出会いから出航まで
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3人を部屋から追い出すと、しんと静かになった部屋で、恋歌の苦しそうな息遣いだけが聞こえる。
椅子を持ってきて、恋歌の頭の横あたりに座った。
氷嚢が落ちないように整えてやり、恋歌が目を覚ましたらすぐに気づけるように、医学書を読み始めた。
「(今まで魔女の記述がある医学書を読んだことはねぇが、身体には目立った異常はねぇ
魔女に…いや、恋歌についておれより詳しい奴ってなると…)」
今はこの家にいない恋歌のことを詳しく知っていそうな人物が、今日は早く帰ってくる事を願った。
「…気分はどうだ」
しばらくして、恋歌の目が開いた事に気づいて声をかけると、ぼーっとした目でローと視線を合わせた。
「大丈夫か?」
起き上ろうとしている事に気づいて、背中に手を回して手伝ってやる。
「なにか食べれそうか?」
薬を飲んでほしいローは、何か食べれるかと聞いたが、小さく首を横に振られた。
「そうか…
飲み物は?」
その質問には今度は頷いたので、待ってろと言い、部屋から出た。
「なんだ、帰ってきてたのか」
「おお、恋歌の容体はどうじゃ」
飲み物をとりにリビングへ行くと、ヴォルフが予想より早く帰ってきていた。
「たぶんただの風邪
今目を覚ましたからな
飲み物なら飲めるって言うからとりにきた」
「なにか作ろうか?」
「ガラクタ屋、言ってたやつ買ってきてくれたか?」
「ほれ」
袋を渡され、中身を確認したローはそれをペンギンに渡した。
「頼んだ」
「おっけー」
袋の中身を見たペンギンは意図を理解して、急いでキッチンへ向かった。
「ガラクタ屋、話がある」
「…なんじゃ」
「恋歌の紋章の事だ
なにか知っている事はねぇか」
「恋歌の紋章の事はどこまでしっとる」
「魔女の証で、その魔方陣を見れば得意な魔法がわかるってぐらいだ」
ふむ、と顎に手を当てて少し考えるような姿勢をとったヴォルフは、ため息をついてじっとローを見つめた。
「本来なら恋歌の意思を確認してからの方がいいんじゃが…」
「わかってる
けど俺には魔女の知識はねぇ
わかることがあるなら教えてくれ」
「そうさな…
今、恋歌の紋章はどんな様子じゃ」
「俺は通常の状態を見た事ねぇが、ベポがいつもより薄くなってるって」
「う、うん」
「おそらくそれは恋歌の体内の魔力が減っとるんじゃろう
普段なら生きて活動するぐらいの魔力は、大気中にある魔力や草木に宿る魔力を自然に集めて生きていける
じゃが、今は体調が悪いから減ったのか、魔力が減ったから体調が悪いのかわからんが、それが原因で紋章が薄くなっとるんじゃろうな」
「つまり、体調が戻れば紋章も戻るか、魔力が戻れば紋章も体調も戻るってことか」
「ああ」
「魔力を供給する方法は何か知らねぇか」
以前恋歌から自分の魔力の量は多いと聞いた事がある。
生活していくうえで魔女ではない自分が使わない魔力を恋歌に渡せるのであれば、風邪が治るのではと思ったが、その質問にはヴォルフは首を振った。
「それはわからん
魔女によって供給の仕方が違うらしいということはわかっとるが、もともと魔女同士は簡単に魔力の供給ができるらしい
魔力についてはわしらにできることはあまりないかもしれんな」
「そうか」
紋章の事は何も知らないシャチは黙って話を聞いていたが、話の流れでなんとなくわかったが、打つ手がないということもわかり、シャチも思考を巡らせる。
「うーん、そういやこの間恋歌に元気がないからどうかしたんかって聞いたら、星が見えないからって言ってたな」
「は?星?」
「ああ、3日ぐらい前かな
なんか元気なさそうだったから、聞いたら星が最近見れてないからって言ってたんだよな
その時は星が好きな恋歌の事だから、趣味の天体観測ができないから元気がないのかと思ってたんだけど、今の話聞いてたら…」
「星か…たしかにここ最近昼は天気でも夜は雪ってのが続いてた…
星の魔方陣…紋章…」
シャチの言葉を参考にすれば今回恋歌の紋章が薄れた理由は…。
「え、なにこの雰囲気」
キッチンから戻ってきたペンギンは、みんなで頭をっ変えている様子に少したじろいだ。
「ほらよ」
ローに作ってきたものをお盆ごと渡すと、ローは礼を言って恋歌の部屋へ戻って行った。
「星か…」
