出会いから出航まで
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恋歌の部屋に戻れば、身体を起こしたまま窓の外を眺めていた。
「恋歌、これなら食べられるか?」
ペンギンが作ったのはヴォルフが買ってきたりんごのすりおろし。
飲み物が欲しいと言っていたが、これなら大丈夫だろうとペンギンに作ってもらった。
りんごのすりおろしが入った器を渡すと、しばらくそれをじっと見つめ、一緒に渡されたスプーンを掴んだ。
すこしだけ掬ってごくん、と飲み込んだのを見てほっと胸をなでおろした。
だが、あまりにもちまちまと食べるので、器をローが掴んで、りんごをすくって恋歌の口元に持って行くと、ぱくっと食べた。
「もっと食べるか?」
こくん、と頷いたのを見て、何度かすくって食べさせてやった。
「(餌付けしてるみてぇだな…)」
全て食べ終わると、ローが作った薬を渡される。
水と一緒に渡すとそれを素直に飲み込んだ。
『(う…)』
しかしそれが苦かったらしく、飲み込んだ後しかめっ面をした。
「ははっ、その苦さが効くんだよ」
いい子だと頭を撫でてやり、コップと器を回収すると、寝ろと言って横になるのを手伝ってやる。
「おとなしく寝てろ
その薬は俺の特製だ、寝てりゃすぐに治る」
頭を撫でられる感覚が気持ちいいのか、頷いた後に目を閉じすぐに眠ったのを確認した。
「(次に起きたときには少し回復してるだろ
魔力の事はその時だな)」
恋歌と会話する手段は筆談か手話。
スプーンすらまともに扱えなかったのを見て、取り敢えず今は聞くことではないと判断して、薬を飲ませて寝かせた。
眠ったのを確認してリビングに戻ると、心配そうな顔をした3人が座っていた。
「お、全部食べたんだな」
「ああ、せっかくかゆを作ってくれたのに悪かったな」
「気にするな
あれは元気なときに食べてくれたらいいし」
「そうだな」
「魔力の事はどうだった?」
「聞ける状態じゃねぇな
もうちょっと回復したら聞いとく」
一先ず今日の家事は恋歌抜きでもやらなければいけないので、何かあった時の為にローに診てもらえるように、今日は3人で家事をすることになった。
ローは3人に恋歌の様子を見ているようにと言われたので、恋歌の部屋で静かに医学書を読んでいる。
たまに氷嚢を変えてやり、苦しそうにしていれば頭を撫でてやれば、しばらくすると呼吸が整う。
「(おれの魔力ってのが手から流れてたりすんのか?)」
頭を撫でてやれば表情が和らぐのを見て、じっと自分の手を見つめた後、布団の中に入っている恋歌の手を握った。
それを無意識に握り返されたローは一瞬びくっとしたが、すやすやと眠っているのを見て、そのままにしてやることにした。
「(早く元気になれよ…)」
いつもは騒がしい連中が恋歌がいないというだけで静まり返ってしまっていた。
今も家事をしているはずだが、全く音がしない。
恋歌に気を遣って、静かに行動しているのだろう。
ローも妹分と言ったからには、本当の妹のように扱っている。
病気を治してやれなかった本当の妹の代わりではないが、魔女特有の病気に罹ったとしても必ず治して見せると決めている。
「(俺の魔力ちゃんと持っていけよ)」
スピードが上がるかどうかはわからないが、痛くないようにぎゅっと手を握る力を強めた。
『(…手があったかい)』
数時間後、目を覚ました恋歌は手が温かい事に気づいた。
「ん?起きたか」
手を握ってくれている先にはローが器用に片手で医学書を読んでいた。
本を閉じて首筋や頬に触れて体温を確かめると、小さくよし、と呟いた。
「いつもよりは高ぇが熱は大体下がったな」
薬が良く効いたようで熱は少し下がった。
「話せるか?」
ローの言葉に頷いた恋歌は身体を起こした。
手を繋いだままだったことを思い出し、この手を離さなければ、ローと会話が出来ないので、少し残念だったが手を離した。
「辛くなったら言え、言いたくない事は無理に話さなくていい
わかったな?」
その言葉にも頷いて、ローはどこから質問をしようかと今までの情報を頭の中でまとめる。
「まず、お前の服を着替えさせた時に、ベポがここにある紋章が薄くなってるって事に気づいた」
その言葉を聞いて、恋歌は紋章がある左胸のあたりをおさえた。
「おれは薄くない状態の事を知らねぇからわからねぇが、ベポが薄くなったのは確実だと言っていた
それは今回の風邪と関係があるのか?」
もし風邪と関係があるのであれば、完治してもらうために教えてもらう必要がある。
