ペンギンの女難
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3人が出て行ってからしばらくした後、寒さに身震いした恋歌は、眠る前に両サイドにいたベポかローに引っ付くか、布団を探すために目を閉じたまま、ぽすぽすと手を動かしていると、なにか温かいものに触れてそれを握りしめた。
「え、ちょ…」
『ペン…ギン?』
戸惑ったような声にうっすらと目を開ければ、上から覗きこむような形でペンギンが見下ろしていた。
「悪い、起こしたか」
『ううん、寒いなって…思った、だけ』
「もう一枚何か借りてきてやるよ」
ペンギンが恋歌を見下ろすような形になっていたのは、恋歌の顔の近くにいるシリウスの足が恋歌の顔を蹴りそうになっていた為、シリウスを移動させてやろうとベッドに片足を乗せて手を伸ばしたからだった。
横にベポがいるのに寒いのであれば、もう一枚毛布でも借りてきてやろうと身体を起こそうとしたが、恋歌に服を掴まれて身体を動かすことができない。
『ここに、いて』
「え…」
『ペンギン、あったかいから…一緒に寝よ』
「いや、あの…恋歌、さん?」
『だめ…?』
「だめ、っていうか…おれの命が危ないっていうか…胃が痛いというか…」
『?』
眠そうな顔でペンギンの言っている意味がわからないという顔をしている恋歌の表情と声は、ペンギンの意思を簡単に崩してしまいそうになるが、背中に突き刺さっている殺気のこもった視線に、なんとか踏みとどまっている状態。
ベポがいるのに寒いというのは、足を怪我している恋歌の事を気遣って、少し距離を置いているから。
いつもであればベポに寒いと言えば、抱え込んでくれていただろうが、今は遠慮しているらしい。
『お腹痛いなら、休んだ方が、いいよ』
「ああ…うん、まぁ、そうなんだけどさ…」
恋歌の気遣いに苦笑いで返したペンギンは、服を掴んでいる恋歌の手を離させた。
「キャプテンが近くにいるから頼んでやるよ
それでいいか?」
『…うん』
ぽん、と布団の上から恋歌の身体を叩いてやり、ちらっと後ろに視線を向けると、腕を組んで眉間に皺を寄せているローと視線を合わせた。
「…言っとくけど不可抗力だからな」
「…何も言ってねぇだろ」
目は口ほどに物を言うとは、こういう時に使うのだろうかとぼんやり考えたが、ベッドから立ち上がって場所をローに譲る。
「おれとシャチは他の部屋借りてくるよ
恋歌とベポの事頼んだ」
「あ、おれあとで毛布持ってきてやるよ」
「ああ…」
ひらひらと手を振って出て行った2人の背中を見送り、ベッドに座ってまだうっすらと目を開けている恋歌の頭を撫でてやる。
『ロー…』
「ペンギンじゃなくて悪いな」
『ううん、ローも、あったかいから、一緒に寝るの、好き』
「…そうか」
しばらくしてシャチが毛布を持ってきてくれ、それをかけてローも恋歌の横に寝転がる。
腕を頭の下に通してやり、なるべく足に触れないようにそっと抱きしめてやると、すり、と胸に擦り寄ってきた。
「寒くねぇか」
『うん、あったかい』
「そうか」
また眠った事を確認して、ほっとしたように息をはく。
「(今日はいつもより睡眠時間が長い…
眠りが浅いんだろうな…)」
いつも恋歌は夜に眠るだけで昼寝などはしない。
夜中まで勉強をしていて、ローと同じく明け方に眠ったとしても、寝坊などしたことはない。
だが、今回はベッドに横にならせればすぐに眠りに入る。
怖い思いをした後で、深い眠りに入るのが怖いのだろうと、ローは恋歌を安心させる為に、胸に擦り寄せている頭を撫でながらローも目を閉じた。
「え、ちょ…」
『ペン…ギン?』
戸惑ったような声にうっすらと目を開ければ、上から覗きこむような形でペンギンが見下ろしていた。
「悪い、起こしたか」
『ううん、寒いなって…思った、だけ』
「もう一枚何か借りてきてやるよ」
ペンギンが恋歌を見下ろすような形になっていたのは、恋歌の顔の近くにいるシリウスの足が恋歌の顔を蹴りそうになっていた為、シリウスを移動させてやろうとベッドに片足を乗せて手を伸ばしたからだった。
横にベポがいるのに寒いのであれば、もう一枚毛布でも借りてきてやろうと身体を起こそうとしたが、恋歌に服を掴まれて身体を動かすことができない。
『ここに、いて』
「え…」
『ペンギン、あったかいから…一緒に寝よ』
「いや、あの…恋歌、さん?」
『だめ…?』
「だめ、っていうか…おれの命が危ないっていうか…胃が痛いというか…」
『?』
眠そうな顔でペンギンの言っている意味がわからないという顔をしている恋歌の表情と声は、ペンギンの意思を簡単に崩してしまいそうになるが、背中に突き刺さっている殺気のこもった視線に、なんとか踏みとどまっている状態。
ベポがいるのに寒いというのは、足を怪我している恋歌の事を気遣って、少し距離を置いているから。
いつもであればベポに寒いと言えば、抱え込んでくれていただろうが、今は遠慮しているらしい。
『お腹痛いなら、休んだ方が、いいよ』
「ああ…うん、まぁ、そうなんだけどさ…」
恋歌の気遣いに苦笑いで返したペンギンは、服を掴んでいる恋歌の手を離させた。
「キャプテンが近くにいるから頼んでやるよ
それでいいか?」
『…うん』
ぽん、と布団の上から恋歌の身体を叩いてやり、ちらっと後ろに視線を向けると、腕を組んで眉間に皺を寄せているローと視線を合わせた。
「…言っとくけど不可抗力だからな」
「…何も言ってねぇだろ」
目は口ほどに物を言うとは、こういう時に使うのだろうかとぼんやり考えたが、ベッドから立ち上がって場所をローに譲る。
「おれとシャチは他の部屋借りてくるよ
恋歌とベポの事頼んだ」
「あ、おれあとで毛布持ってきてやるよ」
「ああ…」
ひらひらと手を振って出て行った2人の背中を見送り、ベッドに座ってまだうっすらと目を開けている恋歌の頭を撫でてやる。
『ロー…』
「ペンギンじゃなくて悪いな」
『ううん、ローも、あったかいから、一緒に寝るの、好き』
「…そうか」
しばらくしてシャチが毛布を持ってきてくれ、それをかけてローも恋歌の横に寝転がる。
腕を頭の下に通してやり、なるべく足に触れないようにそっと抱きしめてやると、すり、と胸に擦り寄ってきた。
「寒くねぇか」
『うん、あったかい』
「そうか」
また眠った事を確認して、ほっとしたように息をはく。
「(今日はいつもより睡眠時間が長い…
眠りが浅いんだろうな…)」
いつも恋歌は夜に眠るだけで昼寝などはしない。
夜中まで勉強をしていて、ローと同じく明け方に眠ったとしても、寝坊などしたことはない。
だが、今回はベッドに横にならせればすぐに眠りに入る。
怖い思いをした後で、深い眠りに入るのが怖いのだろうと、ローは恋歌を安心させる為に、胸に擦り寄せている頭を撫でながらローも目を閉じた。