ペンギンの女難
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「昨日の夜も今朝も少し話したけど、この店は今、用心棒をしてくれている一家があってね
そこは昔からの付き合いなんだけど、少し前に先代の社長が亡くなって…
先代の孫がその一家を継いだの
今までわたしたちと一家との関係は悪くなかったんだけど、その孫が継いでから…わたしたちは毎日夜は穏やかに過ごせなくなった」
ミーシャの話ではこの店の売上は悪いものではなく、先代に用心棒代を払っていたが、孫に変わった瞬間用心棒代が引き上げられ、毎月店に売上が残る事がほとんどなくなった。
用心棒代を元の値段に戻してほしいと伝えたが、それは受け入れられず休みなく働けと言われただけだった。
だが、売上が伸びたとしても用心棒代が引き上げられるだけ。
客が取れなかった娼婦は用心棒の相手や孫の相手をさせられ、本当に休みなく働かされている。
「わたしはたまに息抜きして…昨日みたいにお客を取らない日もあるけど、うまく立ち回れない子はどんどんやつれていって…
でも、ここを辞めても行くところなんかあるわけなくてさ…」
≪それなら、その一家を倒せばいいの?≫
「…ふふっ、恋歌もそういう冗談言うのね」
『(冗談じゃないんだけど…)』
恋歌が紙に書いた言葉は、ミーシャを励ますために書いた冗談だと思い、笑って流されてしまった。
「でもね…あの一家がいなくなると何かあった時、わたしたちを守ってくれる人たちがいなくなるの
こういう仕事だとお客とトラブルはあるし、用心棒がいないと好き勝手暴れる連中もいるのよ」
≪他に頼めそうなところはないの?≫
「この島で一番大きな一家だからね…
他の所に頼んでもあいつらが売上の高いうちを簡単に諦めてくれるとは思えないわ
けど、1つだけ方法があるの」
≪それはわたしにも手伝えること?≫
「うん
ある人を探してほしいの」
≪ある人?≫
「実は先代には息子がいて、本当ならその人が一家を継ぐはずだったの
でも、先代が寝たきりになって、余命もわずかって時にいなくなった」
がたん、と立ち上がったミーシャは箪笥の奥に手を入れて、そこから取り出したものを恋歌に渡した。
『(誰だろう…)』
渡されたのは写真で、そこには幸せそうに笑う男女が写っていた。
「この人たちが先代の息子さんとその奥さん」
『(優しそう…)』
話した事も見た事もないが、写真からでも人柄の良さがわかるような、少しふくよかな容姿をしている。
「わたしたちもこの2人には良くしてもらってて…先代もその人に継がせるつもりだったの
でも…急にいなくなった」
ぐっと拳を握りしめたミーシャは、自分を落ち着かせる為に何度か深呼吸を繰り返す。
「跡取りが急にいなくなったから、一家総出で島中探したんだけど…見つからなかった
この人が見つかれば…」
「島中探して見つからなかったんだろ
普通なら死んでると思う
生きてるって思う根拠はなんだ」
大事な跡取りを手を抜いて探したとも思えず、そこまで大きな島ではないこの島なら、虱潰しに探しているはず。
それでもあきらめない根拠は何かと聞けば、眉間に皺を寄せて頬杖をついた。
そこは昔からの付き合いなんだけど、少し前に先代の社長が亡くなって…
先代の孫がその一家を継いだの
今までわたしたちと一家との関係は悪くなかったんだけど、その孫が継いでから…わたしたちは毎日夜は穏やかに過ごせなくなった」
ミーシャの話ではこの店の売上は悪いものではなく、先代に用心棒代を払っていたが、孫に変わった瞬間用心棒代が引き上げられ、毎月店に売上が残る事がほとんどなくなった。
用心棒代を元の値段に戻してほしいと伝えたが、それは受け入れられず休みなく働けと言われただけだった。
だが、売上が伸びたとしても用心棒代が引き上げられるだけ。
客が取れなかった娼婦は用心棒の相手や孫の相手をさせられ、本当に休みなく働かされている。
「わたしはたまに息抜きして…昨日みたいにお客を取らない日もあるけど、うまく立ち回れない子はどんどんやつれていって…
でも、ここを辞めても行くところなんかあるわけなくてさ…」
≪それなら、その一家を倒せばいいの?≫
「…ふふっ、恋歌もそういう冗談言うのね」
『(冗談じゃないんだけど…)』
恋歌が紙に書いた言葉は、ミーシャを励ますために書いた冗談だと思い、笑って流されてしまった。
「でもね…あの一家がいなくなると何かあった時、わたしたちを守ってくれる人たちがいなくなるの
こういう仕事だとお客とトラブルはあるし、用心棒がいないと好き勝手暴れる連中もいるのよ」
≪他に頼めそうなところはないの?≫
「この島で一番大きな一家だからね…
他の所に頼んでもあいつらが売上の高いうちを簡単に諦めてくれるとは思えないわ
けど、1つだけ方法があるの」
≪それはわたしにも手伝えること?≫
「うん
ある人を探してほしいの」
≪ある人?≫
「実は先代には息子がいて、本当ならその人が一家を継ぐはずだったの
でも、先代が寝たきりになって、余命もわずかって時にいなくなった」
がたん、と立ち上がったミーシャは箪笥の奥に手を入れて、そこから取り出したものを恋歌に渡した。
『(誰だろう…)』
渡されたのは写真で、そこには幸せそうに笑う男女が写っていた。
「この人たちが先代の息子さんとその奥さん」
『(優しそう…)』
話した事も見た事もないが、写真からでも人柄の良さがわかるような、少しふくよかな容姿をしている。
「わたしたちもこの2人には良くしてもらってて…先代もその人に継がせるつもりだったの
でも…急にいなくなった」
ぐっと拳を握りしめたミーシャは、自分を落ち着かせる為に何度か深呼吸を繰り返す。
「跡取りが急にいなくなったから、一家総出で島中探したんだけど…見つからなかった
この人が見つかれば…」
「島中探して見つからなかったんだろ
普通なら死んでると思う
生きてるって思う根拠はなんだ」
大事な跡取りを手を抜いて探したとも思えず、そこまで大きな島ではないこの島なら、虱潰しに探しているはず。
それでもあきらめない根拠は何かと聞けば、眉間に皺を寄せて頬杖をついた。