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?ローのおかげ(?)により、元々怒っていた内容が恋歌の中で薄れ、脱衣所ではびくびくしていたシリウスだったが、既に恋歌の関心が別のところに移っている事に気づいた。
「ね、ねぇ…恋歌どうしたのかな」
「…さぁな」
いつにもまして喋らない恋歌は黙々と髪を洗っている。
話しかけない方がいいかと、こそこそとベポとシリウスが話をしているが、それにも気づかないほど上の空。
「恋歌」
『あ、ごめん
ぼーっとしてた』
ちょんちょん、と足をつつかれた恋歌は、洗ってほしいのかとすぐに髪の泡を洗い流す。
普通に返事をしてくれた恋歌にほっとしたシリウスは、恋歌の準備が整うのをおとなしく待つ。
「…悪かった」
髪をくるんとひとまとめにした恋歌に、謝罪の言葉を口にすれば、ふっと笑って頭を撫でてくれる。
『もういいよ
でも、お菓子は、しばらく、禁止だからね』
「……わかった」
反省しているのは表情を見てわかるが、せめて元の体重と体型に戻るまでは、お菓子を食べるのを我慢してもらおうとお菓子禁止は撤回しなかった。
ふてくされた顔をしているシリウスを洗うために手で泡を作っていき、泡でシリウスを包み痛くないようにマッサージをして洗ってやりながら忘れていた事を思い出した。
『(わたし…ローに見せられる身体じゃないんだった…)』
怒っていた原因を思い出し、シリウスを洗いながらまた黙り込んでしまった。
『目、閉じて』
シリウスの頭からお湯を流して泡を流すと、ぷるぷると身体の水気をはらっている。
「…何か悩み事か?」
『…ううん、なんでも、ないよ』
「(この感じは…クソガキ関連か…)」
照れたように視線を逸らす恋歌に、食堂から出た後にローが恋歌の部屋に行ったのを思い出し、何かあったのだと勘がはたらいた。
「今日もクソガキの部屋に行くのか?」
『あ、うん…そのつもり…』
「…そうか」
なにかを考え始めたシリウスに恋歌は首を傾げたが、早く身体を洗ってしまおうと今度はボディソープを泡立てる。
『(い、一応いつもよりちゃんと洗った方がいいのかな…)』
いつもちゃんと洗ってるつもりではあるが、今日に関しては万が一の事を考えて、いつもより時間をかけて身体を洗う。
「(そういうことか…)」
その様子を見て、何かを納得したシリウスは恋歌にわからないようにため息をついた。
「なぁ恋歌」
風呂から上がり着替えも済ませた恋歌が、バスタオルで髪の水気をとっている恋歌の足元から声をかけると、どうかしたかと視線が向けられた。
「(クソガキ、借りは返してやるよ)
修行の内容を考えるのに1つ試してほしい事がある」
『今?』
「ああそうだ
その髪、魔法で乾かしてみろ」
『う、うん』
「えー!そんなことできるの!?
おれにもやってくれよ」
風魔法と火魔法の応用で、温風を作り出す事ができるのは知識としてあるが、それを髪に使うのははじめて。
両の掌に魔方陣を出し、風魔法と火魔法の出力を調整して髪に滑らせていく。
「はじめは難しいと思うが、その感覚に慣れろ
慣れたら戦闘でも咄嗟に使えるようになる」
『う、うん…』
風魔法は少し出力を間違えても暴風になるだけだが、火魔法は出力の量を間違えると髪が燃える。
シャチが大切にしてくれている髪を、ローが綺麗だと言ってくれる髪を、燃やす事などできないと、慎重に調整をするが微妙な調整が難しく必要以上に魔力を使ってしまい、ぷるぷると手が震えている。
「なんだか、辛そうだね…」
「魔力の操作ってのは繊細なものだ
だがこの世界で生きていくなら、できる事は多いに越したことはない」
星の魔女の美しさが相手によっては毒となる世界で恋歌が生きていくと決めたのなら、その手助けをするのが自分の務めだとわかっている。
ベポは自分も乾かしてもらおうかと思っていたが、思ったより辛そうな表情を見てその言葉はぐっと飲み込んだ。
数十分後、髪を無事に乾かし終えた恋歌は、ふぅ、と息をはいて自分の髪を見つめる。
「火魔法の出力はもう少し強くてもいい
あとは魔力を使い過ぎだ
必要最低限の魔力で最適な出力ができるようにする、いいな」
『はい』
シリウスの言葉に返事をした恋歌は、魔力不足で少し熱くなった紋章あたりの服を握り締めた。
