弔いの島
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ローと恋歌が2人で不寝番をし、その日の朝に占いの結果を伝えてから約1年が経過した。
1年もあるなら今からびくびくしていても仕方ないと、日々鍛錬を続け全員が1年前と比べると格段に強くなった。
そして1番変わった事と言えば…。
「よし、こい」
『うん』
かんかん、と木刀がぶつかり合う軽い音が聞こえ、3人がそちらに視線を向けると、ローが恋歌に剣術の稽古を始めたところだった。
島にいるときは恋歌に戦う術を教える事を渋っていたローだったが、1年ほど前から恋歌に自分の持つ技術を教え始めた。
中でも一番才能があったのが剣術の様で、最初は砲術、槍術も教えていたが今は剣術のみを教えている。
「そういやさ」
「ん?」
筋トレの休憩中に視界にローと恋歌を入れながらペンギンがシャチに話しかけると、シャチが水を飲んでいた手を止めてペンギンに視線を向ける。
「そろそろ恋歌が言ってた1年だな」
「ああ…」
恋歌の占いは簡単な事ほど正確で、遠い未来の事や人の運命に関わることになると精度が落ちる。
夕飯のメニューは百発百中と言っても過言ではないほどの精度だが、いつ海賊が襲ってくるのか、いつ海軍が来るのかなどの占いはぼんやりしたものしかわからない。
海賊や海軍を相手にする事は、自分たちも海賊である為日常茶飯事ではあるが、1年も前から恋歌が気にしている悪い星の影響がいつ来るのか、最近はロー以外の4人が緊張しているのがわかる。
ローはなるようになると気にしていない様子だが、それが自分たちの為に虚勢を張ってくれていることは気づいている。
「キャプテンになにかあるんだったよね…」
「恋歌の占いではそう言ってたな」
本人にあまり警戒心がない様にも思えるが、何かあった時にローを守れるようにと4人とも心に決めて鍛錬に勤しんでいる。
「よし、じゃあ続きやるか」
「「おう」」
もっと強くなるためにはまずは鍛錬だと、3人は休憩を終わらせて自分たちの鍛錬に戻った。
「今日はここまでにしよう」
『ありがとうございました』
陽が落ちてくる時間になり、今日の鍛錬は終わりにしようとローが声をかけると、別で鍛錬をしていた3人も鍛錬を終わらせた。
「…シャチ、ペンギン、ベポ
進路と飯は任せた」
「「「アイアイ、キャプテン」」」
「恋歌、お前は一緒に来い」
『?』
恋歌も夕飯の準備を手伝おうと思っていたが、それより先にローに呼ばれたため、先に船内に入っていくローの背中を慌てて追いかけた。
「おれさ…ずっと気になってんだけど」
「ああ…おれもだ」
「え?なに?」
先に船内に戻る2人の背中を見送った後、ペンギンのつぶやきにシャチがうんうん、と頷きを返す。
「あの2人って…結局付き合ってんのか?」
「いやー、そんな素振りないからなー
付き合ってないだろ」
「だよな」
ここ1年いくら恋歌も強くなったとはいえ、戦闘時には基本的に1人にさせることはなく、島に上陸したときも必ずと言っていいほどローが一緒。
戦闘で魔法を使った後には、キスをされているのだろうなと思う場面はいくつもあったが、恋歌が嫌がっていないのであれば口を出す事ではないと何も言った事はない。
しかし、いつ見てもそれだけの関係。
「島で恋歌の声聞いて反応した男に威嚇とかしてんのに、キャプテンは自覚ないのか?」
「…たぶん、だけどさ
キャプテンって…大事な人を目の前で何度もなくしてるじゃんか…」
「…そうだな」
簡単にではあるが、家族も恩人も大切な人すべてをなくしているのは、スワロー島にいるときに聞いた話。
「だから…誰かを大切に思うって事が、怖いとかあるんじゃねぇのかなって…」
「…そっか」
大事な人が次々にいなくなったことがあるローだからこそ、恋歌の事を特別に想う気持ちを閉じ込めているのではと、シャチの考えに納得したペンギンは帽子のつばをぐいっと引っ張った。
「でも…」
それまで黙って話を聞いていたベポが少し落ち込んだ顔で下を向く。
「おれは…キャプテンもみんなも大事だ…大好きだ…
きっと恋歌だって…キャプテンが大事だと思う…
過去に辛い事があったのは知ってるけど…キャプテンが恋歌を大好きって気持ちは…閉じ込めなくてもいいと思うんだ…」
もちろんベポも家族を亡くしたローの話を軽くしか聞いていないが、恋歌同様過去につらい経験をしているのもわかっている。
それでも、お互いがお互いを大事に想う気持ちを、閉じ込めるのは違うのではないかとベポが不安そうにつぶやくと、シャチとペンギンがうなだれている頭を撫でてやる。
「お前の言うとおりだよ
おれたちはあの人についていくと決める前から、キャプテン…いや、ローさんの事は大事だ
だからおれたちで大事な人を作っても大丈夫だって、一緒に守ろうって言えるように強くなろう」
「昔は一人だったかもしれないけど今はおれたちがいる
