生きる世界の違い
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一足先に自室に戻ったローは、恋歌にバレないようにこっそり買った星の魔女の絵本を読んでいた。
「(これが…星の魔女の認識か…)」
子供向けの絵本の為、すぐに読み終える事ができたが、内容は自分が知っている星の魔女の情報とはかけ離れたものだった。
読んでいて気持ちのいいものでもなかったため、恋歌に見つかる前に捨ててしまおうかと思い、本を閉じた直後、扉になにかがぶつかる音がした。
何がぶつかったのかと扉を開け、足元ぐらいまで視線を下げると、俯いたシリウスがちょこん、と扉の前に座っている。
「…なにか用か」
自分から来るとは思っていなかったが、今日途中から様子のおかしかったシリウスを無下にすることもできない。
扉が開いて無言のままとことこと部屋に入ってくるシリウスにため息をついて、扉を閉めローはソファにどかっ、と腰を下ろす。
ローからは特に話すことはないので、今日仕入れた医学書を手に取り表紙を開いた。
ぴょん、とソファに飛び乗り、ローの横で小さく吠えた。
それに視線だけを向けると、シリウスがぎりっと歯を食いしばって、ローに向かって声をかける。
「聞きたいことがある」
「…なんだ」
「今日の事だ
今の世界のこと…聞いておきたい」
「まぁいい、おれも聞きたいことがある」
ぱたん、と開けたばかりの医学書を閉じると、今日買った星の魔女の絵本をシリウスに見せた。
「この本は今日の島で買ったものだ
中は子ども向けの内容だが、内容がおれが知ってる星の魔女と違う
お前なら、知ってることがあるんじゃねぇかと思ってな」
「絵本…?」
絵本の中をシリウスにも見えるようにして、まずはここだと本を置いた。
「星の魔女の容姿は恋歌のようなものだと思ってた
恋歌からも魔法の適正によって髪と目の色が変わるって聞いてたんだがな
黒髪黒目だとどんな適性がある」
じっと目の前の絵本に視線を向け、前足を乗せる。
「正確に言えば…黒髪黒目の星の魔女はいる
ただ、それは…普通の星の魔女ではなく、罪を犯した星の魔女の姿だ」
「罪を犯した魔女…?」
「ああ、純粋な星の魔女は恋歌の用に銀髪に黒目だ
星の魔女の銀髪は星の輝きを表していて、あの美しい髪も星に好かれてる
目は…まぁ例外もあるが基本的には黒
けど、罪を犯した魔女は星に嫌われ、髪の色が銀から黒に変わる」
「罪ってのはなんだ」
「魔法には禁忌がある
それを犯した魔女は例外なく星から嫌われる
星の魔女の禁忌は…人間を…生き返らせることだ」
「!!」
急に人智を超えた話をされ、ローは驚きのあまり持っていた医学書を落した。
「人の命は例外なく星になる
星の魔女は星の力を借りて魔法を使うから…星になる前の魂を、他の器に移す事の出来る魔法があると聞く」
「他の器、ってのはなんだ」
「…元の身体は生体機能が停止しているから、それ以外の器を用意する必要がある
この場合、ほとんどが生きた人間だ
星の魔女なら人間の身体に入ってる魂の入れ替えは…おそらくできる」
「なるほどな…」
シリウスの説明で絵本の魔女が禁忌を犯した魔女の姿という事を理解した。
しかし、今日の恋歌の様子では、この姿がもとは星の魔女ということには気づいていないようだった。
物語は黒髪黒目の魔女が不思議な薬を作ったり、箒で空を飛んだりという、星の魔女でなくともできる日常のようなものが描かれたお話。
たしかに星の魔法を使っている描写はなかった。
「あの歳で、他の魔女が近くにいないなら知らねぇのも当然だ
だが、あれだけの魔女の本を持っているなら、そのうちそういう記述のある本はあるかもな」
「そうか…
こうなった星の魔女はどうなるんだ」
「星に嫌われた星の魔女は、胸から紋章が消え、星の魔法が使えなくなる
空を飛んだりするのは、星の魔法じゃないから普通に使えるがな」
「(となると、この話は事実を元に作られた話か…
これからは魔女の絵本も探した方がいいかも知れねぇな…)」
恋歌の事を知るために、魔女にしか読めない本を集めているが、ローに読める本は1冊もない。
だが、こういう絵本であれば、この世界の言葉にされている為、今後は星の魔女に詳しいシリウスに聞けば、理解出来る事が増えるかもしれないと考えた。
「おれからも聞きたいことがある」
