ペンギンの女難
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扉を開けると中は暗闇が広がっていたので、シリウスが3人についていき、小屋の外で壁を背にぽつんと残された2人は、一応周りに気を配りながらみんなが戻ってくるのを待つ。
「足は大丈夫?」
『うん、ローが処置してくれたし、ベポが運んでくれてるから、もう平気』
「そっか…」
暗い顔をしてすり、と頬をすり寄せてくるベポにどうかしたかと頭を撫でてやれば、ぽたぽたと落ちてくる涙に驚いた恋歌は、服の袖で涙を拭ってやる。
「おれ…おれっ…恋歌の傍に…いればよかった、って…」
ローの指示で動いていたとはいえ、自分が傍にいれば守ってやれたのにと思うと、後悔しても仕方ない事はわかっているが、そう思ってしまう。
『ベポ…わたしが、迂闊だったんだよ
正面から、入れてもらえば、みんなの手助けが、出来ると思って…』
「お願いだから…無茶しないでくれよ…
おれは、恋歌が傷つくとこ見たくない」
『ごめんね』
心配をかけたことは事実なので、素直に謝罪の言葉を口にすれば、いつものように”いいんだ”という許してくれる返事はもらえない。
「…また一緒に寝てくれないといやだ」
『うん』
「…おれの好きなお菓子作って」
『うん』
「恋歌の作ったごはん食べたい」
『うん』
次々と出されるベポのお願いに頷き、いくつ目かわからないお願いが出された時、ふっと横から影がかかった。
「んじゃおれもこの間作った自信作着てもらおうかな」
「みんな!」
その影を落としたのはペンギンで、シャチが背中にぼろぼろの男を背負っており、ローは疲れたようにため息をついている。
「えー、じゃあおれは箒乗せて欲しいんだけど」
「うわ!それもいい!!」
ここぞとばかりに恋歌へのお願いを口にするみんなに、笑いながら返事を返した恋歌は、ローは何もないのかと視線を向ける。
「……恋歌の淹れた紅茶が飲みてぇ」
『うん、任せて』
ベポに抱きつぶされそうなほど埋もれている恋歌を助けてやるために、ベポの肩に手を置いていくぞと声をかけると、慌てたように恋歌を抱えたまま立ち上がる。
「その人が…?」
ぐったりして意識のない男を覗き込むように、シャチの横に並んで歩くと、ベポが嫌そうに眉間に皺を寄せた。
「こ、この人…臭い…」
「ん?ああ
たぶんずっとここに入れられて、風呂にも入れてもらえなかったんだろうな
おかげでシリウスもこのざまだ」
そういえばシリウスはどこに行ったのかと思っていたが、目を回してペンギンの腕に抱かれていた。
仮の姿とはいえ、嗅覚の鋭い子犬の姿なので、臭いに耐えられなくなり倒れてしまったとのこと。
「恋歌、駄犬が使い物にならねぇから魔方陣頼んだ」
『はい』
ぶわっと全員の足元にいきわたる大きさの魔方陣を出し、その灯りを頼りに娼館への道を進んだ。
「足は大丈夫?」
『うん、ローが処置してくれたし、ベポが運んでくれてるから、もう平気』
「そっか…」
暗い顔をしてすり、と頬をすり寄せてくるベポにどうかしたかと頭を撫でてやれば、ぽたぽたと落ちてくる涙に驚いた恋歌は、服の袖で涙を拭ってやる。
「おれ…おれっ…恋歌の傍に…いればよかった、って…」
ローの指示で動いていたとはいえ、自分が傍にいれば守ってやれたのにと思うと、後悔しても仕方ない事はわかっているが、そう思ってしまう。
『ベポ…わたしが、迂闊だったんだよ
正面から、入れてもらえば、みんなの手助けが、出来ると思って…』
「お願いだから…無茶しないでくれよ…
おれは、恋歌が傷つくとこ見たくない」
『ごめんね』
心配をかけたことは事実なので、素直に謝罪の言葉を口にすれば、いつものように”いいんだ”という許してくれる返事はもらえない。
「…また一緒に寝てくれないといやだ」
『うん』
「…おれの好きなお菓子作って」
『うん』
「恋歌の作ったごはん食べたい」
『うん』
次々と出されるベポのお願いに頷き、いくつ目かわからないお願いが出された時、ふっと横から影がかかった。
「んじゃおれもこの間作った自信作着てもらおうかな」
「みんな!」
その影を落としたのはペンギンで、シャチが背中にぼろぼろの男を背負っており、ローは疲れたようにため息をついている。
「えー、じゃあおれは箒乗せて欲しいんだけど」
「うわ!それもいい!!」
ここぞとばかりに恋歌へのお願いを口にするみんなに、笑いながら返事を返した恋歌は、ローは何もないのかと視線を向ける。
「……恋歌の淹れた紅茶が飲みてぇ」
『うん、任せて』
ベポに抱きつぶされそうなほど埋もれている恋歌を助けてやるために、ベポの肩に手を置いていくぞと声をかけると、慌てたように恋歌を抱えたまま立ち上がる。
「その人が…?」
ぐったりして意識のない男を覗き込むように、シャチの横に並んで歩くと、ベポが嫌そうに眉間に皺を寄せた。
「こ、この人…臭い…」
「ん?ああ
たぶんずっとここに入れられて、風呂にも入れてもらえなかったんだろうな
おかげでシリウスもこのざまだ」
そういえばシリウスはどこに行ったのかと思っていたが、目を回してペンギンの腕に抱かれていた。
仮の姿とはいえ、嗅覚の鋭い子犬の姿なので、臭いに耐えられなくなり倒れてしまったとのこと。
「恋歌、駄犬が使い物にならねぇから魔方陣頼んだ」
『はい』
ぶわっと全員の足元にいきわたる大きさの魔方陣を出し、その灯りを頼りに娼館への道を進んだ。