弔いの島
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どう話を続けていいのかわからず、3人の間に沈黙が流れる。
『え、っと…それで、あなたは、ここに残る、の?』
恋歌が刀を見つけたのは、声が頭に響いて掘り出してほしいと言われたから。
どうして掘り出してほしいと言われたのかわからないが、思い入れのあるこの島から動きたくないのではと聞いてみると、またしばらくの沈黙が流れる。
「…おい」
恋歌の質問に答えないので、ローが刀をぺしっと叩いた。
「…星の魔女、あんた名前は?」
『恋歌…』
質問には答えなかったが、恋歌の名前を聞くと、何度か恋歌の名前を繰り返し、”よし”と呟いた。
「おれを…この島から連れ出してくれ」
『え…?』
「おれは特殊な刀でな
星の魔女にしか扱えない
それに恋歌、お前のその手、日常的に刀を使っている手だろ」
そう言われて掌を見れば、剣術をローから習う前にはなかった豆だらけの手。
「魔力はあいつには遠く及ばないが、声は一級品
容姿も純粋な美しい星の魔女
おれは運命ってのを信じる
”鬼哭”に認められた男と、星の魔女の組み合わせがこの島に来てくれた事を…あいつが導いてくれた運命だと信じたい」
「鬼哭…こいつに認められたってのはどういうことだ」
「お前も触って分かったろ
そいつはずっと哭き続けてる
それに耐えられる奴はそういない上に、気が狂っちまった奴もいたな
まぁおれは魔女以外の人間がどうなろうとどうでもよかったから見てただけだったけどな」
「…」
じっと自分が持っている鬼哭を見下ろし、”そうか”と呟いた。
「で?恋歌はおれを連れて行ってくれるのか?」
『わ、わたし…魔力も、少ないし…
声もあんまり出せなくて…』
そんなすごい人の星の魔女の相棒だった刀を使う事に引け目を感じている。
もっと適任者がいるのではないかと。
「恋歌はいくつだ」
『15…』
「おれの相棒も出会った時はへなちょこで、魔力も少ない上に魔法も全然使えなくて…星の魔女なのに取り柄が剣術しかない奴だった
あいつが星の魔女として最高の称号を貰えたのは…20の時
だから、恋歌もこれからだ」
この刀にとってかつての相棒だけではなく星の魔女が大事な存在らしく、ローに話す時とは打って変わってかなり優しい口調になっている。
「その星の魔女特有の美しい声は人間に聞かせるにはもったいない
うまく人間の言葉を話せなくてもおれたちは問題ないだろ」
『うん…ありがとう…』
優しい言葉に笑った恋歌は、どろどろのままだった刀をさらにぎゅっと抱きしめ、ローに視線を向けた。
『いい…?』
「…ああ」
短い言葉での確認だったが、理解したローはぽん、と恋歌の頭を撫でてやる。
「なんでこいつの許可が必要なんだ…」
ぶつぶつと不服そうな声を出しているが、ローはそれを気にしていないようで、手を刀から離した。
「他に気になる気配はあるか」
ローの問いにぐるっと森を見渡して、首を横に振ると刀を抱いたままの恋歌の手を強く引き、横抱きにして船の方角へ足を向けた。
『あ、あの…歩ける…』
「転んだんだろ
膝、血が出てる」
恥ずかしいので降ろしてほしいと言ったが、転んだ時に膝を擦りむき、わずかではあるが血が滲んでいる。
膝をぬかるんだ地面につけて刀を掘り起こし、どろどろの刀を抱いているので、服もどろどろ。
「戻ったら消毒と風呂だな」
『うん…』
降ろす気がないローの胸に頭を預けて、刀を落とさないようにしっかりと抱え直した。
『え、っと…それで、あなたは、ここに残る、の?』
恋歌が刀を見つけたのは、声が頭に響いて掘り出してほしいと言われたから。
どうして掘り出してほしいと言われたのかわからないが、思い入れのあるこの島から動きたくないのではと聞いてみると、またしばらくの沈黙が流れる。
「…おい」
恋歌の質問に答えないので、ローが刀をぺしっと叩いた。
「…星の魔女、あんた名前は?」
『恋歌…』
質問には答えなかったが、恋歌の名前を聞くと、何度か恋歌の名前を繰り返し、”よし”と呟いた。
「おれを…この島から連れ出してくれ」
『え…?』
「おれは特殊な刀でな
星の魔女にしか扱えない
それに恋歌、お前のその手、日常的に刀を使っている手だろ」
そう言われて掌を見れば、剣術をローから習う前にはなかった豆だらけの手。
「魔力はあいつには遠く及ばないが、声は一級品
容姿も純粋な美しい星の魔女
おれは運命ってのを信じる
”鬼哭”に認められた男と、星の魔女の組み合わせがこの島に来てくれた事を…あいつが導いてくれた運命だと信じたい」
「鬼哭…こいつに認められたってのはどういうことだ」
「お前も触って分かったろ
そいつはずっと哭き続けてる
それに耐えられる奴はそういない上に、気が狂っちまった奴もいたな
まぁおれは魔女以外の人間がどうなろうとどうでもよかったから見てただけだったけどな」
「…」
じっと自分が持っている鬼哭を見下ろし、”そうか”と呟いた。
「で?恋歌はおれを連れて行ってくれるのか?」
『わ、わたし…魔力も、少ないし…
声もあんまり出せなくて…』
そんなすごい人の星の魔女の相棒だった刀を使う事に引け目を感じている。
もっと適任者がいるのではないかと。
「恋歌はいくつだ」
『15…』
「おれの相棒も出会った時はへなちょこで、魔力も少ない上に魔法も全然使えなくて…星の魔女なのに取り柄が剣術しかない奴だった
あいつが星の魔女として最高の称号を貰えたのは…20の時
だから、恋歌もこれからだ」
この刀にとってかつての相棒だけではなく星の魔女が大事な存在らしく、ローに話す時とは打って変わってかなり優しい口調になっている。
「その星の魔女特有の美しい声は人間に聞かせるにはもったいない
うまく人間の言葉を話せなくてもおれたちは問題ないだろ」
『うん…ありがとう…』
優しい言葉に笑った恋歌は、どろどろのままだった刀をさらにぎゅっと抱きしめ、ローに視線を向けた。
『いい…?』
「…ああ」
短い言葉での確認だったが、理解したローはぽん、と恋歌の頭を撫でてやる。
「なんでこいつの許可が必要なんだ…」
ぶつぶつと不服そうな声を出しているが、ローはそれを気にしていないようで、手を刀から離した。
「他に気になる気配はあるか」
ローの問いにぐるっと森を見渡して、首を横に振ると刀を抱いたままの恋歌の手を強く引き、横抱きにして船の方角へ足を向けた。
『あ、あの…歩ける…』
「転んだんだろ
膝、血が出てる」
恥ずかしいので降ろしてほしいと言ったが、転んだ時に膝を擦りむき、わずかではあるが血が滲んでいる。
膝をぬかるんだ地面につけて刀を掘り起こし、どろどろの刀を抱いているので、服もどろどろ。
「戻ったら消毒と風呂だな」
『うん…』
降ろす気がないローの胸に頭を預けて、刀を落とさないようにしっかりと抱え直した。