「…へ？」

「げっ！」

だが、1番にやられたのもシャチ。

立っていた場所から足を動かそうとした直後の出来事だった。

「まぁまぁの威力だ」

シャチの心臓部分には黒のペイントがべったりとついており、その色を使っているのはロー。

ちなみに恋歌は黄色、ベポはオレンジ、ペンギンは青、シャチは赤のペイントを使っている。

「く、くそ…」

「シャ、シャチ！しっかりしろ！

よくもおれの相棒を！！」

にや、っと笑うローにわざとらしい動作で心臓を押さえて倒れたシャチに、ペンギンが駆け寄り声をかけるがシャチからの返答はない。

「はっ、仇討ちでもするか？」

「当然！！」





「みんなノリノリだね…」

『ふふっ、そうだね』

こういう遊びの時は意外と乗ってくれるローは、悪そうな笑みを浮かべながらペンギンの相手をしている。

「恋歌、ベポ」

「わ！ゾンビ！！」

「誰がゾンビだ！」

ずりずりと身体を引きずりながらシャチが話しかけてきたため、ベポが悪乗りして恋歌を背中に庇って水鉄砲を構える。

「倒されたら動いちゃいけないんだよ」

「細かいとこは気にすんな！

3人でキャプテンにかかれば勝てる！」

「ええー…キャプテンばっかり狙うのは…「ぎゃー！！」

あ、ペンギンもやられたよ」

「げ…」

こそこそと作戦を伝えようとしていたシャチが、悪戦を伝え終える前にペンギンの悲鳴が聞こえた。

ほぼ全身真っ黒になったペンギンは、ローの足元に倒れている。

「残りは恋歌とベポか」

水の補充をしているローは、にやりと笑って恋歌とベポに水鉄砲の銃口を向ける。

「…こうなったら２人で頑張ろう」

『うん』

ここで負けても掃除はシャチ。

どうせなら楽しもうと恋歌も水鉄砲を構える。

「２人ががりか

いいぜ、それでおれに勝てるかやってみろ」

『(ローが悪役っぽい…)

【レプス

サジタリウス】』

魔法の使用を許可してもらっている為、魔法を自身にかけぐっ、と足に力を入れた。