出会いから出航まで
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「ローさん、道具は準備した!
消毒も済ませてあるよ!」
ローがヴォルフを担いで帰ってくると、リビングの真ん中に手術台が準備されていた。
その上にヴォルフを寝かせて、シャチが手術道具を渡す。
「じいさんの怪我、どれぐらいひどいんだ…?」
ベポが心配そうにローに尋ねるが、ローからの返答はない。
それほどひどい状態ということだろう。
「う…
そこにいるのは、ローか…」
大怪我をしているにもかかわらず意識を取り戻したヴォルフが、話を始める。
「取り敢えず今は喋るな
大人しく眠ってろ」
「なんじゃ、わしは怪我をしとるのか…
ああ…お前らの遊び道具になるかと思って、電動飛行機の実験をやってたんだがな…突風にあおられて墜落してしまった…
まったく、これでは天才の名がすたるわい…」
「静かにしてろ!話ならあとでいくらでも聞いてやるから!」
不器用な優しさで自分の達の為に遊び道具を作ろうとしてくれていた。
『(ヴォルフ…)』
いきなり来た自分の話を聞いて、信じて、この家に置いてくれた恩人。
その恩人が危険な状態である今、自分に何が出来るかと、今まで得た知識で考えを巡らせる。
この家は町から離れすぎているため、町に行って医者を呼んでくる時間もない。
ローがオペをすると決意し、シャチとペンギンから輸血用の血を取り、ヴォルフへと送る。
オペをするとローは宣言したが、不安なのか呼吸が乱れて、汗をかいている。
このオペを失敗したらヴォルフは…。
そう思えば考えられないほどの重圧が圧し掛かっているのだろうとわかる。
けれど今はローに頼るしかない。
そう思っていたのは全員同じだったようで、ペンギンもシャチもベポもローの左手を強く握っていた。
「ごめん、ローさん…
おれたちは今、なんも役に立ねぇ…
あんたに全部任せる事しか、できねぇ…
でも、ローさんならだいじょうぶだ!
俺とペンギンを助けてくれたあんたならだいじょうぶだ!
無責任な事しか言えなくて、ごめんよ…
けど、頼むよローさん!じいさんを!助げでやっでぐれよ!!」
ぼろぼろと泣きながら懇願するシャチを見て、ローは決意したようにいつも通りのきりっとした表情になった。
ローの腕をつんつんと突いて、顔を向けてもらうと、ローにぱっとノートを見せた。
≪わたしにできることを教えて≫
「恋歌…
時間を…くれ…」
≪うん、任せて≫
「あとは…俺を…信じてくれ」
≪疑った事なんかないよ≫
向けてくれる笑顔にほっとして息をはいた。
「ペンギンの時より長く時間を止められるか」
≪うん≫
「おれの…時より…?」
ペンギンを助けたときから、恋歌も何もしなかったわけじゃない。
魔力の総量はそう簡単に増えないし、今回は魔力を供給してくれるローには頼れない。
それでもできることはあった。
あの時のようにローの後ろに下がり、祈るように手を組んで床に膝をついた。
「魔法…?」
いつも通り恋歌の足元に魔方陣が展開され、いくつもの時計が現れる。
「恋歌…これ…」
一度見た事があるベポは、また倒れてしまうんじゃないかと心配になったが、止める事はできない。
足元に現れた魔方陣以外に恋歌の頭上に小さな魔方陣が3つ現れた。
そこから杖が現れて恋歌の周りを囲うように杖が浮かんでいる。
ぐるぐるとすべての時計の針が回り、12時で針が止まった。
「よし、お前ら離れてろ
おれを信じて、見てろ」
3人がローから離れると、大きく深呼吸をして能力を展開させた。
「【ROOM】」
今回は恋歌の限界もわからない。
だが、最優先事項はヴォルフを助ける事。
ローは初めて自分の能力を使って、ヴォルフのオペを始めた。
消毒も済ませてあるよ!」
ローがヴォルフを担いで帰ってくると、リビングの真ん中に手術台が準備されていた。
その上にヴォルフを寝かせて、シャチが手術道具を渡す。
「じいさんの怪我、どれぐらいひどいんだ…?」
ベポが心配そうにローに尋ねるが、ローからの返答はない。
それほどひどい状態ということだろう。
「う…
そこにいるのは、ローか…」
大怪我をしているにもかかわらず意識を取り戻したヴォルフが、話を始める。
「取り敢えず今は喋るな
大人しく眠ってろ」
「なんじゃ、わしは怪我をしとるのか…
ああ…お前らの遊び道具になるかと思って、電動飛行機の実験をやってたんだがな…突風にあおられて墜落してしまった…
まったく、これでは天才の名がすたるわい…」
「静かにしてろ!話ならあとでいくらでも聞いてやるから!」
不器用な優しさで自分の達の為に遊び道具を作ろうとしてくれていた。
『(ヴォルフ…)』
いきなり来た自分の話を聞いて、信じて、この家に置いてくれた恩人。
その恩人が危険な状態である今、自分に何が出来るかと、今まで得た知識で考えを巡らせる。
この家は町から離れすぎているため、町に行って医者を呼んでくる時間もない。
ローがオペをすると決意し、シャチとペンギンから輸血用の血を取り、ヴォルフへと送る。
オペをするとローは宣言したが、不安なのか呼吸が乱れて、汗をかいている。
このオペを失敗したらヴォルフは…。
そう思えば考えられないほどの重圧が圧し掛かっているのだろうとわかる。
けれど今はローに頼るしかない。
そう思っていたのは全員同じだったようで、ペンギンもシャチもベポもローの左手を強く握っていた。
「ごめん、ローさん…
おれたちは今、なんも役に立ねぇ…
あんたに全部任せる事しか、できねぇ…
でも、ローさんならだいじょうぶだ!
俺とペンギンを助けてくれたあんたならだいじょうぶだ!
無責任な事しか言えなくて、ごめんよ…
けど、頼むよローさん!じいさんを!助げでやっでぐれよ!!」
ぼろぼろと泣きながら懇願するシャチを見て、ローは決意したようにいつも通りのきりっとした表情になった。
ローの腕をつんつんと突いて、顔を向けてもらうと、ローにぱっとノートを見せた。
≪わたしにできることを教えて≫
「恋歌…
時間を…くれ…」
≪うん、任せて≫
「あとは…俺を…信じてくれ」
≪疑った事なんかないよ≫
向けてくれる笑顔にほっとして息をはいた。
「ペンギンの時より長く時間を止められるか」
≪うん≫
「おれの…時より…?」
ペンギンを助けたときから、恋歌も何もしなかったわけじゃない。
魔力の総量はそう簡単に増えないし、今回は魔力を供給してくれるローには頼れない。
それでもできることはあった。
あの時のようにローの後ろに下がり、祈るように手を組んで床に膝をついた。
「魔法…?」
いつも通り恋歌の足元に魔方陣が展開され、いくつもの時計が現れる。
「恋歌…これ…」
一度見た事があるベポは、また倒れてしまうんじゃないかと心配になったが、止める事はできない。
足元に現れた魔方陣以外に恋歌の頭上に小さな魔方陣が3つ現れた。
そこから杖が現れて恋歌の周りを囲うように杖が浮かんでいる。
ぐるぐるとすべての時計の針が回り、12時で針が止まった。
「よし、お前ら離れてろ
おれを信じて、見てろ」
3人がローから離れると、大きく深呼吸をして能力を展開させた。
「【ROOM】」
今回は恋歌の限界もわからない。
だが、最優先事項はヴォルフを助ける事。
ローは初めて自分の能力を使って、ヴォルフのオペを始めた。