入れ替わり
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「(……なんだこの空気)」
その日の夕食、いつもより重い空気の食堂にローは何があったのかと黙って食事を進めながら、むすっとしている恋歌、しょんぼりしているシリウス、全く喋らないシャチとペンギン、いつも通りのベポと順番に視線を滑らせる。
「(恋歌が何かに怒ってる、ってことか?
珍しい事もあるもんだな)」
もぐもぐと口の中の食べ物を咀嚼しながらとばっちりがこないように一先ず様子を伺う。
「な、なぁ恋歌…これ好きだろ?
食べるか?」
『……』
「あ、じゃあこれは…?」
『……』
ごくりと喉を鳴らしてペンギンとシャチが恋歌に話しかけるも、ふい、と視線を逸らされて返事が返ってこない。
黙々と食事を続ける恋歌は、一言も言葉を発することなくぱちん、と箸を置いて”ごちそうさまでした”と手を合わせてから立ち上がった。
自分が食べ終えた食器をシンクで洗い、自分の分だけの紅茶を淹れて、食堂から出て行ってしまった。
「もうー…2人とも早く謝りなって」
「だ、だってなんかこう…謝る雰囲気じゃねぇじゃん?」
まったく相手にしてもらえなかったシャチとペンギンが落ち込んでいる姿を見ながら、ベポが拗ねたような顔をして謝らなかった2人を叱責した。
「何やったんだ?」
話しが見えないローは、こんなに怒っているところなど見た事がないと、いったい何をしたのか気になった。
「実は…」
シャチとペンギンは昨日シリウスが恋歌の身体に入っている時にお菓子を大量に食べさせてしまった事をローに説明した。
「(くだらねぇ…)」
だが、その話を聞いたローはそんなくだらないことでこんな雰囲気を出していたのかと、呆れたようにため息をついた。
「でもあんなに恋歌がお菓子食べちゃだめって言ってたのに、こっそりシリウスにお菓子あげてたシャチとペンギンが悪いよ」
「さっさと謝ってこい
恋歌なら謝れば許してくれるだろ」
見たところ本気で怒っているようではなかったので、誠心誠意謝れば恋歌の性格であれば許してくれるだろうと助言するが、2人ともぐっと言葉を詰まらせた。
「でもさ…」
「拗ねてる恋歌…可愛いだろ?」
「……は?」
「普段も可愛いけど、拗ねた顔もめちゃくちゃ可愛いんだよ!」
頭を抱えて唸り始めた2人に、これはダメだとローは助言する事を諦めて立ち上がった。
「勝手にしろ
嫌われてもおれはしらねぇからな」
「「うっ…」」
「一応様子だけは見てきてやる」
それだけを言い捨てて、恋歌の様子を見に行こうと食堂から恋歌の部屋に向かった。
こんこん、と恋歌の部屋の扉をノックすれば、がちゃりと部屋の主が扉を開けてくれ、きょとんとした顔をしている。
『どうしたの?』
「謝ってきたら許してやれよ」
『……わかってるよ』
ローが何を言いに来たのかわかった恋歌は、頬を膨らませてぷいっと視線を逸らした。
「(…たしかに可愛いな)」
ふっと笑って膨らんだ頬をつついてやるが、口の中の空気は抜けない。
『だって…太っちゃった、んだもん…』
「…過ぎた事は仕方ねぇ
鍛錬と食事でなんとかするか」
『うん…』
怒り過ぎてしまったかと少し反省したが、女の子の身体でお菓子を大量に食べ、それを本人に内緒にしていたということについては、謝ってもらわないと許すつもりはない。
『でも…痩せるまで…触っちゃだめ、だからね?』
「………は?」
『だめだからね?』
まさかこんなとばっちりを受けると思っていなかったローは、言われたことが処理できず恋歌の頬をつついた体勢のまま固まってしまった。
「(あいつら…!)」
これでローが恋歌に触れてしまえば、あの2人のように言葉を交わしてもらえなくなるとわかっている。
「わ…かった…」
渋々頷くしかできなかったローは、原因を作ったシャチとペンギンの鍛錬を厳しくしようと決めた。
「…ちょっと入れろ」
『?』
頬をつついていた手で肩を軽く押すと、不思議そうな顔をしながら部屋の中に入れてくれた。
その日の夕食、いつもより重い空気の食堂にローは何があったのかと黙って食事を進めながら、むすっとしている恋歌、しょんぼりしているシリウス、全く喋らないシャチとペンギン、いつも通りのベポと順番に視線を滑らせる。
「(恋歌が何かに怒ってる、ってことか?
