出会いから出航まで
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シャチとペンギンの傷もほとんど治り、元気になってきたころ、急に冷え込み始めた。
『(最近寒いと思ってたけど…今日は暑いな…)』
朝一人で部屋で目が覚めると、外は猛吹雪だが、思ったより寒くない事に疑問を感じながらも、ベッドから出ると目の前がぐらりと揺れて、足元から崩れ落ちそうになった。
『(なに…?)』
ベッドを支えにしたので、倒れ込む事はなかったが、うまく立てず吐き気がする。
頭ががんがんと痛み、布団から出た所為か寒気もし始めた。
『(寒い…)』
顔だけは熱いが、身体は寒さで震えている。
『(服…着替えないと…)』
重い体を引きずりながらタンスまでたどり着くが、頭がぐるぐるして何も考えられない。
立っているのもしんどくなりぺたん、と床に腰を下ろす。
「恋歌ー?まだ寝てるのかー?」
床に座ってからぼーっとしている間に時間が経ってしまっていたのか、ベポが恋歌の部屋に呼びに来てしまった。
「え?どうしたんだ!?」
着替えもせず、寒い中床に座り込んでいる恋歌を見つけて、走って駆け寄った。
「え?え?
顔赤い!?って、あっつ!!」
わたわたと慌てたベポは、恋歌を抱えてばたばたとリビングへ向かう。
「朝からやかましいわい!」
足音がうるさいとヴォルフに怒られているが、ベポが抱えているぐったりとした恋歌を見て、リビングにいた全員がベポに駆け寄る。
「な、なんか恋歌がいつもより熱くて…!!
全然動かないんだ…!おれ、おれどうしたら…」
「落ち着け
俺が診る
ベポは恋歌を布団に戻してやれ、いつもよりあったかくしてやれよ
シャチは湯を沸かして恋歌の部屋まで持ってきてくれ
ペンギンはこの薬草とってきてくれるか」
「「「ア、アイアイ!!」」」
ローの指示に従ってばたばたと散り散りに走り去っていった。
「じいさんは町に行った時についでにこれ買ってきてくれ」
最近町に頻繁に行っているヴォルフに必要な物を書いたメモを渡すと、今日はなるべく早く帰ってくると言って出かけて行った。
「さて…」
全員に指示を出したところで、ベポが先にいるであろう恋歌の部屋へと向かう。
「おい…何しようとしてんだ」
着替えをさせたら呼びに来いと伝えたが、部屋から全く出てくる様子がない為、ノックをした後がちゃ、っと扉を開けると、なぜかベポが恋歌と一緒の布団に入ろうとしているところだった。
「だ、だって、おれにできることは恋歌をあっためることぐらいしか…」
人間よりはるかにあたたかい自分の体温を活かして、ローに言われたことを実行しようとしたらしい。
「お前にまでうつったらどうすんだ
ベポには後でやってもらうことがある
シャチかペンギンを手伝ってきてやれ」
「りょ、了解!」
すこし的外れな事をしているとは思うが、ベポなりに恋歌を心配しているという事だろう。
「恋歌、ちょっとだけ起き上れるか?」
顔を真っ赤にした恋歌が小さく頷いたので、背中に手を入れて起き上るのを手伝う。
「口開けれるか」
喉の腫れを確認し、体温の高さ、一応誰もいないのも確認してから、能力で体内を診たが、ただの風邪だろうという診断になった。
もう一度寝かせてやろうかと思ったが、ばたばたとこの部屋に近づいてくる足音を聞いて、自分にもたれかからせるように身体を支えてやる。
「ローさん!持ってきたぞ!」
「…ああ」
病人のいる部屋で大声を出すなと言いたくなったが、おろおろしているのを見て、小さくため息をついた。
「一番しんどいのは恋歌だ
俺たちは慌てず早く治る様に看病をしてやるしかない
静かにしろ」
「そ、そうだよな
このお湯はどうしたらいいんだ?」
「そうだな、ベポ、出番だ」
「え、おれ?」
ローにタオルを渡されて、ぽかんとしているベポに、シャチが持ってきたお湯を指さす。
「これだけ熱があったら汗もかいてるはずだ
濡れた服じゃ寒いままだしな、それで身体を拭いてやれ」
「ええ!?おれ!?」
なぜ自分なのかと自分を指さしているが、ローが自分にもたれかからせたままの恋歌が、苦しそうに息をしているのを見て、早くしてやるべきだと思い、さっさとしろとベポを急かす。
「あったかいタオルで拭いてやれよ
あと、着替えもな
終わったら呼びに来い」
「そ、そんな…!」
問答無用でローに場所を変わられ、いつもより体温の高い恋歌にあたふたしているが、ローはシャチを連れて部屋から出て行ってしまった。
『(最近寒いと思ってたけど…今日は暑いな…)』
朝一人で部屋で目が覚めると、外は猛吹雪だが、思ったより寒くない事に疑問を感じながらも、ベッドから出ると目の前がぐらりと揺れて、足元から崩れ落ちそうになった。
『(なに…?)』
ベッドを支えにしたので、倒れ込む事はなかったが、うまく立てず吐き気がする。
頭ががんがんと痛み、布団から出た所為か寒気もし始めた。
『(寒い…)』
顔だけは熱いが、身体は寒さで震えている。
『(服…着替えないと…)』
重い体を引きずりながらタンスまでたどり着くが、頭がぐるぐるして何も考えられない。
立っているのもしんどくなりぺたん、と床に腰を下ろす。
「恋歌ー?まだ寝てるのかー?」
床に座ってからぼーっとしている間に時間が経ってしまっていたのか、ベポが恋歌の部屋に呼びに来てしまった。
「え?どうしたんだ!?」
着替えもせず、寒い中床に座り込んでいる恋歌を見つけて、走って駆け寄った。
「え?え?
