出会いから出航まで
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それから何時間が経っただろうか、オペは終盤に差し掛かっているが、初めての大手術に先に精神がまいってしまいそうだった。
「恋歌!」
「だ、大丈夫なの?」
意識が飛びかかっていたところでヴォルフとベポの騒ぎ方で恋歌が目を覚ました事を知った。
おそらく大丈夫だと言っているとは思うが、声が聞こえないという事がこんなにも不安に思ったことはない。
「(今はこっちに集中しろ…
恋歌は大丈夫だ…!)」
ふらつく足を踏ん張り、最後の神経を繋ぎ合わせ、腕そのものを縫い合わせた瞬間、力尽きたように後ろに倒れ込んだ。
床にたたきつけられると思って衝撃に備えたが、それより先に柔らかい何かに支えられ、耐えきれなかったのかゆっくりと床に一緒に下がって行った。
「恋歌…」
受け止めてくれたのは恋歌の様で、ひざの上に頭を乗せるように横たわらせてくれている。
優しく笑ってくれる恋歌に労われているような感じがして、恋歌が無事な事にほっとしたローはゆっくりと目を閉じた。
「…輸血用の針が外れないよう、見てやってくれ…
ちっとばかり、疲れた…
すぐに、起きる、から…」
その言葉に返事をするように手を握られて、それに安心したローは意識を手放した。
ローが目を覚ますと既に部屋は暗くなっており、夜は更けてしまっていた。
肩に重みを感じて視線を向けると恋歌が自分にもたれかかって眠っている。
一緒に一つの布団にまとめてくるまれている為、動けば恋歌も起こしてしまうかもしれない。
「(そういや恋歌も倒れてたな…)」
魔法を使うということがどれだけ体に負担がかかる事なのかわからないが、見たところ顔色も悪くなさそうで、呼吸も安定している。
手術をした二人の容体が気になる為、可能な限りそっと抜け出そうとしたが、抜け出す途中で恋歌が自分の服を掴んでいる事に気づき、仕方なく恋歌を起こす事にした。
「恋歌、ここじゃ風邪をひく
ちゃんとベッドで寝てこい」
起こすついでにちゃんとした場所で寝るように伝えると、眠そうな目をこすりながら目を覚ました。
最初は寝ぼけていた恋歌だったが、ローが起きているとわかった瞬間目を見開いて、ローの両頬を掴んでひっぱった。
「な、なんだ…?」
顔が至近距離にきたので少し恥ずかしくはあったが、真剣な顔をしている恋歌の好きにさせていると、しばらくして満足したのか、ほっとしたような顔になって手を離した。
倒れてしまった自分を気遣ってくれているとわかったが、同じく恋歌も倒れていたことを思い出して、今度はローが恋歌の両頬を掴んで自分の方に向かせた。
「恋歌は?体調はどうだ?」
一瞬びっくりしたような顔をした恋歌だったが、すぐに笑って頷いた。
「そうか
あいつらも見てくる」
麻酔が良く効いている二人はまだ眠り続けている。
ローが注射器を取り出して何かを二人に注射していく。
「ロー、ガキどもの具合はどうだ」
「じいさん、起きてたのか」
「ふん、わしの家で死人がでたらと思うと落ち着かなくてな」
「大丈夫だよ、おれのオペは完璧だ
あとは、感染症とかに注意しておけば問題ない」
「そうか…よかった」
ローの言葉に安堵したように笑うヴォルフに、ローが不思議そうな顔をする。
「よかった?へぇ、珍しい台詞を吐くじゃねえか
あんたが得することは、何もないのに」
「…子どもの命が助かったのなら、それは充分な見返りじゃろう」
そう言って照れ隠しをするヴォルフに、素直じゃないなとまたローと恋歌が嬉しそうに笑った。
「一応恋歌も診てやる」
ヴォルフが寝ると言って部屋に戻った後、ローは念のためと言って診察をしてくれることになった。
≪ローはもう大丈夫なの?≫
「ああ、寝たら回復した」
熱はないかと額に手を当てて体温を確認し、熱がない事を確認する。
「倒れた原因わかるか?」
≪うん、魔力の使い過ぎだね
わたしも寝たら魔力戻ったし大丈夫だよ≫
元気だと握りこぶしをつくってアピールしているのを見て、ローはほっとしたように息をはいた。
「けど…それは俺の専門外だな
時間を止めるなんて…大変な事だよな…」
≪止める時間の長さによるかな…≫
「てことは…もっと長い間時間を止めていたら倒れるより酷いことになるのか?」
≪うん…わたしの魔力量は少ないから…
でも…いいんだ
今回はローの役に立てた
それだけで嬉しいから≫
「ああ、あの1時間が無けりゃどうなってたかわからねぇ
