刺青
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たまにちくっとした痛みがきたが、思っていたより痛くなく、真剣な顔をして作業をしてくれているローを見る余裕が出てきた。
「…ん?どうした?」
視線を向けられている事に気づいたローが、痛いのかと心配してくれるが、大丈夫だと首を振る。
『(この顔は…見た事ないよね…)』
新しい島にたどり着く度に、ローに綺麗な女性が寄ってくるが、オペの時や勉強をしている時に見せる真剣な表情を見る事ができるのは、クルーである自分の特権だと思わず口元が緩んだ。
昔から好きな人を助ける大きな手で触れてもらえていることが嬉しくなり、ぎゅっとシリウスを抱く手に力が入った。
「お、おい恋歌!苦しいって」
『ご、ごめん』
首が閉まったシリウスにぺしぺしと腕を叩かれて抗議された為、慌てて力を緩める。
『あ…』
ぴょん、とシリウスが恋歌の腕から飛び降り、とことこと小さな隙間から部屋の外に出て行こうとしている。
「おれはこっちの部屋にいる
(空気を読めるおれは良い相棒だ)」
それだけを言って出て行ってしまったシリウスを追いかける事も出来ない。
「放っておけ
あいつも何回も攫われるほどばかじゃねぇだろ」
『うん…』
可愛い見た目をしている為心配ではあるが、ただの子犬ではないので、ひとまずはシリウスを信じる事にした。
だが、シリウスがいなくなったことで縋るものがなくなり、うろうろと手を彷徨わせていると、それに気づいたローが恋歌の手を握った。
「動かねぇなら手を握っててやる
どっちがいい」
『このまま、がいい…』
「わかった」
少し慣れてきたローは、あとは片手でも出来るところまで完成しているので、恋歌の手を握りながら作業を進めていく。
「よし、完成だ」
施術を初めて数時間後、機材を置いたローは、よく頑張ったと恋歌の頭を撫でてやる。
少しひりひりとして刺青の周りが赤くなっているが、ローが消毒などのアフターケアをしてくれると言うのであれば問題ないはずと、刺青に触ろうとすれば手を掴まれて止められた。
「まだ触るな
炎症が治まってからだ」
『わかった』
手を離して消毒と何かのクリームを塗られ、包帯を巻いてくれたあと、もう一度”よし”と呟いた。
「もう遅い時間だ
船に戻るぞ」
脱いだシャツを渡されそれを着ると、めがねとキャップを渡される。
「…これ、どうやって髪全部いれてんだ?」
めがねはかけるだけでいいが、腰まである恋歌の髪がどうやってキャップの中に入っていたのかわからず、恋歌の髪をまとめて手に持っていろんな方法で入れようとするが、シャチによって毎日手入れされているさらさらの髪は、どうしてもぱらぱらと落ちてきてしまう。
『いつも、シャチはこうやって…』
ぐるぐると髪をまとめて、きゅっとキャップをかぶると、綺麗にすべての髪が入った。
「…全部入るもんなんだな」
『うん』
こんな小さなキャップにあの長さの髪が入るのかと改めて驚き、いつもは見えない項をするりと撫でた。
「(ここが見えるのも…あまり良くねぇか?)」
白く細い項が見えている事も隠した方がいいのではと思い、帽子をペンギンのようなものにさせようかと考えたが、それは帰ってから考えようと恋歌の手を引いた。
「…ん?どうした?」
視線を向けられている事に気づいたローが、痛いのかと心配してくれるが、大丈夫だと首を振る。
『(この顔は…見た事ないよね…)』
新しい島にたどり着く度に、ローに綺麗な女性が寄ってくるが、オペの時や勉強をしている時に見せる真剣な表情を見る事ができるのは、クルーである自分の特権だと思わず口元が緩んだ。
昔から好きな人を助ける大きな手で触れてもらえていることが嬉しくなり、ぎゅっとシリウスを抱く手に力が入った。
「お、おい恋歌!苦しいって」
『ご、ごめん』
首が閉まったシリウスにぺしぺしと腕を叩かれて抗議された為、慌てて力を緩める。
『あ…』
ぴょん、とシリウスが恋歌の腕から飛び降り、とことこと小さな隙間から部屋の外に出て行こうとしている。
「おれはこっちの部屋にいる
(空気を読めるおれは良い相棒だ)」
それだけを言って出て行ってしまったシリウスを追いかける事も出来ない。
「放っておけ
あいつも何回も攫われるほどばかじゃねぇだろ」
『うん…』
可愛い見た目をしている為心配ではあるが、ただの子犬ではないので、ひとまずはシリウスを信じる事にした。
だが、シリウスがいなくなったことで縋るものがなくなり、うろうろと手を彷徨わせていると、それに気づいたローが恋歌の手を握った。
「動かねぇなら手を握っててやる
どっちがいい」
『このまま、がいい…』
「わかった」
少し慣れてきたローは、あとは片手でも出来るところまで完成しているので、恋歌の手を握りながら作業を進めていく。
「よし、完成だ」
施術を初めて数時間後、機材を置いたローは、よく頑張ったと恋歌の頭を撫でてやる。
少しひりひりとして刺青の周りが赤くなっているが、ローが消毒などのアフターケアをしてくれると言うのであれば問題ないはずと、刺青に触ろうとすれば手を掴まれて止められた。
「まだ触るな
炎症が治まってからだ」
『わかった』
手を離して消毒と何かのクリームを塗られ、包帯を巻いてくれたあと、もう一度”よし”と呟いた。
「もう遅い時間だ
船に戻るぞ」
脱いだシャツを渡されそれを着ると、めがねとキャップを渡される。
「…これ、どうやって髪全部いれてんだ?」
めがねはかけるだけでいいが、腰まである恋歌の髪がどうやってキャップの中に入っていたのかわからず、恋歌の髪をまとめて手に持っていろんな方法で入れようとするが、シャチによって毎日手入れされているさらさらの髪は、どうしてもぱらぱらと落ちてきてしまう。
『いつも、シャチはこうやって…』
ぐるぐると髪をまとめて、きゅっとキャップをかぶると、綺麗にすべての髪が入った。
「…全部入るもんなんだな」
『うん』
こんな小さなキャップにあの長さの髪が入るのかと改めて驚き、いつもは見えない項をするりと撫でた。
「(ここが見えるのも…あまり良くねぇか?)」
白く細い項が見えている事も隠した方がいいのではと思い、帽子をペンギンのようなものにさせようかと考えたが、それは帰ってから考えようと恋歌の手を引いた。