出会いから出航まで
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恋歌の秘密もベポに無事に話し終えたので、明日に備えて寝ようということになった。
恋歌だけは部屋が別なのでベッドから降りて、部屋を出て行こうとすると、ベポが服を引っ張ってきた。
どうかしたのかとベポに視線を向けると、ベポも不思議そうな顔をしていた。
「恋歌、一緒に寝ないの?」
可愛らしく瞳をうるうるさせながら聞いてくるベポに心が揺らいだが、ごめんねとジェスチャーをすると、しょんぼりと落ち込んだ。
「お、おれの毛あったかいから一緒に寝ても寒くないし…寝相も気を付けるからさ」
しばらくじーっと二人で見つめ合いが続き、ベポは完全に折れることはなさそうな雰囲気。
ちらっとローを見れば小さくため息をついて首を横に振られた。
諦めろという事だろう。
一日ぐらいいいかと返事の代わりに頭を撫でてやると、意味を理解したベポがぱあっと笑顔になった。
「布団…!もう一つある?」
「そこに入ってる」
恋歌の気が変わらないうちに急げと思ったのか、ベポが自分の分と恋歌の分の布団をローのベッドの横に並べて敷いた。
「ベポ…もう一組出せ」
「え?」
ベポは一瞬不思議そうな顔をしたが、ローに言われた通りにもう一組布団を敷いた。
≪なんだかお泊り会みたいだね≫
「そうか?」
ベッドの横に三組の布団が横並びに敷かれ、恋歌を真ん中に三人で横になった。
「恋歌引っ付いて寝ないの?」
『(いいのかな…)』
正直もふもふの身体に包まれて眠れるというのは魅力的なお誘い。
少し戸惑っているとベポに手招きをされたので近寄ると、ぎゅっと抱きしめられた。
『(わー…すっごいもふもふ…)』
「どう?寝にくくない?」
ベポの毛に顔を埋めながら頷いて返事を返すと、ベポがへへへと嬉しそうに笑う。
「…」
「あ、ローさんも来る?」
じーっとローから視線を向けられていることに気づいたベポが、ローも誘うが拗ねたようにそっぽをむいてしまった。
ベポはその態度に疑問を持ったが、恋歌が眠ってしまった事に気づいてベポも眠るために目を閉じた。
それから約1か月。
ベポを新たに加えたヴォルフの家での生活は平和に過ぎていっている。
ベポは料理や洗濯もこなし、空いた時間に読書をする恋歌とローの横で航海術の勉強をするのが日課となり、一通り勉強を終えると手話の勉強という流れだ。
今日もビニールハウスの中で野菜の収穫をしていた。
ローとベポはいつも通り二人で収穫をしていると、梅干しの話をしたベポがローに怒鳴られていた。
『(ローって梅干し嫌いなんだ…)』
一緒に住んでいて初めて知った事実に意外と子供っぽい所もあるのだなと一人でこっそり笑っていると、突然森の方から爆発音が鳴り響いた。
「ローさん!」
「ああ!行くぞ恋歌!ベポ!」
三人でビニールハウスを飛び出して、森に向かって走り出した。
何が起こったのかわからず、敵の可能性もあるので、近くにたどり着くと気配を殺して様子を伺う。
緊張しながら近づいていくと子供の泣き声が聞こえてきた。
ローを先頭に、すこし拓けた場所に出ると以前ベポをいじめていた二人組が大量の血を流していた。
キャスケット帽をかぶった方はお腹から血を流し、ペンギン帽の方は右腕が肘からちぎれている。
近くにペンギン帽の腕が落ちている。
その姿を見てローはすぐに飛び出して二人に駆け寄った。
「ベポ!そっちのキャスケット帽の奴を背負え!おれはペンギン帽をおぶる!恋歌!お前はペンギン帽の腕持ってこい!