まだ完治しておらず、つらそうな顔をしているが、聞かなければいけないこと。
「恋歌、これなら食べられるか?」
ペンギンが作ったのはヴォルフが買ってきたりんごのすりおろし。
飲み物が欲しいと言っていたが、これなら大丈夫だろうとペンギンに作ってもらった。
りんごのすりおろしが入った器を渡すと、しばらくそれをじっと見つめ、一緒に渡されたスプーンを掴んだ。
すこしだけ掬ってごくん、と飲み込んだのを見てほっと胸をなでおろした。
だが、あまりにもちまちまと食べるので、器をローが掴んで、りんごをすくって恋歌の口元に持って行くと、ぱくっと食べた。
「もっと食べるか?」
こくん、と頷いたのを見て、何度かすくって食べさせてやった。
「(餌付けしてるみてぇだな…)」
全て食べ終わると、ローが作った薬を渡される。
水と一緒に渡すとそれを素直に飲み込んだ。
『(う…)』
しかしそれが苦かったらしく、飲み込んだ後しかめっ面をした。
「ははっ、その苦さが効くんだよ」
いい子だと頭を撫でてやり、コップと器を回収すると、寝ろと言って横になるのを手伝ってやる。
「おとなしく寝てろ
その薬は俺の特製だ、寝てりゃすぐに治る」
頭を撫でられる感覚が気持ちいいのか、頷いた後に目を閉じすぐに眠ったのを確認した。
「(次に起きたときには少し回復してるだろ
魔力の事はその時だな)」
恋歌と会話する手段は筆談か手話。
スプーンすらまともに扱えなかったのを見て、取り敢えず今は聞くことではないと判断して、薬を飲ませて寝かせた。
眠ったのを確認してリビングに戻ると、心配そうな顔をした3人が座っていた。
「お、全部食べたんだな」
「ああ、せっかくかゆを作ってくれたのに悪かったな」
「気にするな
あれは元気なときに食べてくれたらいいし」
「そうだな」
「魔力の事はどうだった?」
「聞ける状態じゃねぇな
もうちょっと回復したら聞いとく」
一先ず今日の家事は恋歌抜きでもやらなければいけないので、何かあった時の為にローに診てもらえるように、今日は3人で家事をすることになった。
ローは3人に恋歌の様子を見ているようにと言われたので、恋歌の部屋で静かに医学書を読んでいる。
たまに氷嚢を変えてやり、苦しそうにしていれば頭を撫でてやれば、しばらくすると呼吸が整う。
「(おれの魔力ってのが手から流れてたりすんのか?)」
頭を撫でてやれば表情が和らぐのを見て、じっと自分の手を見つめた後、布団の中に入っている恋歌の手を握った。
それを無意識に握り返されたローは一瞬びくっとしたが、すやすやと眠っているのを見て、そのままにしてやることにした。
「(早く元気になれよ…)」
いつもは騒がしい連中が恋歌がいないというだけで静まり返ってしまっていた。
今も家事をしているはずだが、全く音がしない。
恋歌に気を遣って、静かに行動しているのだろう。
ローも妹分と言ったからには、本当の妹のように扱っている。
病気を治してやれなかった本当の妹の代わりではないが、魔女特有の病気に罹ったとしても必ず治して見せると決めている。
「(俺の魔力ちゃんと持っていけよ)」
スピードが上がるかどうかはわからないが、痛くないようにぎゅっと手を握る力を強めた。
『(…手があったかい)』
数時間後、目を覚ました恋歌は手が温かい事に気づいた。
「ん?起きたか」
手を握ってくれている先にはローが器用に片手で医学書を読んでいた。
本を閉じて首筋や頬に触れて体温を確かめると、小さくよし、と呟いた。
「いつもよりは高ぇが熱は大体下がったな」
薬が良く効いたようで熱は少し下がった。
「話せるか?」
ローの言葉に頷いた恋歌は身体を起こした。
手を繋いだままだったことを思い出し、この手を離さなければ、ローと会話が出来ないので、少し残念だったが手を離した。
「辛くなったら言え、言いたくない事は無理に話さなくていい
わかったな?」
その言葉にも頷いて、ローはどこから質問をしようかと今までの情報を頭の中でまとめる。
「まず、お前の服を着替えさせた時に、ベポがここにある紋章が薄くなってるって事に気づいた」
その言葉を聞いて、恋歌は紋章がある左胸のあたりをおさえた。
「おれは薄くない状態の事を知らねぇからわからねぇが、ベポが薄くなったのは確実だと言っていた
それは今回の風邪と関係があるのか?」
もし風邪と関係があるのであれば、完治してもらうために教えてもらう必要がある。
まだ完治しておらず、つらそうな顔をしているが、聞かなければいけないこと。