顔赤い!?って、あっつ!!」
わたわたと慌てたベポは、恋歌を抱えてばたばたとリビングへ向かう。
「朝からやかましいわい!」
足音がうるさいとヴォルフに怒られているが、ベポが抱えているぐったりとした恋歌を見て、リビングにいた全員がベポに駆け寄る。
「な、なんか恋歌がいつもより熱くて…!!
全然動かないんだ…!おれ、おれどうしたら…」
「落ち着け
俺が診る
ベポは恋歌を布団に戻してやれ、いつもよりあったかくしてやれよ
シャチは湯を沸かして恋歌の部屋まで持ってきてくれ
ペンギンはこの薬草とってきてくれるか」
「「「ア、アイアイ!!」」」
ローの指示に従ってばたばたと散り散りに走り去っていった。
「じいさんは町に行った時についでにこれ買ってきてくれ」
最近町に頻繁に行っているヴォルフに必要な物を書いたメモを渡すと、今日はなるべく早く帰ってくると言って出かけて行った。
「さて…」
全員に指示を出したところで、ベポが先にいるであろう恋歌の部屋へと向かう。
「おい…何しようとしてんだ」
着替えをさせたら呼びに来いと伝えたが、部屋から全く出てくる様子がない為、ノックをした後がちゃ、っと扉を開けると、なぜかベポが恋歌と一緒の布団に入ろうとしているところだった。
「だ、だって、おれにできることは恋歌をあっためることぐらいしか…」
人間よりはるかにあたたかい自分の体温を活かして、ローに言われたことを実行しようとしたらしい。
「お前にまでうつったらどうすんだ
ベポには後でやってもらうことがある
シャチかペンギンを手伝ってきてやれ」
「りょ、了解!」
すこし的外れな事をしているとは思うが、ベポなりに恋歌を心配しているという事だろう。
「恋歌、ちょっとだけ起き上れるか?」
顔を真っ赤にした恋歌が小さく頷いたので、背中に手を入れて起き上るのを手伝う。
「口開けれるか」
喉の腫れを確認し、体温の高さ、一応誰もいないのも確認してから、能力で体内を診たが、ただの風邪だろうという診断になった。
もう一度寝かせてやろうかと思ったが、ばたばたとこの部屋に近づいてくる足音を聞いて、自分にもたれかからせるように身体を支えてやる。
「ローさん!持ってきたぞ!」
「…ああ」
病人のいる部屋で大声を出すなと言いたくなったが、おろおろしているのを見て、小さくため息をついた。
「一番しんどいのは恋歌だ
俺たちは慌てず早く治る様に看病をしてやるしかない
静かにしろ」
「そ、そうだよな
このお湯はどうしたらいいんだ?」
「そうだな、ベポ、出番だ」
「え、おれ?」
ローにタオルを渡されて、ぽかんとしているベポに、シャチが持ってきたお湯を指さす。
「これだけ熱があったら汗もかいてるはずだ
濡れた服じゃ寒いままだしな、それで身体を拭いてやれ」
「ええ!?おれ!?」
なぜ自分なのかと自分を指さしているが、ローが自分にもたれかからせたままの恋歌が、苦しそうに息をしているのを見て、早くしてやるべきだと思い、さっさとしろとベポを急かす。
「あったかいタオルで拭いてやれよ
あと、着替えもな
終わったら呼びに来い」
「そ、そんな…!」
問答無用でローに場所を変わられ、いつもより体温の高い恋歌にあたふたしているが、ローはシャチを連れて部屋から出て行ってしまった。