ローがオペを始めてから2時間ほど経った頃、恋歌の周りにあった杖が1本倒れた。
「え…?」
からん、という軽い音にロー以外が反応した。
「恋歌…!」
ぽた、っと汗が落ちて床に落ちる。
ペンギンの時は1時間きっかりしか時間が止められなかったが、今回はすでに2時間も止めている。
「だ、大丈夫なのか…?」
「わ、わかんねぇよ…」
ローも一度叫び声をあげて膝から崩れ落ちていたが、気力でオペを続けている。
なにも助けてやることが出来ない事に、不甲斐なさを感じながらも心配する事しかできない。
1本目の杖が倒れてから30分後、もう一つ杖が倒れて床に転がった。
「あと1本しかない…」
「すげぇ汗だ…」
魔法を発動しているときに恋歌に触れていいのかもわからず、床に落ちる程の汗も拭ってやることはできない。
転がった杖を拾って握りしめ、周りにある時計を見渡す。
「恋歌!!もういい!」
「「「!!」」」
急に大きな声を出したローに驚いたが、その言葉の直後、周りの時計が消え、魔方陣も消えた。
「わわっ…!」
恋歌が床に倒れる前に、ベポが恋歌の身体を支える。
気を失っている恋歌を抱えて、ソファに寝かせてやり、布団をかけてやる。
「(よく頑張った…!これだけ時間を稼いでもらえれば、あとはおれが絶対に助けてやるからな!)」
思ったより長く時間を止めてくれた恋歌に感謝し、後は自分の仕事だとオペを続ける。
それから数時間後。
オペが無事に終わった直後、ローは倒れそうになったが、倒れるわけにいかないと、ヴォルフの近くに椅子を出して4人で見守る。
「恋歌は?」
「眠ってるだけみたい」
「俺の横に連れて来い」
「あ、うん」
もう1つ椅子をローの横に持ってきて、その上に恋歌を下ろしてやる。
自分にもたれかからせるようにして手を握ってやった。
「恋歌は大丈夫そうか?」
「わからねぇ
けど魔力はこうしてればちょっとは分けられるらしい…」
「お、おれのもわけられないかな」
ローが握っている手とは反対の手をベポが握り、心配そうに恋歌を見つめる。
「…わけれるかはわからねぇが、手は握っててやれ」
「うん…」
まったく目を覚ます様子の無い恋歌とヴォルフに、夜が明けるまで全員が心配した面持ちでずっと起きて見守っていた。
そしてローがオペを開始してから12時間後。
窓から陽が差し込み、朝が来た事がわかる。
朝陽がヴォルフの顔を照らすと、ヴォルフの瞼がピクリと動いた。
「んぁ…朝か…」
いつもの様に目を覚ましたヴォルフに、ずっと起きていた4人は目を合わせた。
「生きてる…?」
「喋った…?」
「助かった…?」
どきどきしながら小さくつぶやくと、一気に現実味が増した。
「「「「うおおおおおおおおおお!!」」」」
喜びで4人の雄叫びが上がる。
「やった!さすがローさんだぜ!!じいさんが生き返ったあっ!!」
「なんじゃ…天国に来たかと思ったら、見慣れたガキどもがわめいとる…
わしは、生きとるのか」
「ふん、大したしぶとさだぜ
葬式の準備をするつもりでいたんだけどな」
心にもない事を言うローの顔は嬉しそうで、少し泣きそうな顔をしている。
それと同時にこれだけ騒いでも起きない恋歌の事を思い出し、顔を覗き込みが起きる気配はない。
「ロー…お前が助けてくれたんじゃな」
「俺だけの手柄じゃねぇよ
ベポも、シャチも、ペンギンも…恋歌も…
全員、協力してくれた
一人でもいなかったら、おれはオペを成功させられなかっただろうよ」
「…そうか」
もう一度眠ってしまったヴォルフに、もう安心だと胸をなでおろし、恋歌を抱えてソファへ移動した。
身体の触れている部分が多いほど魔力の供給量が多くなるのは実験でわかっている。
自分の膝の上に乗せて、抱えるように抱きしめて布団をかぶる。
「恋歌は…起きねぇのか?」
「ああ…
悪いが誰か町に行って先生を呼んできてくれねぇか?」
「お、俺が行ってくる!」
ペンギンがダッシュで家を飛び出した後、シャチとベポは軽くなにかを食べられるように食事の準備をし始めた。
「(恋歌…目を覚ませ…
俺の魔力なんざいくらでもくれてやるから…)」
このオペが成功したのも恋歌が数時間時を止めてくれたから。
ヴォルフが助かった事は嬉しいが、恋歌も目を覚まさないと安心できない。
ペンギンが先生を呼んでくるまで、目を覚まさない恋歌を抱えて、早く目を覚ましてほしいと祈った。
