生きる世界の違い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「よし、一通り食糧は買えたかな」
買い物リストを確認しながら、買い忘れはないかをチェックしたペンギンは、きょろきょろと周りを見渡して、恋歌を人気のない方へ連れて行く。
「悪いけどいつもの頼む」
恋歌が買い出し組に選ばれるのは収納魔法が使えるから。
次の島に何日でたどり着けるかわからない為、保存のきく食糧はあるに越したことはない。
ただ、一回に持つことのできる量は限られている為、最近では恋歌の魔法でたくさんの荷物を持ってもらう事が多くなった。
いつもはローが傍にいる為、恋歌の事はローに任せているのだが、今日はローがいないため、恋歌と手を繋ぐと片手が塞がる。
浴びたくもない妬みの視線が常にあり、精神的に疲れてきている。
「(それに…さっきの視線はやばいやつだな)」
妬みの視線を向けてきているのはほとんどが一般人ではあったが、その中に何回か危険な視線が混じっていた。
おそらく恋歌はそれに気づいていないが、今のところ襲ってくる気配はなかった。
「(おれが恋歌の傍にいれば大丈夫だろ)
じゃあ次はベポの買い物だな」
≪うん≫
一度離した手を繋ぎ直した2人はベポに頼まれたものを買いに行くために文具屋へ。
ベポが頼んだものは海図を描く紙や、羽ペンのインク。
≪わたしもノートとか見ててもいい?≫
「ああ、店の中にはいてくれよ」
≪わかった≫
あまり広くない店内なら大丈夫だろうとペンギンと別行動をし、勉強の時に使うノートやペンなどを見ることにした。
『(そういえばシリウスがずっとおとなしい…)』
ローと別れてからシリウスはずっとおとなしく恋歌の肩の上に乗っているだけ。
なにかを考えているのか、可愛い顔をしているのに、眉間に皺が寄っている。
≪どうしたの?≫
「恋歌…ひとつ聞きたいんだが…」
頭を撫でてやれば、くりっとした目を向けてくるシリウスの言葉を待っていると、ふっ、とシリウスが目の前から消えた。
『……』
「な、なんだこいつら!離せ!!」
「黙ってろ」
シリウスが目の前から消えたのは、いつのまにか背後に立っていた男に、首根っこを掴まれて持ち上げられたからだった。
吠えようとするシリウスの口を大きな手で覆い、声を出せないようにしたところで、くいっと首で着いて来いと指示を出される。
『(ロー…はどこにいるかわからない…
ペンギンにだけでも伝われば…)』
男が背中を向けた瞬間に背中に手を回して魔法を発動させた。
気づいてくれることを祈って恋歌は男の背中を追いかけた。
男は人気の少ない道を選んで歩いていき、たどり着いたのは薄暗い路地。
『(少なくとも10人…もっといるか…)』
周りを囲まれているとわかり警戒するが、1人で倒せるような人数ではない。
「あんた、こんな犬っころ一匹の為にのこのこついてきて、何されるかわかってんだろうな?」
シリウスを捕まえている男はにやっと笑って周りに合図を出す。
その合図でぞろぞろと現れた男たちも、気持ちの悪い笑みを浮かべながら武器を構えている。
はぁ、とため息をついて持っている紙に”どうしたらその子を返してくれる?”と書くと、男は一瞬きょとんとした後、がっかりしたように肩を落とした。
「なんだあんた声出せないのか
いったいどんないい声で啼いてくれるのかと思ったのによ」
先ほどの質問に答えないので、”答えて”と書いた紙を出せば、にやっと笑った男がぽいっとシリウスを恋歌の方に投げた。
買い物リストを確認しながら、買い忘れはないかをチェックしたペンギンは、きょろきょろと周りを見渡して、恋歌を人気のない方へ連れて行く。
「悪いけどいつもの頼む」
恋歌が買い出し組に選ばれるのは収納魔法が使えるから。
次の島に何日でたどり着けるかわからない為、保存のきく食糧はあるに越したことはない。
ただ、一回に持つことのできる量は限られている為、最近では恋歌の魔法でたくさんの荷物を持ってもらう事が多くなった。
いつもはローが傍にいる為、恋歌の事はローに任せているのだが、今日はローがいないため、恋歌と手を繋ぐと片手が塞がる。
浴びたくもない妬みの視線が常にあり、精神的に疲れてきている。
「(それに…さっきの視線はやばいやつだな)」
妬みの視線を向けてきているのはほとんどが一般人ではあったが、その中に何回か危険な視線が混じっていた。
おそらく恋歌はそれに気づいていないが、今のところ襲ってくる気配はなかった。
「(おれが恋歌の傍にいれば大丈夫だろ)
じゃあ次はベポの買い物だな」
≪うん≫
一度離した手を繋ぎ直した2人はベポに頼まれたものを買いに行くために文具屋へ。
ベポが頼んだものは海図を描く紙や、羽ペンのインク。
≪わたしもノートとか見ててもいい?≫
「ああ、店の中にはいてくれよ」
≪わかった≫
あまり広くない店内なら大丈夫だろうとペンギンと別行動をし、勉強の時に使うノートやペンなどを見ることにした。
『(そういえばシリウスがずっとおとなしい…)』
ローと別れてからシリウスはずっとおとなしく恋歌の肩の上に乗っているだけ。
なにかを考えているのか、可愛い顔をしているのに、眉間に皺が寄っている。
≪どうしたの?≫
「恋歌…ひとつ聞きたいんだが…」
頭を撫でてやれば、くりっとした目を向けてくるシリウスの言葉を待っていると、ふっ、とシリウスが目の前から消えた。
『……』
「な、なんだこいつら!離せ!!」
「黙ってろ」
シリウスが目の前から消えたのは、いつのまにか背後に立っていた男に、首根っこを掴まれて持ち上げられたからだった。
吠えようとするシリウスの口を大きな手で覆い、声を出せないようにしたところで、くいっと首で着いて来いと指示を出される。
『(ロー…はどこにいるかわからない…
ペンギンにだけでも伝われば…)』
男が背中を向けた瞬間に背中に手を回して魔法を発動させた。
気づいてくれることを祈って恋歌は男の背中を追いかけた。
男は人気の少ない道を選んで歩いていき、たどり着いたのは薄暗い路地。
『(少なくとも10人…もっといるか…)』
周りを囲まれているとわかり警戒するが、1人で倒せるような人数ではない。
「あんた、こんな犬っころ一匹の為にのこのこついてきて、何されるかわかってんだろうな?」
シリウスを捕まえている男はにやっと笑って周りに合図を出す。
その合図でぞろぞろと現れた男たちも、気持ちの悪い笑みを浮かべながら武器を構えている。
はぁ、とため息をついて持っている紙に”どうしたらその子を返してくれる?”と書くと、男は一瞬きょとんとした後、がっかりしたように肩を落とした。
「なんだあんた声出せないのか
いったいどんないい声で啼いてくれるのかと思ったのによ」
先ほどの質問に答えないので、”答えて”と書いた紙を出せば、にやっと笑った男がぽいっとシリウスを恋歌の方に投げた。