出会いから出航まで
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次の日の朝。
目を覚ましたベポが先に目を覚ましているローと恋歌を見て、わんわん泣きながら抱き着いてきた。
よっぽど倒れた二人が心配だったらしい。
「おれっ、おれ…
二人が倒れるぐらい頑張ってるのに…何もできなくて…!ごめん…!」
「何言ってんだ
お前は俺の助手としてオペの手伝いをしてくれたじゃねぇか
初めてにしちゃ上出来だったぜ」
ぽんぽんと抱きしめている二人から慰められるように背中を叩かれ、しばらくして泣き止んだベポは二人から離れた。
心配してくれる優しいベポに感謝をして、恋歌がベポの頭を撫でてやると嬉しそうに笑う。
「恋歌のあの時のあれは…魔法…?」
≪うん、そうだよ≫
「そういや俺も気になってたんだが、お前大した魔法使えないって言ってなかったか?」
≪あれは…星の力を借りたの≫
「星の力…?」
時を止めるという魔法はすごい魔法なのだと思ったが、以前恋歌は大した魔法は使えないと言っていた。
自分たちの基準とは違うのかとこれも純粋な疑問だった。
ノートを取り出した恋歌は、さらさらと文字を書いていく。
≪とけい座っていう星座があってね
その星に力を借りて、少しの間あの空間の時間を止めたの≫
「これをするために魔力ってのが必要になるわけか」
≪そうだね
魔力の量が多い人なら空間を広げたり、止められる時間を増やしたりできるんだけど、わたしはヴォルフの家のリビングを1時間止めるのが精いっぱい≫
「それは…すごくないのか?」
≪わたしが知ってる中じゃ、島ひとつを数か月間時間を止められる人がいたらしいけど…
伝説の人らしくてどこにいるのか、生きてるのかもわからない≫
「な、なんだそいつ…」
規格外すぎる力にそんな魔女が本当にいるのかと、ごくりと唾を飲み込んだ。
魔女の存在すらあまり世間に知れ渡っていない中、恋歌の魔法でも充分価値がある様に思える。
≪一度会ってみたいけどなぁ≫
魔法の使い方を教えてもらう事が出来れば、もっと役に立つ魔法が使えるようになるかもしれない。
ローやベポにはわからないかもしれないが、星魔法の適正がある恋歌が、あの程度の時間と空間しか時間を止められないのは才能がないとしかいいようがない。
武術の才能がないことも、ローを見ていればわかる。
元々ヴォルフに護身術程度の戦い方しか教えてもらってないが、それすらも覚えるのに時間がかかった。
魔力の総量はローの方が何倍も多い。
『(いいなぁ…)』
「ん?」
魔法を使わない人たちの中にも潜在的に魔力が高い者たちがいる事は知っている。
今までにも何人も出会ってきた。
だが、それは魔女として生まれて、魔法を使う事で戦う恋歌にとっては、羨ましいと思わざるを得ない。
じっと見つめてくる恋歌にどうかしたのかと首を傾げているローに、何でもないと首を振って、その考えを振り払った。
ローが手術した二人が目を覚ましたのは、手術をした日から4日経った後。
キャスケット帽をかぶった少年は体力の消耗が激しいが、軽いものから食べて体力を戻せば大丈夫というローの診断。
それよりも問題なのはペンギン帽の少年の方。
「…今から包帯を取る
それで腕や指が動かせるか、確認するぞ」
「お、おう」
ローの手がペンギン帽の少年の包帯を解いていく。
見た目にはちゃんとつながっているように見えるが、動かせるかどうかは別問題。
『(ローはすごいお医者さんなんだから、きっと大丈夫…)』
どきどきといつもよりうるさい心臓のせいで呼吸がしにくいが、全員が同じような面持ちで息をのむ。
ローに言われてペンギン帽の少年がゆっくりと指を動かしていくと、五本指全てが正常に動き、腕の屈折もスムーズだった。
「うおおおおおおおん!!よがった!