家まで連れて行って治療するぞ!!」
「お、おうっ!絶対、助けよう!!」
ローとベポが二人を背負い、走ってヴォルフの家に急いで戻る。
『(これ…治るのかな…)』
千切れた腕を持っているが、これが元通りになるのか、まずこれだけの血を流していて命が助かるのか。
家にたどり着くまでの道のりがいつもより長く感じ、心臓がどくどくとうるさい。
『(わたしに…わたしにできること…)』
自分にできることがあるのかとうるさい心臓を落ち着かせながら、迷いなく進むローとベポの背中を追いかけた。
恋歌だけは部屋が別なのでベッドから降りて、部屋を出て行こうとすると、ベポが服を引っ張ってきた。
どうかしたのかとベポに視線を向けると、ベポも不思議そうな顔をしていた。
「恋歌、一緒に寝ないの?」
可愛らしく瞳をうるうるさせながら聞いてくるベポに心が揺らいだが、ごめんねとジェスチャーをすると、しょんぼりと落ち込んだ。
「お、おれの毛あったかいから一緒に寝ても寒くないし…寝相も気を付けるからさ」
しばらくじーっと二人で見つめ合いが続き、ベポは完全に折れることはなさそうな雰囲気。
ちらっとローを見れば小さくため息をついて首を横に振られた。
諦めろという事だろう。
一日ぐらいいいかと返事の代わりに頭を撫でてやると、意味を理解したベポがぱあっと笑顔になった。
「布団…!もう一つある?」
「そこに入ってる」
恋歌の気が変わらないうちに急げと思ったのか、ベポが自分の分と恋歌の分の布団をローのベッドの横に並べて敷いた。
「ベポ…もう一組出せ」
「え?」
ベポは一瞬不思議そうな顔をしたが、ローに言われた通りにもう一組布団を敷いた。
≪なんだかお泊り会みたいだね≫
「そうか?」
ベッドの横に三組の布団が横並びに敷かれ、恋歌を真ん中に三人で横になった。
「恋歌引っ付いて寝ないの?」
『(いいのかな…)』
正直もふもふの身体に包まれて眠れるというのは魅力的なお誘い。
少し戸惑っているとベポに手招きをされたので近寄ると、ぎゅっと抱きしめられた。
『(わー…すっごいもふもふ…)』
「どう?寝にくくない?」
ベポの毛に顔を埋めながら頷いて返事を返すと、ベポがへへへと嬉しそうに笑う。
「…」
「あ、ローさんも来る?」
じーっとローから視線を向けられていることに気づいたベポが、ローも誘うが拗ねたようにそっぽをむいてしまった。
ベポはその態度に疑問を持ったが、恋歌が眠ってしまった事に気づいてベポも眠るために目を閉じた。
それから約1か月。
ベポを新たに加えたヴォルフの家での生活は平和に過ぎていっている。
ベポは料理や洗濯もこなし、空いた時間に読書をする恋歌とローの横で航海術の勉強をするのが日課となり、一通り勉強を終えると手話の勉強という流れだ。
今日もビニールハウスの中で野菜の収穫をしていた。
ローとベポはいつも通り二人で収穫をしていると、梅干しの話をしたベポがローに怒鳴られていた。
『(ローって梅干し嫌いなんだ…)』
一緒に住んでいて初めて知った事実に意外と子供っぽい所もあるのだなと一人でこっそり笑っていると、突然森の方から爆発音が鳴り響いた。
「ローさん!」
「ああ!行くぞ恋歌!ベポ!」
三人でビニールハウスを飛び出して、森に向かって走り出した。
何が起こったのかわからず、敵の可能性もあるので、近くにたどり着くと気配を殺して様子を伺う。
緊張しながら近づいていくと子供の泣き声が聞こえてきた。
ローを先頭に、すこし拓けた場所に出ると以前ベポをいじめていた二人組が大量の血を流していた。
キャスケット帽をかぶった方はお腹から血を流し、ペンギン帽の方は右腕が肘からちぎれている。
近くにペンギン帽の腕が落ちている。
その姿を見てローはすぐに飛び出して二人に駆け寄った。
「ベポ!そっちのキャスケット帽の奴を背負え!おれはペンギン帽をおぶる!恋歌!お前はペンギン帽の腕持ってこい!
家まで連れて行って治療するぞ!!」
「お、おうっ!絶対、助けよう!!」
ローとベポが二人を背負い、走ってヴォルフの家に急いで戻る。
『(これ…治るのかな…)』
千切れた腕を持っているが、これが元通りになるのか、まずこれだけの血を流していて命が助かるのか。
家にたどり着くまでの道のりがいつもより長く感じ、心臓がどくどくとうるさい。
『(わたしに…わたしにできること…)』
自分にできることがあるのかとうるさい心臓を落ち着かせながら、迷いなく進むローとベポの背中を追いかけた。