珍しい事もあるもんだな)」
もぐもぐと口の中の食べ物を咀嚼しながらとばっちりがこないように一先ず様子を伺う。
「な、なぁ恋歌…これ好きだろ?
食べるか?」
『……』
「あ、じゃあこれは…?」
『……』
ごくりと喉を鳴らしてペンギンとシャチが恋歌に話しかけるも、ふい、と視線を逸らされて返事が返ってこない。
黙々と食事を続ける恋歌は、一言も言葉を発することなくぱちん、と箸を置いて”ごちそうさまでした”と手を合わせてから立ち上がった。
自分が食べ終えた食器をシンクで洗い、自分の分だけの紅茶を淹れて、食堂から出て行ってしまった。
「もうー…2人とも早く謝りなって」
「だ、だってなんかこう…謝る雰囲気じゃねぇじゃん?」
まったく相手にしてもらえなかったシャチとペンギンが落ち込んでいる姿を見ながら、ベポが拗ねたような顔をして謝らなかった2人を叱責した。
「何やったんだ?」
話しが見えないローは、こんなに怒っているところなど見た事がないと、いったい何をしたのか気になった。
「実は…」
シャチとペンギンは昨日シリウスが恋歌の身体に入っている時にお菓子を大量に食べさせてしまった事をローに説明した。
「(くだらねぇ…)」
だが、その話を聞いたローはそんなくだらないことでこんな雰囲気を出していたのかと、呆れたようにため息をついた。
「でもあんなに恋歌がお菓子食べちゃだめって言ってたのに、こっそりシリウスにお菓子あげてたシャチとペンギンが悪いよ」
「さっさと謝ってこい
恋歌なら謝れば許してくれるだろ」
見たところ本気で怒っているようではなかったので、誠心誠意謝れば恋歌の性格であれば許してくれるだろうと助言するが、2人ともぐっと言葉を詰まらせた。
「でもさ…」
「拗ねてる恋歌…可愛いだろ?」
「……は?」
「普段も可愛いけど、拗ねた顔もめちゃくちゃ可愛いんだよ!」
頭を抱えて唸り始めた2人に、これはダメだとローは助言する事を諦めて立ち上がった。
「勝手にしろ
嫌われてもおれはしらねぇからな」
「「うっ…」」
「一応様子だけは見てきてやる」
それだけを言い捨てて、恋歌の様子を見に行こうと食堂から恋歌の部屋に向かった。
こんこん、と恋歌の部屋の扉をノックすれば、がちゃりと部屋の主が扉を開けてくれ、きょとんとした顔をしている。
『どうしたの?』
「謝ってきたら許してやれよ」
『……わかってるよ』
ローが何を言いに来たのかわかった恋歌は、頬を膨らませてぷいっと視線を逸らした。
「(…たしかに可愛いな)」
ふっと笑って膨らんだ頬をつついてやるが、口の中の空気は抜けない。
『だって…太っちゃった、んだもん…』
「…過ぎた事は仕方ねぇ
鍛錬と食事でなんとかするか」
『うん…』
怒り過ぎてしまったかと少し反省したが、女の子の身体でお菓子を大量に食べ、それを本人に内緒にしていたということについては、謝ってもらわないと許すつもりはない。
『でも…痩せるまで…触っちゃだめ、だからね?』
「………は?」
『だめだからね?』
まさかこんなとばっちりを受けると思っていなかったローは、言われたことが処理できず恋歌の頬をつついた体勢のまま固まってしまった。
「(あいつら…!)」
これでローが恋歌に触れてしまえば、あの2人のように言葉を交わしてもらえなくなるとわかっている。
「わ…かった…」
渋々頷くしかできなかったローは、原因を作ったシャチとペンギンの鍛錬を厳しくしようと決めた。
「…ちょっと入れろ」
『?』
頬をつついていた手で肩を軽く押すと、不思議そうな顔をしながら部屋の中に入れてくれた。