ペンギンの女難
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「「「きゃー!!」」」
娼館に戻れば先ほどシャチに背負われた男を見て、汚らしい男とその異臭に女たちが叫び声を上げた。
「なんか…おれが避けられてる気分…」
「…お前も一緒に風呂入って来いよ」
美女たちに叫び声を上げられて落ち込んでいるシャチだが、ペンギンも室内に戻ってきて異臭が強くなったので、そっとシリウスの鼻と自分の鼻を掌で覆い、少しだけ距離をとった。
「お前も手伝え!!」
「げ!」
ずるずるとペンギンを引きずって風呂場に向かうシャチを見送り、ローはすたすたと娼館の中を歩いていく。
それをベポが追い、戻ってきたのは恋歌にあてがわれた部屋。
「あいつらが戻ってくるまで待つぞ」
ぽすん、とベッドに降ろされた恋歌は、ベポと一緒にローの言葉に頷いた。
「足は痛くねぇな?」
『うん、大丈夫』
包帯の上から触れたかどうかわからない程度の力で傷をなぞられ、大丈夫だと笑えばそうかと優しく笑ってくれた。
『そういえば、ミーシャと、怪我してた、女の人は、無事?』
「あいつらのアジトで働いてたメイドなら、あの女は全身打撲に複数個所の骨折、拷問を受けた所為で少し精神的に参ってるみたいだが、身体の傷の処置はしてきた
ミーシャのやつは怪我は大したことねぇ
精神面はここの連中がなんとかするだろ」
『そっか』
傷だけでもローが診てくれたのであればもう安心だろうと、ほっとしたように息を吐くと、ぽん、と頭を撫でられた。
「お前は自分の怪我を治す事に専念しろ」
『うん』
「キャプテンがね、助けた人たちもおれが運んだ女の子も、すぐに治療してくれたんだ!」
『そうなんだ』
人の心配などしている立場ではないだろうと呆れたようにため息をついたが、ベポが怪我の治療をしている時のローがかっこよかったかという話をきらきらとした目で話しはじめたので、もうこれ以上は何を言うまいと、ローは恋歌の横にぽすん、と寝転んだ。
「あいつらが戻ってくるまで少し寝る
手貸せ」
魔法を使った恋歌の魔力を回復させる為に、恋歌の手を握り帽子を顔の上に乗せた。
「えいっ」
『わ…』
ローの方から規則正しい寝息が聞こえてきた直後、ベポに肩を押されてベッドに転がった。
「へへっ、おれたちもキャプテンと一緒にちょっと休憩」
『うん』
反対の手をふわふわのベポの手に握られ、顔をベポの方に向けて少しだけ、と目を閉じた。
「…おれたちってさ、結構幸せだよな」
「そうだな…」
意識のない男一人を風呂に入れるという重労働を果たした後、疲れた表情で恋歌にあてがわれた部屋に戻ってきたが、一気に疲れが吹っ飛ぶほどの光景に思わずそう呟いてしまった。
目の前には一つのベッドで仲間たちが寄り添って眠っている。
真ん中で眠っている恋歌は、両脇のローとベポに手を握られ、恋歌とベポは額を合わせるように顔を近づけて眠っており、ローは恋歌の手を両手で包み込むようにしている。
可愛らしい二人の姿に、ほわっとした雰囲気になったが、はっとしたように意識を取り戻して、小声でローの肩を少し揺さぶる。
「キャ、キャプテン…!
