ペンギンの女難
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『ん…
(今、何時…)』
ローが部屋から出て行ったあと、眠くなかったはずなのに、ベッドで横になっているうちに眠ってしまったようで、目を覚まして近くの窓から空を見上げれば、月の位置で深夜と呼ばれる時間である事がわかった。
『(喉…乾いた)』
一度乾いた咳をしてベッドから抜けようと足を出したところでもう一つ大事な事を思い出した。
『(怒ってる…よね)』
掌を上に向けて魔方陣を出すと、そこからむすっとした表情のシリウスが出てきた。
『あの…ごめん、ね?』
「…別に」
シリウスの逃げろという言葉を聞かず、最終的に空間に送られたことを怒っていると思っている恋歌は、何度も謝罪を伝え、むすっとしているシリウスの頭を撫でてやる。
「星の魔女は頑固者が多い
恋歌も例に漏れずそうだとは思ってたが、自分を大事にしろ」
『うん』
「おれは…他の人間より恋歌が大事だ
星の魔女の美しい容姿をあんな汚い人間に触られるなんて…おれもあの男に噛みついてやりたいところだ」
『うん、ごめんね』
くりっとした丸い目を向けられ、ぼふんと胸に飛び込んできた。
「…無事でよかった」
『ありがとう』
よしよしと頭を撫でてやれば、少し機嫌は直ったようでごろごろと甘えてくる。
『喉乾いたから、何かもらいに行くけど』
「…おれも行く」
普通の杖を出してそれを支えにし、軽傷な方の足をひょこひょことさせて扉の方に向かうと、シリウスが心配そうに足元をちょろちょろとついてくる。
「こっちからいい匂いがする
(それに混じって…これは…)」
扉を開けて廊下に出たはいいものの、どこに向かえばいいのかわからず首を傾げていると、シリウスがいい匂いがするとゆっくりと歩き始めた。
それを頼りにシリウスの後ろをついていくと、人の声が聞こえてくる。
『(みんなの声…?)』
「はぁ…」
恋歌がぴたりと立ち止まったのは僅かに灯りが漏れている程度の薄暗い部屋。
そこから小さな声ではあるが仲間の声が聞こえた気がするが、ここは娼館なので間違えて入ってしまってはいけないと、扉に背を預けて中の声を拾おうと耳を寄せた。
「で?そろそろ吐く気になった?」
最初にいつも通りのシャチの陽気な声が聞こえたが、その後に聞こえたのはハートの海賊団ではない男のくぐもった声。
『(この声…)』
「しつっ、けぇな…
女に、もてねぇ、タイプだろ」
「お前に言われるとなんか腹立つな」
くぐもった声を発した後に、あざ笑うかのような小さな笑い声を上げたのはルーフだった。
変な呼吸の仕方をしており、ひゅー、ひゅーと呼吸とは違う音も聞こえる。
(今、何時…)』
ローが部屋から出て行ったあと、眠くなかったはずなのに、ベッドで横になっているうちに眠ってしまったようで、目を覚まして近くの窓から空を見上げれば、月の位置で深夜と呼ばれる時間である事がわかった。
『(喉…乾いた)』
一度乾いた咳をしてベッドから抜けようと足を出したところでもう一つ大事な事を思い出した。
『(怒ってる…よね)』
掌を上に向けて魔方陣を出すと、そこからむすっとした表情のシリウスが出てきた。
『あの…ごめん、ね?』
「…別に」
シリウスの逃げろという言葉を聞かず、最終的に空間に送られたことを怒っていると思っている恋歌は、何度も謝罪を伝え、むすっとしているシリウスの頭を撫でてやる。
「星の魔女は頑固者が多い
恋歌も例に漏れずそうだとは思ってたが、自分を大事にしろ」
『うん』
「おれは…他の人間より恋歌が大事だ
星の魔女の美しい容姿をあんな汚い人間に触られるなんて…おれもあの男に噛みついてやりたいところだ」
『うん、ごめんね』
くりっとした丸い目を向けられ、ぼふんと胸に飛び込んできた。
「…無事でよかった」
『ありがとう』
よしよしと頭を撫でてやれば、少し機嫌は直ったようでごろごろと甘えてくる。
『喉乾いたから、何かもらいに行くけど』
「…おれも行く」
普通の杖を出してそれを支えにし、軽傷な方の足をひょこひょことさせて扉の方に向かうと、シリウスが心配そうに足元をちょろちょろとついてくる。
「こっちからいい匂いがする
(それに混じって…これは…)」
扉を開けて廊下に出たはいいものの、どこに向かえばいいのかわからず首を傾げていると、シリウスがいい匂いがするとゆっくりと歩き始めた。
それを頼りにシリウスの後ろをついていくと、人の声が聞こえてくる。
『(みんなの声…?)』
「はぁ…」
恋歌がぴたりと立ち止まったのは僅かに灯りが漏れている程度の薄暗い部屋。
そこから小さな声ではあるが仲間の声が聞こえた気がするが、ここは娼館なので間違えて入ってしまってはいけないと、扉に背を預けて中の声を拾おうと耳を寄せた。
「で?そろそろ吐く気になった?」
最初にいつも通りのシャチの陽気な声が聞こえたが、その後に聞こえたのはハートの海賊団ではない男のくぐもった声。
『(この声…)』
「しつっ、けぇな…
女に、もてねぇ、タイプだろ」
「お前に言われるとなんか腹立つな」
くぐもった声を発した後に、あざ笑うかのような小さな笑い声を上げたのはルーフだった。
変な呼吸の仕方をしており、ひゅー、ひゅーと呼吸とは違う音も聞こえる。