数分後、ソナーに反応した船から離れた場所に浮上し、船を隠す事の出来る場所で５人で外に出た。

船は大きめの岩の陰に隠れるように隠し、ソナーに反応した船は岩の反対側にある。

「ちょっと見てくる」

「ああ」

ペンギンが船から飛び降りて、偵察に出て行った。

「ベポ、恋歌にも言ったがお前ら２人は特に気をつけろよ

あまり無理はするな」

「うん、ありがとうキャプテン」

喋る白クマも珍しい動物であり、捕まれば恋歌と同じような扱いをされる可能性がある。

最悪、相手が海賊であった場合、２人はこのまま船に残した方がいいだろうと考えている。




30分程してペンギンが偵察から戻ってきた。

「無人島ってわけじゃなさそうだ

この島の住人はそんなに多くなさそうだったけど、のどかって感じの村だったな

あと…ソナーに反応した船は…海賊船だった

人数はおれが確認できただけで20人程度

まぁ…性格の良さそうな顔はしてなかったな…」

「「……」」

『(海賊…)』

偵察してきた内容を報告すると、やっぱりかとローの顔が曇った。

「…恋歌、ベポ悪いがお前たちはまた留守番を頼む

ペンギン、シャチお前たちはおれについて来い」

相手の海賊に２人を接触させることはするべきではないと判断したローが、ペンギンとシャチを連れて船から降りた。

その背中を見守る事しかできない恋歌とベポは、３人の背中を見送って同じタイミングでため息をついた。

「おれって…足手まといなのかな…」

≪わたしだって…

心配してくれてるのはわかるから、強くならないとね…≫

「うん…」

スワロー島を出て二つ目の島。

まだまだこの世界の事、海賊の事、自分達の扱いについて、わからないことだらけ。

強くなって自分の身は自分で守れるぐらい強くなったと、ローが認めてくれればもっとローの役に立つ事ができる。

≪みんな…大丈夫かな…≫

村では何もないだろうが、他の海賊も同じ島にいるとなれば、あの３人が強いとわかっていても心配になる。