ちょっと!」
「…あ?」
不機嫌そうな声を出して目を開けたローに、静かに、と口元に人差し指を当てると、ちょいちょいと横を指さした。
「……」
「写真撮れる電伝虫とかないか」
「探したけどなかった…」
癒しのマイナスイオンでも出ていそうな光景に、なぜかため息をついたローは、布団をかけてやり、帽子をかぶり2人を起こさないようにゆっくりと立ち上がった。
「寝かせておいてやれ
行くぞ」
「「アイアイ…」」
もう少しこの2人を見ていたかったとは思ったが、ローに呼ばれてしまったので、風呂に入ってすっきりした表情で眠っているシリウスを恋歌の近くに寝かせて、3人で静かに部屋を出た。
娼館に戻れば先ほどシャチに背負われた男を見て、汚らしい男とその異臭に女たちが叫び声を上げた。
「なんか…おれが避けられてる気分…」
「…お前も一緒に風呂入って来いよ」
美女たちに叫び声を上げられて落ち込んでいるシャチだが、ペンギンも室内に戻ってきて異臭が強くなったので、そっとシリウスの鼻と自分の鼻を掌で覆い、少しだけ距離をとった。
「お前も手伝え!!」
「げ!」
ずるずるとペンギンを引きずって風呂場に向かうシャチを見送り、ローはすたすたと娼館の中を歩いていく。
それをベポが追い、戻ってきたのは恋歌にあてがわれた部屋。
「あいつらが戻ってくるまで待つぞ」
ぽすん、とベッドに降ろされた恋歌は、ベポと一緒にローの言葉に頷いた。
「足は痛くねぇな?」
『うん、大丈夫』
包帯の上から触れたかどうかわからない程度の力で傷をなぞられ、大丈夫だと笑えばそうかと優しく笑ってくれた。
『そういえば、ミーシャと、怪我してた、女の人は、無事?』
「あいつらのアジトで働いてたメイドなら、あの女は全身打撲に複数個所の骨折、拷問を受けた所為で少し精神的に参ってるみたいだが、身体の傷の処置はしてきた
ミーシャのやつは怪我は大したことねぇ
精神面はここの連中がなんとかするだろ」
『そっか』
傷だけでもローが診てくれたのであればもう安心だろうと、ほっとしたように息を吐くと、ぽん、と頭を撫でられた。
「お前は自分の怪我を治す事に専念しろ」
『うん』
「キャプテンがね、助けた人たちもおれが運んだ女の子も、すぐに治療してくれたんだ!」
『そうなんだ』
人の心配などしている立場ではないだろうと呆れたようにため息をついたが、ベポが怪我の治療をしている時のローがかっこよかったかという話をきらきらとした目で話しはじめたので、もうこれ以上は何を言うまいと、ローは恋歌の横にぽすん、と寝転んだ。
「あいつらが戻ってくるまで少し寝る
手貸せ」
魔法を使った恋歌の魔力を回復させる為に、恋歌の手を握り帽子を顔の上に乗せた。
「えいっ」
『わ…』
ローの方から規則正しい寝息が聞こえてきた直後、ベポに肩を押されてベッドに転がった。
「へへっ、おれたちもキャプテンと一緒にちょっと休憩」
『うん』
反対の手をふわふわのベポの手に握られ、顔をベポの方に向けて少しだけ、と目を閉じた。
「…おれたちってさ、結構幸せだよな」
「そうだな…」
意識のない男一人を風呂に入れるという重労働を果たした後、疲れた表情で恋歌にあてがわれた部屋に戻ってきたが、一気に疲れが吹っ飛ぶほどの光景に思わずそう呟いてしまった。
目の前には一つのベッドで仲間たちが寄り添って眠っている。
真ん中で眠っている恋歌は、両脇のローとベポに手を握られ、恋歌とベポは額を合わせるように顔を近づけて眠っており、ローは恋歌の手を両手で包み込むようにしている。
可愛らしい二人の姿に、ほわっとした雰囲気になったが、はっとしたように意識を取り戻して、小声でローの肩を少し揺さぶる。
「キャ、キャプテン…!
ちょっと!」
「…あ?」
不機嫌そうな声を出して目を開けたローに、静かに、と口元に人差し指を当てると、ちょいちょいと横を指さした。
「……」
「写真撮れる電伝虫とかないか」
「探したけどなかった…」
癒しのマイナスイオンでも出ていそうな光景に、なぜかため息をついたローは、布団をかけてやり、帽子をかぶり2人を起こさないようにゆっくりと立ち上がった。
「寝かせておいてやれ
行くぞ」
「「アイアイ…」」
もう少しこの2人を見ていたかったとは思ったが、ローに呼ばれてしまったので、風呂に入ってすっきりした表情で眠っているシリウスを恋歌の近くに寝かせて、3人で静かに部屋を出た。