礼を言う」
ぐりぐりと頭を撫でてやれば嬉しそうに笑う恋歌を見て、心臓に少し違和感を感じたが気にしない様にして、眠る事にした。
「恋歌!」
「だ、大丈夫なの?」
意識が飛びかかっていたところでヴォルフとベポの騒ぎ方で恋歌が目を覚ました事を知った。
おそらく大丈夫だと言っているとは思うが、声が聞こえないという事がこんなにも不安に思ったことはない。
「(今はこっちに集中しろ…
恋歌は大丈夫だ…!)」
ふらつく足を踏ん張り、最後の神経を繋ぎ合わせ、腕そのものを縫い合わせた瞬間、力尽きたように後ろに倒れ込んだ。
床にたたきつけられると思って衝撃に備えたが、それより先に柔らかい何かに支えられ、耐えきれなかったのかゆっくりと床に一緒に下がって行った。
「恋歌…」
受け止めてくれたのは恋歌の様で、ひざの上に頭を乗せるように横たわらせてくれている。
優しく笑ってくれる恋歌に労われているような感じがして、恋歌が無事な事にほっとしたローはゆっくりと目を閉じた。
「…輸血用の針が外れないよう、見てやってくれ…
ちっとばかり、疲れた…
すぐに、起きる、から…」
その言葉に返事をするように手を握られて、それに安心したローは意識を手放した。
ローが目を覚ますと既に部屋は暗くなっており、夜は更けてしまっていた。
肩に重みを感じて視線を向けると恋歌が自分にもたれかかって眠っている。
一緒に一つの布団にまとめてくるまれている為、動けば恋歌も起こしてしまうかもしれない。
「(そういや恋歌も倒れてたな…)」
魔法を使うということがどれだけ体に負担がかかる事なのかわからないが、見たところ顔色も悪くなさそうで、呼吸も安定している。
手術をした二人の容体が気になる為、可能な限りそっと抜け出そうとしたが、抜け出す途中で恋歌が自分の服を掴んでいる事に気づき、仕方なく恋歌を起こす事にした。
「恋歌、ここじゃ風邪をひく
ちゃんとベッドで寝てこい」
起こすついでにちゃんとした場所で寝るように伝えると、眠そうな目をこすりながら目を覚ました。
最初は寝ぼけていた恋歌だったが、ローが起きているとわかった瞬間目を見開いて、ローの両頬を掴んでひっぱった。
「な、なんだ…?」
顔が至近距離にきたので少し恥ずかしくはあったが、真剣な顔をしている恋歌の好きにさせていると、しばらくして満足したのか、ほっとしたような顔になって手を離した。
倒れてしまった自分を気遣ってくれているとわかったが、同じく恋歌も倒れていたことを思い出して、今度はローが恋歌の両頬を掴んで自分の方に向かせた。
「恋歌は?体調はどうだ?」
一瞬びっくりしたような顔をした恋歌だったが、すぐに笑って頷いた。
「そうか
あいつらも見てくる」
麻酔が良く効いている二人はまだ眠り続けている。
ローが注射器を取り出して何かを二人に注射していく。
「ロー、ガキどもの具合はどうだ」
「じいさん、起きてたのか」
「ふん、わしの家で死人がでたらと思うと落ち着かなくてな」
「大丈夫だよ、おれのオペは完璧だ
あとは、感染症とかに注意しておけば問題ない」
「そうか…よかった」
ローの言葉に安堵したように笑うヴォルフに、ローが不思議そうな顔をする。
「よかった?へぇ、珍しい台詞を吐くじゃねえか
あんたが得することは、何もないのに」
「…子どもの命が助かったのなら、それは充分な見返りじゃろう」
そう言って照れ隠しをするヴォルフに、素直じゃないなとまたローと恋歌が嬉しそうに笑った。
「一応恋歌も診てやる」
ヴォルフが寝ると言って部屋に戻った後、ローは念のためと言って診察をしてくれることになった。
≪ローはもう大丈夫なの?≫
「ああ、寝たら回復した」
熱はないかと額に手を当てて体温を確認し、熱がない事を確認する。
「倒れた原因わかるか?」
≪うん、魔力の使い過ぎだね
わたしも寝たら魔力戻ったし大丈夫だよ≫
元気だと握りこぶしをつくってアピールしているのを見て、ローはほっとしたように息をはいた。
「けど…それは俺の専門外だな
時間を止めるなんて…大変な事だよな…」
≪止める時間の長さによるかな…≫
「てことは…もっと長い間時間を止めていたら倒れるより酷いことになるのか?」
≪うん…わたしの魔力量は少ないから…
でも…いいんだ
今回はローの役に立てた
それだけで嬉しいから≫
「ああ、あの1時間が無けりゃどうなってたかわからねぇ
礼を言う」
ぐりぐりと頭を撫でてやれば嬉しそうに笑う恋歌を見て、心臓に少し違和感を感じたが気にしない様にして、眠る事にした。