「え…?」
からん、という軽い音にロー以外が反応した。
「恋歌…!」
ぽた、っと汗が落ちて床に落ちる。
ペンギンの時は1時間きっかりしか時間が止められなかったが、今回はすでに2時間も止めている。
「だ、大丈夫なのか…?」
「わ、わかんねぇよ…」
ローも一度叫び声をあげて膝から崩れ落ちていたが、気力でオペを続けている。
なにも助けてやることが出来ない事に、不甲斐なさを感じながらも心配する事しかできない。
1本目の杖が倒れてから30分後、もう一つ杖が倒れて床に転がった。
「あと1本しかない…」
「すげぇ汗だ…」
魔法を発動しているときに恋歌に触れていいのかもわからず、床に落ちる程の汗も拭ってやることはできない。
転がった杖を拾って握りしめ、周りにある時計を見渡す。
「恋歌!!もういい!」
「「「!!」」」
急に大きな声を出したローに驚いたが、その言葉の直後、周りの時計が消え、魔方陣も消えた。
「わわっ…!」
恋歌が床に倒れる前に、ベポが恋歌の身体を支える。
気を失っている恋歌を抱えて、ソファに寝かせてやり、布団をかけてやる。
「(よく頑張った…!これだけ時間を稼いでもらえれば、あとはおれが絶対に助けてやるからな!)」
思ったより長く時間を止めてくれた恋歌に感謝し、後は自分の仕事だとオペを続ける。
それから数時間後。
オペが無事に終わった直後、ローは倒れそうになったが、倒れるわけにいかないと、ヴォルフの近くに椅子を出して4人で見守る。
「恋歌は?」
「眠ってるだけみたい」
「俺の横に連れて来い」
「あ、うん」
もう1つ椅子をローの横に持ってきて、その上に恋歌を下ろしてやる。
自分にもたれかからせるようにして手を握ってやった。
「恋歌は大丈夫そうか?」
「わからねぇ
けど魔力はこうしてればちょっとは分けられるらしい…」
「お、おれのもわけられないかな」
ローが握っている手とは反対の手をベポが握り、心配そうに恋歌を見つめる。
「…わけれるかはわからねぇが、手は握っててやれ」
「うん…」
まったく目を覚ます様子の無い恋歌とヴォルフに、夜が明けるまで全員が心配した面持ちでずっと起きて見守っていた。
そしてローがオペを開始してから12時間後。
窓から陽が差し込み、朝が来た事がわかる。
朝陽がヴォルフの顔を照らすと、ヴォルフの瞼がピクリと動いた。
「んぁ…朝か…」
いつもの様に目を覚ましたヴォルフに、ずっと起きていた4人は目を合わせた。
「生きてる…?」
「喋った…?」
「助かった…?」
どきどきしながら小さくつぶやくと、一気に現実味が増した。
「「「「うおおおおおおおおおお!!」」」」
喜びで4人の雄叫びが上がる。
「やった!さすがローさんだぜ!!じいさんが生き返ったあっ!!」
「なんじゃ…天国に来たかと思ったら、見慣れたガキどもがわめいとる…
わしは、生きとるのか」
「ふん、大したしぶとさだぜ
葬式の準備をするつもりでいたんだけどな」
心にもない事を言うローの顔は嬉しそうで、少し泣きそうな顔をしている。
それと同時にこれだけ騒いでも起きない恋歌の事を思い出し、顔を覗き込みが起きる気配はない。
「ロー…お前が助けてくれたんじゃな」
「俺だけの手柄じゃねぇよ
ベポも、シャチも、ペンギンも…恋歌も…
全員、協力してくれた
一人でもいなかったら、おれはオペを成功させられなかっただろうよ」
「…そうか」
もう一度眠ってしまったヴォルフに、もう安心だと胸をなでおろし、恋歌を抱えてソファへ移動した。
身体の触れている部分が多いほど魔力の供給量が多くなるのは実験でわかっている。
自分の膝の上に乗せて、抱えるように抱きしめて布団をかぶる。
「恋歌は…起きねぇのか?」
「ああ…
悪いが誰か町に行って先生を呼んできてくれねぇか?」
「お、俺が行ってくる!」
ペンギンがダッシュで家を飛び出した後、シャチとベポは軽くなにかを食べられるように食事の準備をし始めた。
「(恋歌…目を覚ませ…
俺の魔力なんざいくらでもくれてやるから…)」
このオペが成功したのも恋歌が数時間時を止めてくれたから。
ヴォルフが助かった事は嬉しいが、恋歌も目を覚まさないと安心できない。
ペンギンが先生を呼んでくるまで、目を覚まさない恋歌を抱えて、早く目を覚ましてほしいと祈った。