ペンギンの女難
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夕食後、恋歌はベポと一緒に風呂に行き、シリウスはベポが洗ってくれ、足に負担がかからないように気遣ってくれた。
「思ったんだが、恋歌は治癒魔法は使えないのか?」
脱衣所で身体をベポに拭いてもらっているシリウスは、思い出したように恋歌に聞くと、ゆるく首を横に振られた。
『わたしができるのは、かすり傷を治す程度
ちゃんと練習しないと、いけないんだけど…』
「治癒魔法を使うには魔力や適性うんぬんより、人体の構造を理解している必要がある
あのクソガキの医学書を借りて練習に治してみたらどうだ」
『そう、なんだ』
今まで魔力が足りないから治せないんだと思い込んでいたが、シリウスによればそうではないらしい。
「治癒魔法の適性がある魔女なら、人体の構造を理解してなくとも治癒魔法は使える
だが恋歌は治癒魔法の適正はない
それだけは勉強するしかねぇな」
『わかった
ローに、教えてもらう』
「おー、そうしな」
「わ!びっくりした!」
脱衣所の扉を開けると壁にもたれかかるようにして、ローが医学書を片手に立っていた。
無言で医学書をぱたん、と閉じると、ベポに抱えられている恋歌を渡せと手を構える。
『待ってて、くれたの?』
「…ああ」
「キャプテン優しいね」
「…どうだかな」
いくら足を怪我していて心配とはいえ、仲間が近くにいるというのに、風呂場の前で待つだろうかと、シリウスは呆れたようにため息をついた。
ローに抱えられたまま部屋に連れてこられた恋歌は、ローにそっとソファに降ろされた。
「足出せ」
『あ、えっと、ちょっと待って』
包帯を巻きなおしてくれようとして、包帯と薬を片手に足元に膝をついているローは、なぜ止めるのかと怪訝そうな顔をしている。
先ほどシリウスに聞いた内容を簡単に伝えると、昔から治癒魔法に興味のあったローは、恋歌の言葉にも興味を示し、包帯を机に置いて恋歌に横に座った。
「その足の怪我を治すだけってんなら、手順を教えればいいのか?」
『うん、教えてくれる?』
「ああ
まず…」
ある医学書を開いて、組織構造や血管の位置、今の恋歌の傷の具合、どの手順で自然に回復していくのかを教え、なんとなく理解した恋歌は、一度試してみようと手を傷の上に置いた。
傷の上に魔方陣が浮かび上がり、恋歌は目を閉じて今教えてもらった事を頭の中で思い浮かべながら魔力をこめていく。
数分後目を開けた恋歌は手を退けて、見た目には綺麗になった自分の足をまじまじと見る。
『治った…かな?』
「…すげぇな
捻挫も治してみるか?」
『うん』
綺麗に消えた傷に素直に感嘆の声を漏らすローは、反対の足の捻挫についても同じように教えると、今度は先ほどより時間もかからず治す事ができた。
「これは…」
少し興奮した様子で恋歌に話しかけようとしたが、ふらっと自分の方に倒れてきた恋歌を慌てて支えた。
「どうした!」
『魔力…結構使ったのと…なんだか、頭が痛い』
眉間に皺を寄せて頭をおさえている恋歌を見て、背中と膝裏に手を回してベッドにそっと寝かせてやる。
「思ったんだが、恋歌は治癒魔法は使えないのか?」
脱衣所で身体をベポに拭いてもらっているシリウスは、思い出したように恋歌に聞くと、ゆるく首を横に振られた。
『わたしができるのは、かすり傷を治す程度
ちゃんと練習しないと、いけないんだけど…』
「治癒魔法を使うには魔力や適性うんぬんより、人体の構造を理解している必要がある
あのクソガキの医学書を借りて練習に治してみたらどうだ」
『そう、なんだ』
今まで魔力が足りないから治せないんだと思い込んでいたが、シリウスによればそうではないらしい。
「治癒魔法の適性がある魔女なら、人体の構造を理解してなくとも治癒魔法は使える
だが恋歌は治癒魔法の適正はない
それだけは勉強するしかねぇな」
『わかった
ローに、教えてもらう』
「おー、そうしな」
「わ!びっくりした!」
脱衣所の扉を開けると壁にもたれかかるようにして、ローが医学書を片手に立っていた。
無言で医学書をぱたん、と閉じると、ベポに抱えられている恋歌を渡せと手を構える。
『待ってて、くれたの?』
「…ああ」
「キャプテン優しいね」
「…どうだかな」
いくら足を怪我していて心配とはいえ、仲間が近くにいるというのに、風呂場の前で待つだろうかと、シリウスは呆れたようにため息をついた。
ローに抱えられたまま部屋に連れてこられた恋歌は、ローにそっとソファに降ろされた。
「足出せ」
『あ、えっと、ちょっと待って』
包帯を巻きなおしてくれようとして、包帯と薬を片手に足元に膝をついているローは、なぜ止めるのかと怪訝そうな顔をしている。
先ほどシリウスに聞いた内容を簡単に伝えると、昔から治癒魔法に興味のあったローは、恋歌の言葉にも興味を示し、包帯を机に置いて恋歌に横に座った。
「その足の怪我を治すだけってんなら、手順を教えればいいのか?」
『うん、教えてくれる?』
「ああ
まず…」
ある医学書を開いて、組織構造や血管の位置、今の恋歌の傷の具合、どの手順で自然に回復していくのかを教え、なんとなく理解した恋歌は、一度試してみようと手を傷の上に置いた。
傷の上に魔方陣が浮かび上がり、恋歌は目を閉じて今教えてもらった事を頭の中で思い浮かべながら魔力をこめていく。
数分後目を開けた恋歌は手を退けて、見た目には綺麗になった自分の足をまじまじと見る。
『治った…かな?』
「…すげぇな
捻挫も治してみるか?」
『うん』
綺麗に消えた傷に素直に感嘆の声を漏らすローは、反対の足の捻挫についても同じように教えると、今度は先ほどより時間もかからず治す事ができた。
「これは…」
少し興奮した様子で恋歌に話しかけようとしたが、ふらっと自分の方に倒れてきた恋歌を慌てて支えた。
「どうした!」
『魔力…結構使ったのと…なんだか、頭が痛い』
眉間に皺を寄せて頭をおさえている恋歌を見て、背中と膝裏に手を回してベッドにそっと寝かせてやる。