出会いから出航まで
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その質問にどう答えるべきかと少し考えた恋歌は、左胸をおさえていた手を離して、手を動かす。
≪ローの言うとおり魔女の紋章は魔女の体調にも関係してくるの
ベポが言ってた紋章が薄くなってるっていうのも本当だと思う≫
「風邪を引いたから紋章が薄くなったって事か?」
≪うん、それもあるけど…≫
「…魔力が足りなくなったか?」
『!!』
途中から言いにくそうにした恋歌の言葉を繋げるようにローが言えば、恋歌が驚いたような顔をした。
「ヴォルフから聞いた
魔女は魔力が足りなくなったら紋章が薄くなるって」
≪私…この島に来てから…星を見れる時間が少なくなって…
でも…この生活が…楽しくて…他の所には行きたくなくて…≫
「じゃあシャチが言ってたのも事実だな
大気中や草木から魔力を供給する事が出来るが、お前は星を見る事で一番魔力を蓄えられる
だが、この島は夜はほとんど雲に覆われていて星が見えねぇ
それで恋歌に魔力がなくなって、風邪をひいた
そういうことか」
今までの話を全て総合し、この結論にたどり着くと、恋歌は頷いた。
≪星の魔法に適性がある魔女は目と口が特殊なの
大気中の魔力は空気から、星を見る事で目から魔力を蓄える
今までは何とか定期的に星を見れていたんだけど…
魔力がなくなると身体を休める為に免疫力や体力が下がって…今回風邪をひいちゃったんだと思う…≫
「なるほどな
魔力の供給方法はそれ以外にねぇのか?
俺の魔力使えねぇか?」
つまりは魔力切れで風邪をひいたことになる。
だったら、自分の魔力を渡せないかと聞くと、しょんぼりした顔になった。
≪魔女以外の人から魔力を貰う方法はあるよ…
けど、私はその方法を知らないの…≫
「知らない?」
≪それを教えてくれる人が…いなくなったから…≫
「…そうか」
辛そうに話す恋歌を見て、これ以上話を掘り下げるのは止めた。
「恋歌」
布団をぎゅっと握りしめている手の上に、ローが手を乗せる。
「さっき、恋歌が寝てる時に苦しそうな顔をした時…
手を握ったら表情が和らいだ
手を繋ぐ事で俺から魔力を受け取れねぇか?」
『(ローの魔力…)』
出会った時からローの魔力が大きいことはわかっていた。
それが傍にいて心地良いものであるという事も。
繋いだ手から緩やかにではあるが、自分の身体に入ってきているのがわかる。
『(あったかかったのは…ローの体温だけじゃなかったんだ…)』
「ど、どうだ?」
手の上に重ねられている手を取って、自分の頬にすり寄せた。
「恋歌?」
まだ少し体温の高い恋歌の頬に、自分の手を持っていかれ、一瞬心臓がどきっとしたが、恋歌が自分の手を握って安心したような表情を浮かべているので、好きにさせてやる。
「…ちょっと、実験というか…検証というか…嫌だったら断ってくれてもいいが…」
『(?)』
珍しく言葉を濁しているローに首を傾げると、ローから手を抜かれて椅子から立ち上がり、両手を広げられた。
「触れてる面積が広ければ…もっと魔力の供給が早くなるんじゃねぇかと…」
大胆な事を言っている自覚があるのか、目線を逸らしながら告げて、沈黙が流れると、やっぱり言わない方が良かったかと後悔した直後、胸のあたりに恋歌の頭がきた。
恋歌もおそるおそるといった感じにローの背中に手を回すと、ローの手がゆっくりと恋歌の背に回った。
『(あー…これ…なんか懐かしい…
気持ちいいかも…)』
ゆったりと流れ込んでくる心地のいい魔力に、目を閉じてもっと欲しくなって抱き着く力を強めた。
「お、おい…」
抱き着かれる力を強められたローは、うるさく鳴る心臓を落ち着かせようとするが、無理に恋歌を引き剥がす事も出来ない。
医者としてこれで恋歌の体調が治るならと、しばらくじっとして、胸のあたりにある恋歌の頭を撫でていると、急に恋歌の力が抜けた。
「恋歌?」
完全に体重を預けている恋歌の身体を起こしてやると、先ほどより顔色も良くなっており、穏やかな顔で眠っていた。
「(効果有りってことか…)」