そして脱衣所から出るとベポと一緒に寝ると言ってシリウスはベポの頭の上に乗ってベポの部屋に向かい、恋歌はローの部屋に行く準備をするために一度自室に戻った。
「ね、ねぇ…恋歌どうしたのかな」
「…さぁな」
いつにもまして喋らない恋歌は黙々と髪を洗っている。
話しかけない方がいいかと、こそこそとベポとシリウスが話をしているが、それにも気づかないほど上の空。
「恋歌」
『あ、ごめん
ぼーっとしてた』
ちょんちょん、と足をつつかれた恋歌は、洗ってほしいのかとすぐに髪の泡を洗い流す。
普通に返事をしてくれた恋歌にほっとしたシリウスは、恋歌の準備が整うのをおとなしく待つ。
「…悪かった」
髪をくるんとひとまとめにした恋歌に、謝罪の言葉を口にすれば、ふっと笑って頭を撫でてくれる。
『もういいよ
でも、お菓子は、しばらく、禁止だからね』
「……わかった」
反省しているのは表情を見てわかるが、せめて元の体重と体型に戻るまでは、お菓子を食べるのを我慢してもらおうとお菓子禁止は撤回しなかった。
ふてくされた顔をしているシリウスを洗うために手で泡を作っていき、泡でシリウスを包み痛くないようにマッサージをして洗ってやりながら忘れていた事を思い出した。
『(わたし…ローに見せられる身体じゃないんだった…)』
怒っていた原因を思い出し、シリウスを洗いながらまた黙り込んでしまった。
『目、閉じて』
シリウスの頭からお湯を流して泡を流すと、ぷるぷると身体の水気をはらっている。
「…何か悩み事か?」
『…ううん、なんでも、ないよ』
「(この感じは…クソガキ関連か…)」
照れたように視線を逸らす恋歌に、食堂から出た後にローが恋歌の部屋に行ったのを思い出し、何かあったのだと勘がはたらいた。
「今日もクソガキの部屋に行くのか?」
『あ、うん…そのつもり…』
「…そうか」
なにかを考え始めたシリウスに恋歌は首を傾げたが、早く身体を洗ってしまおうと今度はボディソープを泡立てる。
『(い、一応いつもよりちゃんと洗った方がいいのかな…)』
いつもちゃんと洗ってるつもりではあるが、今日に関しては万が一の事を考えて、いつもより時間をかけて身体を洗う。
「(そういうことか…)」
その様子を見て、何かを納得したシリウスは恋歌にわからないようにため息をついた。
「なぁ恋歌」
風呂から上がり着替えも済ませた恋歌が、バスタオルで髪の水気をとっている恋歌の足元から声をかけると、どうかしたかと視線が向けられた。
「(クソガキ、借りは返してやるよ)
修行の内容を考えるのに1つ試してほしい事がある」
『今?』
「ああそうだ
その髪、魔法で乾かしてみろ」
『う、うん』
「えー!そんなことできるの!?
おれにもやってくれよ」
風魔法と火魔法の応用で、温風を作り出す事ができるのは知識としてあるが、それを髪に使うのははじめて。
両の掌に魔方陣を出し、風魔法と火魔法の出力を調整して髪に滑らせていく。
「はじめは難しいと思うが、その感覚に慣れろ
慣れたら戦闘でも咄嗟に使えるようになる」
『う、うん…』
風魔法は少し出力を間違えても暴風になるだけだが、火魔法は出力の量を間違えると髪が燃える。
シャチが大切にしてくれている髪を、ローが綺麗だと言ってくれる髪を、燃やす事などできないと、慎重に調整をするが微妙な調整が難しく必要以上に魔力を使ってしまい、ぷるぷると手が震えている。
「なんだか、辛そうだね…」
「魔力の操作ってのは繊細なものだ
だがこの世界で生きていくなら、できる事は多いに越したことはない」
星の魔女の美しさが相手によっては毒となる世界で恋歌が生きていくと決めたのなら、その手助けをするのが自分の務めだとわかっている。
ベポは自分も乾かしてもらおうかと思っていたが、思ったより辛そうな表情を見てその言葉はぐっと飲み込んだ。
数十分後、髪を無事に乾かし終えた恋歌は、ふぅ、と息をはいて自分の髪を見つめる。
「火魔法の出力はもう少し強くてもいい
あとは魔力を使い過ぎだ
必要最低限の魔力で最適な出力ができるようにする、いいな」
『はい』
シリウスの言葉に返事をした恋歌は、魔力不足で少し熱くなった紋章あたりの服を握り締めた。
そして脱衣所から出るとベポと一緒に寝ると言ってシリウスはベポの頭の上に乗ってベポの部屋に向かい、恋歌はローの部屋に行く準備をするために一度自室に戻った。