頼ってもらえるぐらいには強くならねぇとな」
「うん、そうだね」
大事な人を大事だと、好きな人を好きだと言えるように。
1年もあるなら今からびくびくしていても仕方ないと、日々鍛錬を続け全員が1年前と比べると格段に強くなった。
そして1番変わった事と言えば…。
「よし、こい」
『うん』
かんかん、と木刀がぶつかり合う軽い音が聞こえ、3人がそちらに視線を向けると、ローが恋歌に剣術の稽古を始めたところだった。
島にいるときは恋歌に戦う術を教える事を渋っていたローだったが、1年ほど前から恋歌に自分の持つ技術を教え始めた。
中でも一番才能があったのが剣術の様で、最初は砲術、槍術も教えていたが今は剣術のみを教えている。
「そういやさ」
「ん?」
筋トレの休憩中に視界にローと恋歌を入れながらペンギンがシャチに話しかけると、シャチが水を飲んでいた手を止めてペンギンに視線を向ける。
「そろそろ恋歌が言ってた1年だな」
「ああ…」
恋歌の占いは簡単な事ほど正確で、遠い未来の事や人の運命に関わることになると精度が落ちる。
夕飯のメニューは百発百中と言っても過言ではないほどの精度だが、いつ海賊が襲ってくるのか、いつ海軍が来るのかなどの占いはぼんやりしたものしかわからない。
海賊や海軍を相手にする事は、自分たちも海賊である為日常茶飯事ではあるが、1年も前から恋歌が気にしている悪い星の影響がいつ来るのか、最近はロー以外の4人が緊張しているのがわかる。
ローはなるようになると気にしていない様子だが、それが自分たちの為に虚勢を張ってくれていることは気づいている。
「キャプテンになにかあるんだったよね…」
「恋歌の占いではそう言ってたな」
本人にあまり警戒心がない様にも思えるが、何かあった時にローを守れるようにと4人とも心に決めて鍛錬に勤しんでいる。
「よし、じゃあ続きやるか」
「「おう」」
もっと強くなるためにはまずは鍛錬だと、3人は休憩を終わらせて自分たちの鍛錬に戻った。
「今日はここまでにしよう」
『ありがとうございました』
陽が落ちてくる時間になり、今日の鍛錬は終わりにしようとローが声をかけると、別で鍛錬をしていた3人も鍛錬を終わらせた。
「…シャチ、ペンギン、ベポ
進路と飯は任せた」
「「「アイアイ、キャプテン」」」
「恋歌、お前は一緒に来い」
『?』
恋歌も夕飯の準備を手伝おうと思っていたが、それより先にローに呼ばれたため、先に船内に入っていくローの背中を慌てて追いかけた。
「おれさ…ずっと気になってんだけど」
「ああ…おれもだ」
「え?なに?」
先に船内に戻る2人の背中を見送った後、ペンギンのつぶやきにシャチがうんうん、と頷きを返す。
「あの2人って…結局付き合ってんのか?」
「いやー、そんな素振りないからなー
付き合ってないだろ」
「だよな」
ここ1年いくら恋歌も強くなったとはいえ、戦闘時には基本的に1人にさせることはなく、島に上陸したときも必ずと言っていいほどローが一緒。
戦闘で魔法を使った後には、キスをされているのだろうなと思う場面はいくつもあったが、恋歌が嫌がっていないのであれば口を出す事ではないと何も言った事はない。
しかし、いつ見てもそれだけの関係。
「島で恋歌の声聞いて反応した男に威嚇とかしてんのに、キャプテンは自覚ないのか?」
「…たぶん、だけどさ
キャプテンって…大事な人を目の前で何度もなくしてるじゃんか…」
「…そうだな」
簡単にではあるが、家族も恩人も大切な人すべてをなくしているのは、スワロー島にいるときに聞いた話。
「だから…誰かを大切に思うって事が、怖いとかあるんじゃねぇのかなって…」
「…そっか」
大事な人が次々にいなくなったことがあるローだからこそ、恋歌の事を特別に想う気持ちを閉じ込めているのではと、シャチの考えに納得したペンギンは帽子のつばをぐいっと引っ張った。
「でも…」
それまで黙って話を聞いていたベポが少し落ち込んだ顔で下を向く。
「おれは…キャプテンもみんなも大事だ…大好きだ…
きっと恋歌だって…キャプテンが大事だと思う…
過去に辛い事があったのは知ってるけど…キャプテンが恋歌を大好きって気持ちは…閉じ込めなくてもいいと思うんだ…」
もちろんベポも家族を亡くしたローの話を軽くしか聞いていないが、恋歌同様過去につらい経験をしているのもわかっている。
それでも、お互いがお互いを大事に想う気持ちを、閉じ込めるのは違うのではないかとベポが不安そうにつぶやくと、シャチとペンギンがうなだれている頭を撫でてやる。
「お前の言うとおりだよ
おれたちはあの人についていくと決める前から、キャプテン…いや、ローさんの事は大事だ
だからおれたちで大事な人を作っても大丈夫だって、一緒に守ろうって言えるように強くなろう」
「昔は一人だったかもしれないけど今はおれたちがいる
頼ってもらえるぐらいには強くならねぇとな」
「うん、そうだね」
大事な人を大事だと、好きな人を好きだと言えるように。