ペンギンの女難
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ルーフは気絶したため逃げられないように縄でぐるぐる巻きにして部屋に転がしておき、恋歌が聞き出した場所へ向かう事になった。
「お前は部屋にいろ」
『わたしも行く』
「…怪我してる時ぐらいおとなしくしてろ」
『箒に乗るから、大丈夫』
「そういう問題じゃねぇ」
怪我をしている恋歌には安静にしていてほしいローだったが、ついていくと全く引き下がらない恋歌に、最終的に折れたのはローだった。
「…わかった
取り敢えず着替えて来い
ベポ、部屋まで連れて行ってやれ」
「アイアイ」
ローのパーカーだけを着ているだけの恋歌なので、その恰好では外に出すことはできないと、ベポに指示を出していつもの服に着替えてくるように言い、部屋から二人を追い出した。
「はぁ…」
恋歌とこういう言い争いをして勝てた事があったかとため息をついたローは、先ほどまで恋歌と繋いでいた手を見つめる。
「どうかしたのか?」
「いや…さっきの魔法…かなり魔力を持っていかれたなと思っただけだ」
「へぇ…そういう感覚あるんだ」
「手からこんなに魔力を持っていかれたと感じたのは初めてだ
普段は流れていく感覚もねぇんだが…」
「それほど魔力が必要になる魔法って事か…」
「でもさっきの魔法かなり使えるよな
相手の精神に左右されるってシリウスが言ってたけど、そこまでおれたちが追い込めば…」
精神を削り取る役目を自分たちが担えば、最終的に恋歌の魔法を使って、必要な情報を引き出す事ができる。
だが、シリウスの話ではローの魔力を貰わなければ倒れてしまうほどの強力な魔法。
そんな魔法をローが使う事を簡単に許すとは思えない。
ちらりとローの方を見れば、右手をぎゅっと握りしめて小さくため息をついた。
「必要ならおれがそばにいるときなら使わせる
出来る事が多いにこしたことはねぇしな」
拷問などはなるべく関わらせないようにしていたが、本人が自分の意思で力を貸してくれると言うのであれば、それを無下にする理由はない。
「でもあの恋歌が黙れ、って言うとは思わなかった…」
「ああ…おれもびっくりした…」
声に出して話しをするときも、筆談もあんな言葉を使っているのを見た事も聞いた事もなかったが、そのギャップに魔力を乗せられた声を聞いた時の鳥肌とは違う何かが心臓の鼓動を速めたのも確か。
「恋歌は魔法を使う時命令口調だ
だから今回もいつもとは違う言葉遣いになったんだろ」
「ああ…そういう…」
いつも恋歌が魔法を使う時に言っている言葉を思い返せば、星座の名前を呼ぶ以外の大きな魔法は命令口調であることが多い。
「けど、黙れ…か…
おれ…魔法じゃなくてもあの声に言われたら黙っちまうかも…」
「おれもだ…」
「…」
あの時の声を思い出してだらしのない顔をしている2人に呆れたようにため息をつくローだったが、そう思ってしまうのも仕方ないなと、ロー自身もあの時の恋歌の声を思い出すように目を閉じた。
「お前は部屋にいろ」
『わたしも行く』
「…怪我してる時ぐらいおとなしくしてろ」
『箒に乗るから、大丈夫』
「そういう問題じゃねぇ」
怪我をしている恋歌には安静にしていてほしいローだったが、ついていくと全く引き下がらない恋歌に、最終的に折れたのはローだった。
「…わかった
取り敢えず着替えて来い
ベポ、部屋まで連れて行ってやれ」
「アイアイ」
ローのパーカーだけを着ているだけの恋歌なので、その恰好では外に出すことはできないと、ベポに指示を出していつもの服に着替えてくるように言い、部屋から二人を追い出した。
「はぁ…」
恋歌とこういう言い争いをして勝てた事があったかとため息をついたローは、先ほどまで恋歌と繋いでいた手を見つめる。
「どうかしたのか?」
「いや…さっきの魔法…かなり魔力を持っていかれたなと思っただけだ」
「へぇ…そういう感覚あるんだ」
「手からこんなに魔力を持っていかれたと感じたのは初めてだ
普段は流れていく感覚もねぇんだが…」
「それほど魔力が必要になる魔法って事か…」
「でもさっきの魔法かなり使えるよな
相手の精神に左右されるってシリウスが言ってたけど、そこまでおれたちが追い込めば…」
精神を削り取る役目を自分たちが担えば、最終的に恋歌の魔法を使って、必要な情報を引き出す事ができる。
だが、シリウスの話ではローの魔力を貰わなければ倒れてしまうほどの強力な魔法。
そんな魔法をローが使う事を簡単に許すとは思えない。
ちらりとローの方を見れば、右手をぎゅっと握りしめて小さくため息をついた。
「必要ならおれがそばにいるときなら使わせる
出来る事が多いにこしたことはねぇしな」
拷問などはなるべく関わらせないようにしていたが、本人が自分の意思で力を貸してくれると言うのであれば、それを無下にする理由はない。
「でもあの恋歌が黙れ、って言うとは思わなかった…」
「ああ…おれもびっくりした…」
声に出して話しをするときも、筆談もあんな言葉を使っているのを見た事も聞いた事もなかったが、そのギャップに魔力を乗せられた声を聞いた時の鳥肌とは違う何かが心臓の鼓動を速めたのも確か。
「恋歌は魔法を使う時命令口調だ
だから今回もいつもとは違う言葉遣いになったんだろ」
「ああ…そういう…」
いつも恋歌が魔法を使う時に言っている言葉を思い返せば、星座の名前を呼ぶ以外の大きな魔法は命令口調であることが多い。
「けど、黙れ…か…
おれ…魔法じゃなくてもあの声に言われたら黙っちまうかも…」
「おれもだ…」
「…」
あの時の声を思い出してだらしのない顔をしている2人に呆れたようにため息をつくローだったが、そう思ってしまうのも仕方ないなと、ロー自身もあの時の恋歌の声を思い出すように目を閉じた。