「よし、それはわしがなんとかする
お前らはローの言うとおりにしてろ」
ヴォルフは立ち上がってすぐに外に出て行ってしまった。
椅子を持ってきて、恋歌の頭の横あたりに座った。
氷嚢が落ちないように整えてやり、恋歌が目を覚ましたらすぐに気づけるように、医学書を読み始めた。
「(今まで魔女の記述がある医学書を読んだことはねぇが、身体には目立った異常はねぇ
魔女に…いや、恋歌についておれより詳しい奴ってなると…)」
今はこの家にいない恋歌のことを詳しく知っていそうな人物が、今日は早く帰ってくる事を願った。
「…気分はどうだ」
しばらくして、恋歌の目が開いた事に気づいて声をかけると、ぼーっとした目でローと視線を合わせた。
「大丈夫か?」
起き上ろうとしている事に気づいて、背中に手を回して手伝ってやる。
「なにか食べれそうか?」
薬を飲んでほしいローは、何か食べれるかと聞いたが、小さく首を横に振られた。
「そうか…
飲み物は?」
その質問には今度は頷いたので、待ってろと言い、部屋から出た。
「なんだ、帰ってきてたのか」
「おお、恋歌の容体はどうじゃ」
飲み物をとりにリビングへ行くと、ヴォルフが予想より早く帰ってきていた。
「たぶんただの風邪
今目を覚ましたからな
飲み物なら飲めるって言うからとりにきた」
「なにか作ろうか?」
「ガラクタ屋、言ってたやつ買ってきてくれたか?」
「ほれ」
袋を渡され、中身を確認したローはそれをペンギンに渡した。
「頼んだ」
「おっけー」
袋の中身を見たペンギンは意図を理解して、急いでキッチンへ向かった。
「ガラクタ屋、話がある」
「…なんじゃ」
「恋歌の紋章の事だ
なにか知っている事はねぇか」
「恋歌の紋章の事はどこまでしっとる」
「魔女の証で、その魔方陣を見れば得意な魔法がわかるってぐらいだ」
ふむ、と顎に手を当てて少し考えるような姿勢をとったヴォルフは、ため息をついてじっとローを見つめた。
「本来なら恋歌の意思を確認してからの方がいいんじゃが…」
「わかってる
けど俺には魔女の知識はねぇ
わかることがあるなら教えてくれ」
「そうさな…
今、恋歌の紋章はどんな様子じゃ」
「俺は通常の状態を見た事ねぇが、ベポがいつもより薄くなってるって」
「う、うん」
「おそらくそれは恋歌の体内の魔力が減っとるんじゃろう
普段なら生きて活動するぐらいの魔力は、大気中にある魔力や草木に宿る魔力を自然に集めて生きていける
じゃが、今は体調が悪いから減ったのか、魔力が減ったから体調が悪いのかわからんが、それが原因で紋章が薄くなっとるんじゃろうな」
「つまり、体調が戻れば紋章も戻るか、魔力が戻れば紋章も体調も戻るってことか」
「ああ」
「魔力を供給する方法は何か知らねぇか」
以前恋歌から自分の魔力の量は多いと聞いた事がある。
生活していくうえで魔女ではない自分が使わない魔力を恋歌に渡せるのであれば、風邪が治るのではと思ったが、その質問にはヴォルフは首を振った。
「それはわからん
魔女によって供給の仕方が違うらしいということはわかっとるが、もともと魔女同士は簡単に魔力の供給ができるらしい
魔力についてはわしらにできることはあまりないかもしれんな」
「そうか」
紋章の事は何も知らないシャチは黙って話を聞いていたが、話の流れでなんとなくわかったが、打つ手がないということもわかり、シャチも思考を巡らせる。
「うーん、そういやこの間恋歌に元気がないからどうかしたんかって聞いたら、星が見えないからって言ってたな」
「は?星?」
「ああ、3日ぐらい前かな
なんか元気なさそうだったから、聞いたら星が最近見れてないからって言ってたんだよな
その時は星が好きな恋歌の事だから、趣味の天体観測ができないから元気がないのかと思ってたんだけど、今の話聞いてたら…」
「星か…たしかにここ最近昼は天気でも夜は雪ってのが続いてた…
星の魔方陣…紋章…」
シャチの言葉を参考にすれば今回恋歌の紋章が薄れた理由は…。
「え、なにこの雰囲気」
キッチンから戻ってきたペンギンは、みんなで頭をっ変えている様子に少したじろいだ。
「ほらよ」
ローに作ってきたものをお盆ごと渡すと、ローは礼を言って恋歌の部屋へ戻って行った。
「星か…」
「よし、それはわしがなんとかする
お前らはローの言うとおりにしてろ」
ヴォルフは立ち上がってすぐに外に出て行ってしまった。