弔いの島
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「全ての生き物は死ねば星になる
それはひとつの例外もない
けどな、この世に未練があれば星になるのが遅くなる」
「未練…」
「この島はこの世に未練があり、星になれない魂が集まる場所
お前が持っている刀は、そんな哀れな魂の声が聞こえる妖刀”鬼哭”」
「妖刀…鬼哭…」
自分が握っている刀を見下ろし、自分にしか聞こえない泣き声の事、刀を握った瞬間に感じた背筋が凍るほどの寒気、そしてこの島全体を包み込むほどの嫌な気配すべてに納得がいった。
「(普通はそんなに長時間持てるような刀じゃないんだけどな…)」
≪妖刀って…ローは平気なの?≫
「ああ」
心配するように顔を覗き込んでくる恋歌に、大丈夫だと返したが、念のため恋歌に触らせないように少し遠ざけた。
「で、お前はなんだ
どうして喋れる」
自分の持つ刀の正体はわかったが、喋る事の出来る刀も珍しく、こちらも恋歌に触らせない方がいいのではと、正体を確認する為に問う。
「おれは本当はお前みたいなガキとは喋らねぇんだけどな
久しぶりに星の魔女に会えて機嫌がいいから話してやるよ」
「(なんでこいつ刀の癖にこんなエラそうなんだ…?)」
刀の姿など見えないはずだが、ふんぞり返っている姿が見えそうな気がした。
「元々おれはある星の魔女の刀だった
この島に来たのは…もう何年前か忘れた…
あいつと旅をしていた時は、星の魔女はたくさんいて…たくさんいた星の魔女の中でも、あいつは最高の声と最高の魔力の持ち主だった」
今では知らない人の方が多い魔女の存在が、当たり前であった時代など、数百年以上前の話なのかもしれない。
「そんなあいつの相棒でいられた日々は、最高に楽しかった
けど…人間ってのは魔女も例外なく寿命がある…
おれとあいつが最後にたどり着いたのが、この島だった」
「どうしてこの島に?」
今では木々が鬱蒼と生い茂り、雰囲気も暗く、最後を迎えるにふさわしい島には思えなかった。
「…あいつは星の導きにしたがって最後の島をここに選んだんだ」
「星の…導き…」
それは恋歌の祖母が最後に使った魔法であり、恋歌と出会えたきっかけになった魔法。
「この島にはもともと魂が引き寄せられやすいなにかがあったみたいなんだよ
けど、おれたちがここに来たときはこんな雰囲気じゃなかったんだけどな」
「それで?」
「あいつは星の魔女として、この島にいる魂を連れて死ぬことを選んだ
星の魔女は星に好かれてる分この世にとどまる事は少ない
だから…ここを最後の島に選んだんだ」
「そうか…」
今話している声は刀である為、持ち主である星の魔女が死んだあと、自力でこの島を離れる事は出来なかった。
だが、それはこの島に来る前からわかっていた事であり、この刀も一緒にこの島に来ることを選んだという事なのだろう。
それはひとつの例外もない
けどな、この世に未練があれば星になるのが遅くなる」
「未練…」
「この島はこの世に未練があり、星になれない魂が集まる場所
お前が持っている刀は、そんな哀れな魂の声が聞こえる妖刀”鬼哭”」
「妖刀…鬼哭…」
自分が握っている刀を見下ろし、自分にしか聞こえない泣き声の事、刀を握った瞬間に感じた背筋が凍るほどの寒気、そしてこの島全体を包み込むほどの嫌な気配すべてに納得がいった。
「(普通はそんなに長時間持てるような刀じゃないんだけどな…)」
≪妖刀って…ローは平気なの?≫
「ああ」
心配するように顔を覗き込んでくる恋歌に、大丈夫だと返したが、念のため恋歌に触らせないように少し遠ざけた。
「で、お前はなんだ
どうして喋れる」
自分の持つ刀の正体はわかったが、喋る事の出来る刀も珍しく、こちらも恋歌に触らせない方がいいのではと、正体を確認する為に問う。
「おれは本当はお前みたいなガキとは喋らねぇんだけどな
久しぶりに星の魔女に会えて機嫌がいいから話してやるよ」
「(なんでこいつ刀の癖にこんなエラそうなんだ…?)」
刀の姿など見えないはずだが、ふんぞり返っている姿が見えそうな気がした。
「元々おれはある星の魔女の刀だった
この島に来たのは…もう何年前か忘れた…
あいつと旅をしていた時は、星の魔女はたくさんいて…たくさんいた星の魔女の中でも、あいつは最高の声と最高の魔力の持ち主だった」
今では知らない人の方が多い魔女の存在が、当たり前であった時代など、数百年以上前の話なのかもしれない。
「そんなあいつの相棒でいられた日々は、最高に楽しかった
けど…人間ってのは魔女も例外なく寿命がある…
おれとあいつが最後にたどり着いたのが、この島だった」
「どうしてこの島に?」
今では木々が鬱蒼と生い茂り、雰囲気も暗く、最後を迎えるにふさわしい島には思えなかった。
「…あいつは星の導きにしたがって最後の島をここに選んだんだ」
「星の…導き…」
それは恋歌の祖母が最後に使った魔法であり、恋歌と出会えたきっかけになった魔法。
「この島にはもともと魂が引き寄せられやすいなにかがあったみたいなんだよ
けど、おれたちがここに来たときはこんな雰囲気じゃなかったんだけどな」
「それで?」
「あいつは星の魔女として、この島にいる魂を連れて死ぬことを選んだ
星の魔女は星に好かれてる分この世にとどまる事は少ない
だから…ここを最後の島に選んだんだ」
「そうか…」
今話している声は刀である為、持ち主である星の魔女が死んだあと、自力でこの島を離れる事は出来なかった。
だが、それはこの島に来る前からわかっていた事であり、この刀も一緒にこの島に来ることを選んだという事なのだろう。