よがっだなあっ!!」
恋歌もベポにつられたのか泣きながらペンギン帽の少年に抱き着いている。
助けられた二人の少年も顔をぐちゃぐちゃにしながら涙を流し、ありがとうとお礼を言う。
「別に単なる気まぐれだ…
おっ…」
感極まった恋歌はペンギン帽の少年から離れて、一番の功労者であるローにぎゅっと抱き着いた。
『(すごい…本当にすごい…)』
人の命を助け、ちぎれた腕をもとに戻せる素晴らしい医者。
自分の力も役に立てたのかと…少しだけ思わせてくれた。
恋歌に抱き着かれたローは、照れくさそうにしながらも、恋歌の背中をぽんぽんと叩いてやる。
目を覚ましたベポが先に目を覚ましているローと恋歌を見て、わんわん泣きながら抱き着いてきた。
よっぽど倒れた二人が心配だったらしい。
「おれっ、おれ…
二人が倒れるぐらい頑張ってるのに…何もできなくて…!ごめん…!」
「何言ってんだ
お前は俺の助手としてオペの手伝いをしてくれたじゃねぇか
初めてにしちゃ上出来だったぜ」
ぽんぽんと抱きしめている二人から慰められるように背中を叩かれ、しばらくして泣き止んだベポは二人から離れた。
心配してくれる優しいベポに感謝をして、恋歌がベポの頭を撫でてやると嬉しそうに笑う。
「恋歌のあの時のあれは…魔法…?」
≪うん、そうだよ≫
「そういや俺も気になってたんだが、お前大した魔法使えないって言ってなかったか?」
≪あれは…星の力を借りたの≫
「星の力…?」
時を止めるという魔法はすごい魔法なのだと思ったが、以前恋歌は大した魔法は使えないと言っていた。
自分たちの基準とは違うのかとこれも純粋な疑問だった。
ノートを取り出した恋歌は、さらさらと文字を書いていく。
≪とけい座っていう星座があってね
その星に力を借りて、少しの間あの空間の時間を止めたの≫
「これをするために魔力ってのが必要になるわけか」
≪そうだね
魔力の量が多い人なら空間を広げたり、止められる時間を増やしたりできるんだけど、わたしはヴォルフの家のリビングを1時間止めるのが精いっぱい≫
「それは…すごくないのか?」
≪わたしが知ってる中じゃ、島ひとつを数か月間時間を止められる人がいたらしいけど…
伝説の人らしくてどこにいるのか、生きてるのかもわからない≫
「な、なんだそいつ…」
規格外すぎる力にそんな魔女が本当にいるのかと、ごくりと唾を飲み込んだ。
魔女の存在すらあまり世間に知れ渡っていない中、恋歌の魔法でも充分価値がある様に思える。
≪一度会ってみたいけどなぁ≫
魔法の使い方を教えてもらう事が出来れば、もっと役に立つ魔法が使えるようになるかもしれない。
ローやベポにはわからないかもしれないが、星魔法の適正がある恋歌が、あの程度の時間と空間しか時間を止められないのは才能がないとしかいいようがない。
武術の才能がないことも、ローを見ていればわかる。
元々ヴォルフに護身術程度の戦い方しか教えてもらってないが、それすらも覚えるのに時間がかかった。
魔力の総量はローの方が何倍も多い。
『(いいなぁ…)』
「ん?」
魔法を使わない人たちの中にも潜在的に魔力が高い者たちがいる事は知っている。
今までにも何人も出会ってきた。
だが、それは魔女として生まれて、魔法を使う事で戦う恋歌にとっては、羨ましいと思わざるを得ない。
じっと見つめてくる恋歌にどうかしたのかと首を傾げているローに、何でもないと首を振って、その考えを振り払った。
ローが手術した二人が目を覚ましたのは、手術をした日から4日経った後。
キャスケット帽をかぶった少年は体力の消耗が激しいが、軽いものから食べて体力を戻せば大丈夫というローの診断。
それよりも問題なのはペンギン帽の少年の方。
「…今から包帯を取る
それで腕や指が動かせるか、確認するぞ」
「お、おう」
ローの手がペンギン帽の少年の包帯を解いていく。
見た目にはちゃんとつながっているように見えるが、動かせるかどうかは別問題。
『(ローはすごいお医者さんなんだから、きっと大丈夫…)』
どきどきといつもよりうるさい心臓のせいで呼吸がしにくいが、全員が同じような面持ちで息をのむ。
ローに言われてペンギン帽の少年がゆっくりと指を動かしていくと、五本指全てが正常に動き、腕の屈折もスムーズだった。
「うおおおおおおおん!!よがった!
よがっだなあっ!!」
恋歌もベポにつられたのか泣きながらペンギン帽の少年に抱き着いている。
助けられた二人の少年も顔をぐちゃぐちゃにしながら涙を流し、ありがとうとお礼を言う。
「別に単なる気まぐれだ…
おっ…」
感極まった恋歌はペンギン帽の少年から離れて、一番の功労者であるローにぎゅっと抱き着いた。
『(すごい…本当にすごい…)』
人の命を助け、ちぎれた腕をもとに戻せる素晴らしい医者。
自分の力も役に立てたのかと…少しだけ思わせてくれた。
恋歌に抱き着かれたローは、照れくさそうにしながらも、恋歌の背中をぽんぽんと叩いてやる。