入れ替わり
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
食堂でいつもの席に全員が座るが、恋歌が頬杖をついてぶすくれた顔をしている事に戸惑いが隠せない。
「あー…あのさ、シリウス」
「あ?」
「恋歌の顔でそういう顔すんのやめてくんね?」
恋歌のこんな眉間に皺の寄った表情など見たくないと、シャチが困ったように笑うがシリウスは”知るか”とふいと顔を逸らす。
「おれだって人間になるなんて不本意だ
恋歌の身体じゃなけりゃ発狂してる」
元々魔女以外の人間が嫌いなシリウスは、入れ替わったのが恋歌であった事に心底ほっとした。
「まぁでも1日で元に戻るんだろ?」
「おそらくな
今回使った魔法の魔力はそこまで多くない
おれの見立てではあるがそこまで大幅にずれはないはずだ」
「だったらそこまで深刻に考える事でもない、か…
ん?」
1日で元に戻るのであれば大した問題でもないかと、子犬の姿になった恋歌に視線を向けると、ローが恋歌を机の上に乗せてぐりぐりと指で撫でまわしているのが見えた。
『ロー、くすぐったい…』
「……悪い」
恋歌も逃げようとはしていないようだが、戸惑ったような鳴き声を出している。
シリウスはローの事を良く思っていないため、他の4人のように撫でまわしたり、普通に触る事もほとんどできない。
それを埋めるかのように今が好機ともふもふを堪能しているということなのだろう。
「ま、まぁ取り敢えず菓子でも食うか?」
「おう」
冷蔵庫から朝食後に作っておいたケーキを取り出して、ペンギンが切り分けていき、4つの皿に乗せ机の上に置いた。
「この身体だとケーキが小さく見えるな」
「そりゃいつもの身体に比べりゃな」
いつもの手のひらサイズの身体に比べれば、通常の人間からすればケーキの1切れなど小さいもの。
「…ちっ」
「だから恋歌の顔で舌打ちやめろ…」
「てか綺麗な声で舌打ちされると怖ぇんだけど…」
ケーキの傍に置いてあるフォークを手に取った瞬間、からん、と軽い音を立てて机にフォークが落ち、シリウスが小さく舌打ちをした。
「人間の身体ってのは扱いにくいな…」
いつもはそのままかぶりついているシリウスからすれば、フォークを使って食べるなど煩わしい他なかった。
だが、恋歌の身体でそのまま食べる事はできないというのは、人間が何か道具を使って食事をしている様子を何度も見てきてわかっている。
「おい、食わせろ」
「あ、うん、いいよ」
横に座っているベポに向かって口を開いたシリウスは、ベポのつなぎを引き自分の口を指さした。
一口分にフォークで切り分けたケーキをベポがシリウスの口元に持っていくとぱくっとそれを口の中に入れた。
「はぁ…人間の味覚でもけーきは美味いなぁ…」
「ははっ、そりゃどうも」
美味しそうにケーキを食べる表情だけはいつもの恋歌と同じで、作ったペンギンも嬉しそうに笑う。
「恋歌、食わせてやる」
『あ、ありがとう』
ローも恋歌用に用意されたケーキを、1人で食べる事の出来ない恋歌の口元にフォークを持っていくと、ぱくっとそれにかぶりついた。
ほわほわとした雰囲気でこの状況を楽しんでいるローの事には触れずに、シリウスがあっという間に一切れを食べ終わり、おかわりをペンギンに要求するとまた切り分けられたケーキが皿に乗せられる。
それをベポが嬉々とした表情でシリウスの口に運んでいる。
その表情にうずうずし始めたペンギンとシャチも、自分のケーキを切り分けて口元に持っていけば、小さな口を開いてぱくっとそれにかぶりついてきた。
「あー…あのさ、シリウス」
「あ?」
「恋歌の顔でそういう顔すんのやめてくんね?」
恋歌のこんな眉間に皺の寄った表情など見たくないと、シャチが困ったように笑うがシリウスは”知るか”とふいと顔を逸らす。
「おれだって人間になるなんて不本意だ
恋歌の身体じゃなけりゃ発狂してる」
元々魔女以外の人間が嫌いなシリウスは、入れ替わったのが恋歌であった事に心底ほっとした。
「まぁでも1日で元に戻るんだろ?」
「おそらくな
今回使った魔法の魔力はそこまで多くない
おれの見立てではあるがそこまで大幅にずれはないはずだ」
「だったらそこまで深刻に考える事でもない、か…
ん?」
1日で元に戻るのであれば大した問題でもないかと、子犬の姿になった恋歌に視線を向けると、ローが恋歌を机の上に乗せてぐりぐりと指で撫でまわしているのが見えた。
『ロー、くすぐったい…』
「……悪い」
恋歌も逃げようとはしていないようだが、戸惑ったような鳴き声を出している。
シリウスはローの事を良く思っていないため、他の4人のように撫でまわしたり、普通に触る事もほとんどできない。
それを埋めるかのように今が好機ともふもふを堪能しているということなのだろう。
「ま、まぁ取り敢えず菓子でも食うか?」
「おう」
冷蔵庫から朝食後に作っておいたケーキを取り出して、ペンギンが切り分けていき、4つの皿に乗せ机の上に置いた。
「この身体だとケーキが小さく見えるな」
「そりゃいつもの身体に比べりゃな」
いつもの手のひらサイズの身体に比べれば、通常の人間からすればケーキの1切れなど小さいもの。
「…ちっ」
「だから恋歌の顔で舌打ちやめろ…」
「てか綺麗な声で舌打ちされると怖ぇんだけど…」
ケーキの傍に置いてあるフォークを手に取った瞬間、からん、と軽い音を立てて机にフォークが落ち、シリウスが小さく舌打ちをした。
「人間の身体ってのは扱いにくいな…」
いつもはそのままかぶりついているシリウスからすれば、フォークを使って食べるなど煩わしい他なかった。
だが、恋歌の身体でそのまま食べる事はできないというのは、人間が何か道具を使って食事をしている様子を何度も見てきてわかっている。
「おい、食わせろ」
「あ、うん、いいよ」
横に座っているベポに向かって口を開いたシリウスは、ベポのつなぎを引き自分の口を指さした。
一口分にフォークで切り分けたケーキをベポがシリウスの口元に持っていくとぱくっとそれを口の中に入れた。
「はぁ…人間の味覚でもけーきは美味いなぁ…」
「ははっ、そりゃどうも」
美味しそうにケーキを食べる表情だけはいつもの恋歌と同じで、作ったペンギンも嬉しそうに笑う。
「恋歌、食わせてやる」
『あ、ありがとう』
ローも恋歌用に用意されたケーキを、1人で食べる事の出来ない恋歌の口元にフォークを持っていくと、ぱくっとそれにかぶりついた。
ほわほわとした雰囲気でこの状況を楽しんでいるローの事には触れずに、シリウスがあっという間に一切れを食べ終わり、おかわりをペンギンに要求するとまた切り分けられたケーキが皿に乗せられる。
それをベポが嬉々とした表情でシリウスの口に運んでいる。
その表情にうずうずし始めたペンギンとシャチも、自分のケーキを切り分けて口元に持っていけば、小さな口を開いてぱくっとそれにかぶりついてきた。