出会いから出航まで
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6人で過ごし始めてしばらくしたころ、恋歌がシャチとペンギンに自分の事を話したいと言ったので、ヴォルフが研究所に行っている間に5人で外に集まった。
「急にどうしたんだ?」
≪みんなの事とか聞くだけ聞いて、自分だけ何も話さないのは不公平かなって思って…≫
ローの事も、ベポの事も、シャチとペンギンの事も、聞いて自分が話せない理由や、なぜここにいるのかを説明できないのに、魔女である事も話していないという事が、恋歌が最近悩んでいたことだった。
4人は恋歌が何かに悩んでいるという事は気づいていたが、話してくれるまで待とうと決めていた。
「別に話したくない事なら話さなくていいぞ?
俺たちは気にしてないし」
ペンギンも横でうんうんと頷いているが、恋歌は小さく首を振ってノートに文字を書いていく。
≪2人にも聞いてほしいの
わたしの自己満足かもしれないけど…≫
「恋歌が話してくれることなら聞くよ」
優しく促してくれる二人にほっとしたように笑った恋歌は、ローとベポの方を向いて頷き合った。
「先に言っとくが、恋歌の話を聞いても騒ぐなよ」
「えー、なんかそんなこと言われると余計にどきどきする…」
ローが先に忠告をしてくれている間に、恋歌が二人に伝えたいことをノートに書き始めた。
シャチとペンギンは、それが書き終るのを緊張した面持ちで待っている。
ノートに書かれた文字はたった一文。
≪わたし魔女なの≫
シャチとペンギンは何度か紙を確認して、二人で顔を見合わせて首を傾げた。
「ま、魔女…?」
「あの物語とかに出てくる…?」
「恋歌が?」
確認するようにローとベポの方を見ると、二人に本当だと頷かれた。
「まじか!!」
「ま、魔法見たい!!」
「うるせぇって!」
ローの予想通りに興奮した二人は恋歌に魔法を見せてくれと大きな声でせがんだ。
それにローが注意をして、二人を落ち着かせると、最初ローに見せたように収納の魔法を見せると、目をきらきらさせて何かを言いたそうに口をもごもごさせている。
≪どうしたの?≫
「見せて欲しい魔法があるんだろ」
「い、言っていいか!?」
≪できる事とできない事があるけど、それでもよければ≫
ぱぁっと顔を輝かせた二人はまたローに怒られないように、肩を組んで小声で話し始めた。
しばらくして見せてもらいたい魔法が決まったのか、ずいっと恋歌に顔を近づけた。
「魔女って聞いたらさ、箒で空を飛んでるイメージあるんだけど、もしかして恋歌も空が飛べたりするのか?」
悪魔の実の能力者でもなければ普通は空は飛べない。
それに少年が憧れを持つのは当然の事だった。
そのペンギンの問いに、何かを思い出したように手を叩いた恋歌は、立ち上がって自分の足元に魔方陣を展開させた。
「ま、魔方陣もかっけぇ…」
恋歌が手を出せば、魔方陣の中から箒が現れた。
「「「おお!!」」」
思わずベポまで声を出してしまったようで、興味津々な顔で近づいてきた。
ローも初めての魔法が気になっているのか、見やすい場所に移動している。
「こ、これが魔女の箒…!」
「これで空が飛べるのか!?」
≪わたしはあんまり得意じゃないし、空を飛びたいって思った事あんまりないから忘れてた≫
「「「もったいない!!」」」
恋歌が持っている箒は、恋歌の身長より長く、持ち手の先に星のチャームのようなものがついている。
「触ってもいいか…?」
どうぞ、と箒を差し出せば、おそるおそる箒に触り始めて、気分を味わいたいのか跨ったりして盛り上がっている。
「お、俺たちでも空は飛べるのか?」
≪魔女じゃないと無理だけどちょっとだけなら…≫
人差し指を箒に向けると、箒の下に魔方陣が浮かび上がった。
「え!!」
ぶわっと風が吹いて、箒に跨っていたシャチの足が地面から離れた。
「「おおー!!シャチが飛んだ!!」」
ペンギンとベポが興奮したようにシャチの周りを駆け回り、ローはぽかんとした顔をしている。
『(限界…)』
浮遊時間は数秒程度。
高度もベポより少し高い程度しか出ず、適正の低い浮遊の魔法と風の魔法は、魔力が少ない恋歌が長く続けることは難しかった。
『(ふぅ…)』
興奮している3人に疲れたように息をはいた恋歌は、自分の魔力の無さに少し不甲斐なくなった。
「大丈夫か?」
息をはいているのを見たローが、心配して声をかけてくれるが、それに対しては大丈夫だと手を振って応えた。
恋歌の様子を見て、自分たちも浮かせてほしかったペンギンとベポだったが、そのわがままを言うのはぐっとこらえた。
『(あと何年…このままでいられるのかな…)』
魔女であるということを簡単に受け入れてくれる優しい人たちに心からの感謝と…すべてを話せない事を心から申し訳なくなった。
「急にどうしたんだ?」
≪みんなの事とか聞くだけ聞いて、自分だけ何も話さないのは不公平かなって思って…≫
ローの事も、ベポの事も、シャチとペンギンの事も、聞いて自分が話せない理由や、なぜここにいるのかを説明できないのに、魔女である事も話していないという事が、恋歌が最近悩んでいたことだった。
4人は恋歌が何かに悩んでいるという事は気づいていたが、話してくれるまで待とうと決めていた。
「別に話したくない事なら話さなくていいぞ?
