ペンギンの女難
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自分の服を引いているのは恋歌だとわかっていたが、少し潤んで揺れている瞳に、ずきっと心に痛みが走った。
『もう少し、ここに、いて』
「…怖くねぇのか?」
『?』
言葉を選ぶように問いかけられた内容に首を傾げると、はぁとため息をついてもう一度椅子に腰かけた。
「男が怖くねぇか、ってことだ
嫌な思い、したろ」
いつもなら頭を撫でてくれたり、手を握ってくれたりするはずなのに、処置の時以外触れてこないのはそういう事かと、気遣ってくれていると気づいて、ローの手に自分の手を乗せる。
『ローは、怖くないよ』
「そうか」
恋歌の手を軽く握ってやり、頭を撫でてやれば、なぜかさらに瞳が揺れて、慌てて頭から手を離した。
「どうした」
『こわ、かった、の…』
ぽろぽろと落ちていく涙を見て、椅子からベッドに移動し、ぎゅっと抱きしめて背中をさすってやる。
「もう大丈夫だ」
『う、ん…!』
とんとん、と背中を叩いて泣き止むまで待っていると、しばらくして泣き声が聞こえなくなった。
「(寝たか)」
ここで待っていろと言ったはずなのに、敵のアジトに1人で向かった事も、勝手に動いた事も、1人でも逃げなかったことも、言いたいことはたくさんあるが、そんなことより今はもう大丈夫だと安心させてやらないといけない。
襲われている恋歌を見て、冷静でいられるはずもなかった。
恋歌がベポに連れられて部屋から出た後、ルーフは3人から生きている事を後悔するほどの拷問を受けた。
「(怖かったよな)」
まだ頬を濡らしている涙を指で拭ってやり、そっとベッドに寝かせてやる。
起こさないように救急箱を持って静かに部屋から出ると、3人とも廊下に座って難しい顔をしていた。
「恋歌は大丈夫そうか?」
「…傷は大したことねぇ」
「心の方…は?」
「……」
「恋歌…元気に、なるよね?」
ローの無言が怖くなったベポが、懇願するような目で見てくるが、それに返事をすることが出来ず、持っていた救急箱をペンギンに投げ渡し、行くぞとやるべきことをするために歩き始めた。
『ん…』
ローが部屋から出て行ってしばらくして、目を覚ました恋歌は、むくりと身体を起こした。
「起きたか」
医学書を読んでいたローは、ぱたんと本を閉じ、ベッドに腰掛ける。
「何かしたいことあるか?」
『お風呂…行きたい…』
「わかった
準備させる」
部屋にシャワールームは備え付けされているが、足の怪我のこともある為、一度部屋を出て行き、すぐに戻ってきた。
怪我を水にぬれないようにしてくれ、タオルと着替えを渡してくれ、ローの手を借りてシャワールームまで連れて行ってもらう。
「ゆっくりでいい
なにかあれば呼べ」
『うん、ありがとう』
片足は軽い捻挫程度の怪我ではあるが、両足を怪我している為、シャワールームに椅子まで用意してくれた。
シャワールームの扉を閉め、水音が聞こえ始めた後、シャワールームの近くの壁を背に読みかけの医学書を床に座って開いた。
『もう少し、ここに、いて』
「…怖くねぇのか?」
『?』
言葉を選ぶように問いかけられた内容に首を傾げると、はぁとため息をついてもう一度椅子に腰かけた。
「男が怖くねぇか、ってことだ
嫌な思い、したろ」
いつもなら頭を撫でてくれたり、手を握ってくれたりするはずなのに、処置の時以外触れてこないのはそういう事かと、気遣ってくれていると気づいて、ローの手に自分の手を乗せる。
『ローは、怖くないよ』
「そうか」
恋歌の手を軽く握ってやり、頭を撫でてやれば、なぜかさらに瞳が揺れて、慌てて頭から手を離した。
「どうした」
『こわ、かった、の…』
ぽろぽろと落ちていく涙を見て、椅子からベッドに移動し、ぎゅっと抱きしめて背中をさすってやる。
「もう大丈夫だ」
『う、ん…!』
とんとん、と背中を叩いて泣き止むまで待っていると、しばらくして泣き声が聞こえなくなった。
「(寝たか)」
ここで待っていろと言ったはずなのに、敵のアジトに1人で向かった事も、勝手に動いた事も、1人でも逃げなかったことも、言いたいことはたくさんあるが、そんなことより今はもう大丈夫だと安心させてやらないといけない。
襲われている恋歌を見て、冷静でいられるはずもなかった。
恋歌がベポに連れられて部屋から出た後、ルーフは3人から生きている事を後悔するほどの拷問を受けた。
「(怖かったよな)」
まだ頬を濡らしている涙を指で拭ってやり、そっとベッドに寝かせてやる。
起こさないように救急箱を持って静かに部屋から出ると、3人とも廊下に座って難しい顔をしていた。
「恋歌は大丈夫そうか?」
「…傷は大したことねぇ」
「心の方…は?」
「……」
「恋歌…元気に、なるよね?」
ローの無言が怖くなったベポが、懇願するような目で見てくるが、それに返事をすることが出来ず、持っていた救急箱をペンギンに投げ渡し、行くぞとやるべきことをするために歩き始めた。
『ん…』
ローが部屋から出て行ってしばらくして、目を覚ました恋歌は、むくりと身体を起こした。
「起きたか」
医学書を読んでいたローは、ぱたんと本を閉じ、ベッドに腰掛ける。
「何かしたいことあるか?」
『お風呂…行きたい…』
「わかった
準備させる」
部屋にシャワールームは備え付けされているが、足の怪我のこともある為、一度部屋を出て行き、すぐに戻ってきた。
怪我を水にぬれないようにしてくれ、タオルと着替えを渡してくれ、ローの手を借りてシャワールームまで連れて行ってもらう。
「ゆっくりでいい
なにかあれば呼べ」
『うん、ありがとう』
片足は軽い捻挫程度の怪我ではあるが、両足を怪我している為、シャワールームに椅子まで用意してくれた。
シャワールームの扉を閉め、水音が聞こえ始めた後、シャワールームの近くの壁を背に読みかけの医学書を床に座って開いた。