「ああ、そうだったな」
シリウスも話があったんだったと、視線を向ければ、器用に前足で絵本を閉じた。
「(これが…星の魔女の認識か…)」
子供向けの絵本の為、すぐに読み終える事ができたが、内容は自分が知っている星の魔女の情報とはかけ離れたものだった。
読んでいて気持ちのいいものでもなかったため、恋歌に見つかる前に捨ててしまおうかと思い、本を閉じた直後、扉になにかがぶつかる音がした。
何がぶつかったのかと扉を開け、足元ぐらいまで視線を下げると、俯いたシリウスがちょこん、と扉の前に座っている。
「…なにか用か」
自分から来るとは思っていなかったが、今日途中から様子のおかしかったシリウスを無下にすることもできない。
扉が開いて無言のままとことこと部屋に入ってくるシリウスにため息をついて、扉を閉めローはソファにどかっ、と腰を下ろす。
ローからは特に話すことはないので、今日仕入れた医学書を手に取り表紙を開いた。
ぴょん、とソファに飛び乗り、ローの横で小さく吠えた。
それに視線だけを向けると、シリウスがぎりっと歯を食いしばって、ローに向かって声をかける。
「聞きたいことがある」
「…なんだ」
「今日の事だ
今の世界のこと…聞いておきたい」
「まぁいい、おれも聞きたいことがある」
ぱたん、と開けたばかりの医学書を閉じると、今日買った星の魔女の絵本をシリウスに見せた。
「この本は今日の島で買ったものだ
中は子ども向けの内容だが、内容がおれが知ってる星の魔女と違う
お前なら、知ってることがあるんじゃねぇかと思ってな」
「絵本…?」
絵本の中をシリウスにも見えるようにして、まずはここだと本を置いた。
「星の魔女の容姿は恋歌のようなものだと思ってた
恋歌からも魔法の適正によって髪と目の色が変わるって聞いてたんだがな
黒髪黒目だとどんな適性がある」
じっと目の前の絵本に視線を向け、前足を乗せる。
「正確に言えば…黒髪黒目の星の魔女はいる
ただ、それは…普通の星の魔女ではなく、罪を犯した星の魔女の姿だ」
「罪を犯した魔女…?」
「ああ、純粋な星の魔女は恋歌の用に銀髪に黒目だ
星の魔女の銀髪は星の輝きを表していて、あの美しい髪も星に好かれてる
目は…まぁ例外もあるが基本的には黒
けど、罪を犯した魔女は星に嫌われ、髪の色が銀から黒に変わる」
「罪ってのはなんだ」
「魔法には禁忌がある
それを犯した魔女は例外なく星から嫌われる
星の魔女の禁忌は…人間を…生き返らせることだ」
「!!」
急に人智を超えた話をされ、ローは驚きのあまり持っていた医学書を落した。
「人の命は例外なく星になる
星の魔女は星の力を借りて魔法を使うから…星になる前の魂を、他の器に移す事の出来る魔法があると聞く」
「他の器、ってのはなんだ」
「…元の身体は生体機能が停止しているから、それ以外の器を用意する必要がある
この場合、ほとんどが生きた人間だ
星の魔女なら人間の身体に入ってる魂の入れ替えは…おそらくできる」
「なるほどな…」
シリウスの説明で絵本の魔女が禁忌を犯した魔女の姿という事を理解した。
しかし、今日の恋歌の様子では、この姿がもとは星の魔女ということには気づいていないようだった。
物語は黒髪黒目の魔女が不思議な薬を作ったり、箒で空を飛んだりという、星の魔女でなくともできる日常のようなものが描かれたお話。
たしかに星の魔法を使っている描写はなかった。
「あの歳で、他の魔女が近くにいないなら知らねぇのも当然だ
だが、あれだけの魔女の本を持っているなら、そのうちそういう記述のある本はあるかもな」
「そうか…
こうなった星の魔女はどうなるんだ」
「星に嫌われた星の魔女は、胸から紋章が消え、星の魔法が使えなくなる
空を飛んだりするのは、星の魔法じゃないから普通に使えるがな」
「(となると、この話は事実を元に作られた話か…
これからは魔女の絵本も探した方がいいかも知れねぇな…)」
恋歌の事を知るために、魔女にしか読めない本を集めているが、ローに読める本は1冊もない。
だが、こういう絵本であれば、この世界の言葉にされている為、今後は星の魔女に詳しいシリウスに聞けば、理解出来る事が増えるかもしれないと考えた。
「おれからも聞きたいことがある」
「ああ、そうだったな」
シリウスも話があったんだったと、視線を向ければ、器用に前足で絵本を閉じた。