「結局さ、あの2人っていいコンビだよな」

夕食後に風呂に行った恋歌、ベポ、シリウスがいない食堂で、ロー、ペンギン、シャチがまったりとした時間を過ごしていた。

「あの2人って、恋歌とシリウス？」

「そうそう

まぁシリウスが聞き分けない時あるけど、知識の多さではさすがだなって思うし」

「たしかにな」

恋歌の知らない事を当然のように知っているシリウスに、関心さえする時がある。

「ただの食い意地張った犬になりかけてるけどな」

「それはそれで可愛いからいいだろ」

「見た目に騙されすぎなんだよ」

「結局、キャプテンだって可愛いって思ってるってことじゃん」

見た目に騙されている、ということはローもシリウスの事を可愛いと思っているから、忠告をしているということ。

にやにやと笑っていると、鬼哭で頭を殴られた。

「いてて…あ、あとキャプテン

恋歌のことなんだけど」

「あ？」

「ちょっと相談があって…」

シャチが今日の事や、先日絡まれた事も踏まえて、考えていたことがあると、ローとペンギンに相談すると、ローはしばらく考えた後、不機嫌そうに帽子を目深にかぶった。

「…まだいいだろ」

「んー、いい案だと思うんだけどなー」

「だな

恋歌もずっとこのままっていうわけにもいかねぇし、海賊になって1年以上経つ

強くもなったし、そろそろ練習でいいんじゃねぇか？」

「…考えとく」

どうしても頷くことができないローは、ちゃんとした返事はしなかった。






その頃の脱衣所。

「さっぱりしたー」

『(んー、やっぱり…)』

ベポががしがしと全身を拭いている横で、着替えている恋歌は、一瞬着替える手を止めてじっと自分の身体を見下ろした。

「どうかした？」

『ううん、大したことじゃないよ』

きっちりとパジャマを着て、ぷるぷると水気を飛ばすために震えているシリウスを、恋歌がタオルで水気をとってやる。

「明日さっき言ってた緑の魔法の練習もするか？」

『うん』

可愛い相棒で、先生でもあるシリウスが、ふわふわに仕上がった後、全員で食堂に戻った。