刺青
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食堂に入れば、既に恋歌は席についており、ペンギンが朝ごはんを準備してくれていた。
「あ、キャプテンもおはよう」
「ああ」
遅れて起きてきたはずなのに、当たり前のように準備をしてくれるペンギンに違和感を覚えたが、久しぶりに温かいご飯を目の前に出され、自然に箸が進む。
「おかわりもあるからな」
黙々と食べるローにそう声をかければ、無言で空になった茶碗をつきつけられた。
それに笑っておかわりをよそってやれば、また黙々と食べ始める。
「恋歌は?」
『わたしは、もうお腹いっぱい
ごちそうさま』
「おう、お粗末様」
食器を片づけ、そろそろ食べ終わりそうなローと自分用にお茶を淹れる為にお湯を沸かす。
『飲む?』
「もらおうかな」
多めにお湯を沸かしたため、座って本を読んでいるペンギンにもお茶を出す。
「……」
そのいつも通りの雰囲気がなんだかほっとするような感じがして、食後に出されたお茶をすする。
「おい、ペンギン
腕見せろ」
「腕?」
急に話しかけられたペンギンは、首を傾げながらも腕をローに見やすいように見せると、スワロー島でローが治してくれた傷を指でなぞられた。
「…このへったくそな痕消していいか」
「は?
いや、ちょっと…もったいない気がするから…できたら消したくねぇんだけど」
「はぁ?」
何言ってんだこいつ、という目でペンギンを見るが、へへ、と頭をかいて照れくさそうにしている。
「これはおれがあんたに助けてもらったっていう証だ
これを見たら…なんかこう…頑張ろうって思えるんだよな
鍛錬も、勉強も、料理も…キャプテンに治してもらったこの腕があるから出来る事なんだって、そう思ってるから」
「……そうか」
まさかそんなことを言われると思っていなかったローは、急に気恥ずかしくなり、ペンギンの手を離して視線を逸らした。
「で?なんで急にそんな事聞いてくるんだ?」
「…痕を消す方法を考えててな
シャチの腹にも傷痕があるだろ
恋歌の肩にも
おれが未熟なせいで残った傷痕ぐらい、消してやれればって…思っただけだ」
『「……」』
「!!
部屋に戻る」
ぽつりとつぶやいた言葉に、ぽかんとした顔で恋歌とペンギンが顔を見合わせると、言い過ぎたと思ったのか、慌ただしく立ち上がって部屋に戻っていった。
「…おれらの為に徹夜してたのか」
『みたいだね』
ローが優しい事も、自分たちの事を大事に想ってくれている事も知っているが、直接本人の口からそういう話を聞くと、嬉しくて口元が緩んでしまう。
「ははっ、不器用だな」
『だね』
2人でローの微笑ましい行動に笑っていると、汗だくだったベポと、風呂に入れていたシャチが食堂に戻ってきて、今の話をするとシャチは机に突っ伏し、ベポはにこにこと笑っていた。
「あ、キャプテンもおはよう」
「ああ」
遅れて起きてきたはずなのに、当たり前のように準備をしてくれるペンギンに違和感を覚えたが、久しぶりに温かいご飯を目の前に出され、自然に箸が進む。
「おかわりもあるからな」
黙々と食べるローにそう声をかければ、無言で空になった茶碗をつきつけられた。
それに笑っておかわりをよそってやれば、また黙々と食べ始める。
「恋歌は?」
『わたしは、もうお腹いっぱい
ごちそうさま』
「おう、お粗末様」
食器を片づけ、そろそろ食べ終わりそうなローと自分用にお茶を淹れる為にお湯を沸かす。
『飲む?』
「もらおうかな」
多めにお湯を沸かしたため、座って本を読んでいるペンギンにもお茶を出す。
「……」
そのいつも通りの雰囲気がなんだかほっとするような感じがして、食後に出されたお茶をすする。
「おい、ペンギン
腕見せろ」
「腕?」
急に話しかけられたペンギンは、首を傾げながらも腕をローに見やすいように見せると、スワロー島でローが治してくれた傷を指でなぞられた。
「…このへったくそな痕消していいか」
「は?
いや、ちょっと…もったいない気がするから…できたら消したくねぇんだけど」
「はぁ?」
何言ってんだこいつ、という目でペンギンを見るが、へへ、と頭をかいて照れくさそうにしている。
「これはおれがあんたに助けてもらったっていう証だ
これを見たら…なんかこう…頑張ろうって思えるんだよな
鍛錬も、勉強も、料理も…キャプテンに治してもらったこの腕があるから出来る事なんだって、そう思ってるから」
「……そうか」
まさかそんなことを言われると思っていなかったローは、急に気恥ずかしくなり、ペンギンの手を離して視線を逸らした。
「で?なんで急にそんな事聞いてくるんだ?」
「…痕を消す方法を考えててな
シャチの腹にも傷痕があるだろ
恋歌の肩にも
おれが未熟なせいで残った傷痕ぐらい、消してやれればって…思っただけだ」
『「……」』
「!!
部屋に戻る」
ぽつりとつぶやいた言葉に、ぽかんとした顔で恋歌とペンギンが顔を見合わせると、言い過ぎたと思ったのか、慌ただしく立ち上がって部屋に戻っていった。
「…おれらの為に徹夜してたのか」
『みたいだね』
ローが優しい事も、自分たちの事を大事に想ってくれている事も知っているが、直接本人の口からそういう話を聞くと、嬉しくて口元が緩んでしまう。
「ははっ、不器用だな」
『だね』
2人でローの微笑ましい行動に笑っていると、汗だくだったベポと、風呂に入れていたシャチが食堂に戻ってきて、今の話をするとシャチは机に突っ伏し、ベポはにこにこと笑っていた。