俺たちは気にしてないし」
ペンギンも横でうんうんと頷いているが、恋歌は小さく首を振ってノートに文字を書いていく。
≪2人にも聞いてほしいの
わたしの自己満足かもしれないけど…≫
「恋歌が話してくれることなら聞くよ」
優しく促してくれる二人にほっとしたように笑った恋歌は、ローとベポの方を向いて頷き合った。
「先に言っとくが、恋歌の話を聞いても騒ぐなよ」
「えー、なんかそんなこと言われると余計にどきどきする…」
ローが先に忠告をしてくれている間に、恋歌が二人に伝えたいことをノートに書き始めた。
シャチとペンギンは、それが書き終るのを緊張した面持ちで待っている。
ノートに書かれた文字はたった一文。
≪わたし魔女なの≫
シャチとペンギンは何度か紙を確認して、二人で顔を見合わせて首を傾げた。
「ま、魔女…?」
「あの物語とかに出てくる…?」
「恋歌が?」
確認するようにローとベポの方を見ると、二人に本当だと頷かれた。
「まじか!!」
「ま、魔法見たい!!」
「うるせぇって!」
ローの予想通りに興奮した二人は恋歌に魔法を見せてくれと大きな声でせがんだ。
それにローが注意をして、二人を落ち着かせると、最初ローに見せたように収納の魔法を見せると、目をきらきらさせて何かを言いたそうに口をもごもごさせている。
≪どうしたの?≫
「見せて欲しい魔法があるんだろ」
「い、言っていいか!?」
≪できる事とできない事があるけど、それでもよければ≫
ぱぁっと顔を輝かせた二人はまたローに怒られないように、肩を組んで小声で話し始めた。
しばらくして見せてもらいたい魔法が決まったのか、ずいっと恋歌に顔を近づけた。
「魔女って聞いたらさ、箒で空を飛んでるイメージあるんだけど、もしかして恋歌も空が飛べたりするのか?」
悪魔の実の能力者でもなければ普通は空は飛べない。
それに少年が憧れを持つのは当然の事だった。
そのペンギンの問いに、何かを思い出したように手を叩いた恋歌は、立ち上がって自分の足元に魔方陣を展開させた。
「ま、魔方陣もかっけぇ…」
恋歌が手を出せば、魔方陣の中から箒が現れた。
「「「おお!!」」」
思わずベポまで声を出してしまったようで、興味津々な顔で近づいてきた。
ローも初めての魔法が気になっているのか、見やすい場所に移動している。
「こ、これが魔女の箒…!」
「これで空が飛べるのか!?」
≪わたしはあんまり得意じゃないし、空を飛びたいって思った事あんまりないから忘れてた≫
「「「もったいない!!」」」
恋歌が持っている箒は、恋歌の身長より長く、持ち手の先に星のチャームのようなものがついている。
「触ってもいいか…?」
どうぞ、と箒を差し出せば、おそるおそる箒に触り始めて、気分を味わいたいのか跨ったりして盛り上がっている。
「お、俺たちでも空は飛べるのか?」
≪魔女じゃないと無理だけどちょっとだけなら…≫
人差し指を箒に向けると、箒の下に魔方陣が浮かび上がった。
「え!!」
ぶわっと風が吹いて、箒に跨っていたシャチの足が地面から離れた。
「「おおー!!シャチが飛んだ!!」」
ペンギンとベポが興奮したようにシャチの周りを駆け回り、ローはぽかんとした顔をしている。
『(限界…)』
浮遊時間は数秒程度。
高度もベポより少し高い程度しか出ず、適正の低い浮遊の魔法と風の魔法は、魔力が少ない恋歌が長く続けることは難しかった。
『(ふぅ…)』
興奮している3人に疲れたように息をはいた恋歌は、自分の魔力の無さに少し不甲斐なくなった。
「大丈夫か?」
息をはいているのを見たローが、心配して声をかけてくれるが、それに対しては大丈夫だと手を振って応えた。
恋歌の様子を見て、自分たちも浮かせてほしかったペンギンとベポだったが、そのわがままを言うのはぐっとこらえた。
『(あと何年…このままでいられるのかな…)』
魔女であるということを簡単に受け入れてくれる優しい人たちに心からの感謝と…すべてを話せない事を心から申し訳なくなった。