ぐっすり眠ってしまっている恋歌をベッドに寝かせて、今度こそペンギンのおかゆが食べられるだろうと、用意をするために部屋から出た。
≪ローの言うとおり魔女の紋章は魔女の体調にも関係してくるの
ベポが言ってた紋章が薄くなってるっていうのも本当だと思う≫
「風邪を引いたから紋章が薄くなったって事か?」
≪うん、それもあるけど…≫
「…魔力が足りなくなったか?」
『!!』
途中から言いにくそうにした恋歌の言葉を繋げるようにローが言えば、恋歌が驚いたような顔をした。
「ヴォルフから聞いた
魔女は魔力が足りなくなったら紋章が薄くなるって」
≪私…この島に来てから…星を見れる時間が少なくなって…
でも…この生活が…楽しくて…他の所には行きたくなくて…≫
「じゃあシャチが言ってたのも事実だな
大気中や草木から魔力を供給する事が出来るが、お前は星を見る事で一番魔力を蓄えられる
だが、この島は夜はほとんど雲に覆われていて星が見えねぇ
それで恋歌に魔力がなくなって、風邪をひいた
そういうことか」
今までの話を全て総合し、この結論にたどり着くと、恋歌は頷いた。
≪星の魔法に適性がある魔女は目と口が特殊なの
大気中の魔力は空気から、星を見る事で目から魔力を蓄える
今までは何とか定期的に星を見れていたんだけど…
魔力がなくなると身体を休める為に免疫力や体力が下がって…今回風邪をひいちゃったんだと思う…≫
「なるほどな
魔力の供給方法はそれ以外にねぇのか?
俺の魔力使えねぇか?」
つまりは魔力切れで風邪をひいたことになる。
だったら、自分の魔力を渡せないかと聞くと、しょんぼりした顔になった。
≪魔女以外の人から魔力を貰う方法はあるよ…
けど、私はその方法を知らないの…≫
「知らない?」
≪それを教えてくれる人が…いなくなったから…≫
「…そうか」
辛そうに話す恋歌を見て、これ以上話を掘り下げるのは止めた。
「恋歌」
布団をぎゅっと握りしめている手の上に、ローが手を乗せる。
「さっき、恋歌が寝てる時に苦しそうな顔をした時…
手を握ったら表情が和らいだ
手を繋ぐ事で俺から魔力を受け取れねぇか?」
『(ローの魔力…)』
出会った時からローの魔力が大きいことはわかっていた。
それが傍にいて心地良いものであるという事も。
繋いだ手から緩やかにではあるが、自分の身体に入ってきているのがわかる。
『(あったかかったのは…ローの体温だけじゃなかったんだ…)』
「ど、どうだ?」
手の上に重ねられている手を取って、自分の頬にすり寄せた。
「恋歌?」
まだ少し体温の高い恋歌の頬に、自分の手を持っていかれ、一瞬心臓がどきっとしたが、恋歌が自分の手を握って安心したような表情を浮かべているので、好きにさせてやる。
「…ちょっと、実験というか…検証というか…嫌だったら断ってくれてもいいが…」
『(?)』
珍しく言葉を濁しているローに首を傾げると、ローから手を抜かれて椅子から立ち上がり、両手を広げられた。
「触れてる面積が広ければ…もっと魔力の供給が早くなるんじゃねぇかと…」
大胆な事を言っている自覚があるのか、目線を逸らしながら告げて、沈黙が流れると、やっぱり言わない方が良かったかと後悔した直後、胸のあたりに恋歌の頭がきた。
恋歌もおそるおそるといった感じにローの背中に手を回すと、ローの手がゆっくりと恋歌の背に回った。
『(あー…これ…なんか懐かしい…
気持ちいいかも…)』
ゆったりと流れ込んでくる心地のいい魔力に、目を閉じてもっと欲しくなって抱き着く力を強めた。
「お、おい…」
抱き着かれる力を強められたローは、うるさく鳴る心臓を落ち着かせようとするが、無理に恋歌を引き剥がす事も出来ない。
医者としてこれで恋歌の体調が治るならと、しばらくじっとして、胸のあたりにある恋歌の頭を撫でていると、急に恋歌の力が抜けた。
「恋歌?」
完全に体重を預けている恋歌の身体を起こしてやると、先ほどより顔色も良くなっており、穏やかな顔で眠っていた。
「(効果有りってことか…)」
ぐっすり眠ってしまっている恋歌をベッドに寝かせて、今度こそペンギンのおかゆが食べられるだろうと、用意をするために部屋から出た。