ペンギンの女難
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そしてその後にまた聞こえるくぐもった声。
「そんなに粘ったって結局あの家を探せばいいんだから、早く言っちゃったほうがいいと思うよ?」
何をしているのか大体わかった恋歌は、声をかけようか少し悩んでいると、足元で黙っていたシリウスが一鳴きした。
「恋歌…」
『ごめん…
盗み聞き、するつもりじゃ、なかったんだけど…』
シリウスの声の後にすぐさま扉を開けたペンギンと視線が合い、驚いて目を見開いたペンギンは、ロボットのようにぎぎぎっと首を後ろに向けた。
「…中に入れてやれ」
「足、怪我してんだよな
えー、と…触って、大丈夫か?」
杖と壁を支えに立っている恋歌を見て、抱えてやろうとしたが、気遣うように声をかければ、ふっ、と優しい笑みを向けて手を伸ばされた。
それにほっとしたように少し屈んで背中と膝裏に手を入れて抱え上げ、シリウスが中に入った事を確認してから扉を閉めた。
「恋歌…大丈夫?」
『うん
心配かけて、ごめんね』
「いいんだ…
無事でよかった」
「なんで部屋から出てきたんだ?」
『喉、乾いたなって…』
「そっか
水飲むか?」
『うん』
ペンギンに抱えられた恋歌は、太腿と足首に包帯が巻かれているが、それ以外はいつも通りに見える。
「その恰好のまま出てきたのか」
『うん…』
まだローの服を着ている恋歌をペンギンがローに渡し、ローの膝の上に横向きに座らされた。
「はいよ」
『ありがとう』
コップに水を入れて持ってきてくれたシャチにお礼を言い、ごくごくとそれを飲んで喉を潤す。
「水飲んだなら部屋に戻れ
怪我が治るまであまり出歩くな」
さりげなくルーフの方を見せないようにしてくれてはいるが、苦しそうな息遣いが恋歌の背中から聞こえており、後ろにルーフがいるのだろうなということはわかっている。
『みんなは、なにしてるの?』
「…お前は知らなくていい」
話す気がないローは目線でペンギンを呼び、部屋に恋歌を戻そうとするが、ぎゅっと抱き着かれて離れない。
『ロー…わたしだって、海賊だよ』
みんなが自分を気遣って敵を痛めつけている場面を見せないようにしている事も、今回襲われた相手だからなるべく見せないようにしてくれている事もすべてわかっている。
しかし恋歌とて綺麗な世界ばかりをみているわけではない。
海賊になってから知った世界は決して綺麗なものばかりではないが、そんな世界もハートの海賊団のみんなとなら過ごしていけると信じている。
だからこそ守ってくれているという事はわかっているが、こういう事も頼ってほしいと思っている。
『それに、みんながそばにいてくれるなら、役に立てると思うよ』
「…わかった」
先程の不安な表情が消え、いつものように笑う恋歌に任せてみようとルーフの前にローが座っていた椅子ごと移動した。
「そんなに粘ったって結局あの家を探せばいいんだから、早く言っちゃったほうがいいと思うよ?」
何をしているのか大体わかった恋歌は、声をかけようか少し悩んでいると、足元で黙っていたシリウスが一鳴きした。
「恋歌…」
『ごめん…
盗み聞き、するつもりじゃ、なかったんだけど…』
シリウスの声の後にすぐさま扉を開けたペンギンと視線が合い、驚いて目を見開いたペンギンは、ロボットのようにぎぎぎっと首を後ろに向けた。
「…中に入れてやれ」
「足、怪我してんだよな
えー、と…触って、大丈夫か?」
杖と壁を支えに立っている恋歌を見て、抱えてやろうとしたが、気遣うように声をかければ、ふっ、と優しい笑みを向けて手を伸ばされた。
それにほっとしたように少し屈んで背中と膝裏に手を入れて抱え上げ、シリウスが中に入った事を確認してから扉を閉めた。
「恋歌…大丈夫?」
『うん
心配かけて、ごめんね』
「いいんだ…
無事でよかった」
「なんで部屋から出てきたんだ?」
『喉、乾いたなって…』
「そっか
水飲むか?」
『うん』
ペンギンに抱えられた恋歌は、太腿と足首に包帯が巻かれているが、それ以外はいつも通りに見える。
「その恰好のまま出てきたのか」
『うん…』
まだローの服を着ている恋歌をペンギンがローに渡し、ローの膝の上に横向きに座らされた。
「はいよ」
『ありがとう』
コップに水を入れて持ってきてくれたシャチにお礼を言い、ごくごくとそれを飲んで喉を潤す。
「水飲んだなら部屋に戻れ
怪我が治るまであまり出歩くな」
さりげなくルーフの方を見せないようにしてくれてはいるが、苦しそうな息遣いが恋歌の背中から聞こえており、後ろにルーフがいるのだろうなということはわかっている。
『みんなは、なにしてるの?』
「…お前は知らなくていい」
話す気がないローは目線でペンギンを呼び、部屋に恋歌を戻そうとするが、ぎゅっと抱き着かれて離れない。
『ロー…わたしだって、海賊だよ』
みんなが自分を気遣って敵を痛めつけている場面を見せないようにしている事も、今回襲われた相手だからなるべく見せないようにしてくれている事もすべてわかっている。
しかし恋歌とて綺麗な世界ばかりをみているわけではない。
海賊になってから知った世界は決して綺麗なものばかりではないが、そんな世界もハートの海賊団のみんなとなら過ごしていけると信じている。
だからこそ守ってくれているという事はわかっているが、こういう事も頼ってほしいと思っている。
『それに、みんながそばにいてくれるなら、役に立てると思うよ』
「…わかった」
先程の不安な表情が消え、いつものように笑う恋歌に任せてみようとルーフの前にローが座っていた椅子ごと移動した。