出会いから出航まで
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集中して医学書を読んでいると、部屋の外から賑やかな声が聞こえてきた。
長く風呂に入っており、ベポが騒ぎ過ぎた為ヴォルフに叱られている声。
その声を心地よく感じながらも、この騒ぎの中に恋歌の声はないが、楽しそうに笑っている姿は想像できた。
「怒られちゃったね」
へへへ、と笑いながら部屋に戻ってきたベポと恋歌。
部屋に二人が帰ってきたので、医学書を閉じたがあることに気づいて身体を起こして、恋歌を自分のベッドに座る様に手招きした。
不思議そうな顔をしながらローの横にちょこんと座ると、ローがタオルを持って恋歌の後ろに回った。
「ベポ」
「どうしたの?」
「恋歌はお前と違ってこの寒い気候じゃ髪を濡れたままにしてると風邪をひく」
わしわしと恋歌の髪を痛くないように拭いてやりながら、ベポに注意をする。
肩より少し長い程度の綺麗な銀髪はまだ少し湿っていて、このままでは風邪をひいてしまうかもしれない。
「そ、そっか
恋歌、ごめんね」
落ち込んだように頭を下げてくるベポに気にするなと頭を撫でてやると、ほっとしたような顔になった。
「へへ、おれ恋歌に頭撫でてもらうの好きだ」
嬉しそうにしているベポにお風呂上りでもふもふになった毛並を堪能している恋歌も楽しそう。
「そういえば恋歌って身体に落書きしてあるんだね」
『(!!)』
「落書き?」
ベポが急に思い出したように恋歌に問いかけると、恋歌の顔がぼっと赤く染まった。
それにローは気づいたが落書き、というのが気になりベポの話を続けるようにと視線を向ける。
「えっと、この辺にお星さまの絵が描いてあったんだ」
「へー」
ベポの言うこの辺、とは心臓のあたり。
何故恥ずかしそうにしているのかわからないが、勝手に教えたベポは恋歌にぽこぽこと殴られている。
まったく痛くなさそうではあるが、何に怒られているのかわからずベポは困惑顔。
「それは恋歌の力に関係があるものなのか?」
「恋歌の力?」
星の落書きと言えば思い当たるのはひとつしかない。
ベポは恋歌が魔女であるという事を知らないため濁して言ったが、ベポを殴る手を止めた恋歌はローに視線を合わせてしっかりと頷いた。
≪魔力っていうのは心に直結してるって言われてて、魔女はみんなここに紋章があるの
わたしは星の魔法の適正が強いからここに星の魔方陣がある
だから紋章を見ればその人がどんな魔法をが得意なのかわかるんだよね≫
「なるほどな」
「え?え?
速すぎてなにがなんだか…」
ローに今更隠す事はしないのか、ベポの言う落書きについて説明をしたが、今日から手話を勉強し始めたベポは恋歌の言葉を理解することはできなかった。
「…まぁ髪も乾いたし恋歌がいいならこいつには話してもいいんじゃねぇか?」
自分の悪魔の実の事は内緒にしている癖に恋歌には話してもいいんじゃないかとは、どの口が言っているのかとおかしくなったが、恋歌が頷いたのでベポに自分の力を話す事になった。
「よし、じゃあ俺が話してやる
今から話す事は人には喋るな、わかったな?」
「う、うん」
何を教えてもらえるのかと正座をしながらごくりと唾を飲み込んだ。
恋歌はローの横に座り直し、ローが話してくれることを静かに聞いていた。
魔女であること、魔法が使えること、胸にあった落書きは魔女の証であることを全て説明し、実際に恋歌が魔法を見せると、ベポが驚きで騒ぎそうになったがまたヴォルフに怒られそうだと慌てて口を塞いだ。
「ま、まぁこういうことだ」
「へぇー、魔法使いってほんとにいたんだね」
≪大した魔法は使えないけどね≫
ノートに文字を書いてベポに見せたが、そんなことないよと首を振ってくれた。
「おれは魔法が使えるって聞いて、見せてくれて…そんな恋歌もすごいなって思ったけど…
魔法を使わなくても…おれを助けてくれたこと…ずっと忘れないよ」
魔法が使える事はすごい事。
だが、それよりもその力に頼らず庇ってくれたことの方がずっと心にやさしい思い出として残っている。
≪ありがとう≫
「そういや恋歌
なんでベポに胸に紋章があったって言われた時に恥ずかしそうにしてたんだ?」
ほわほわとした雰囲気が流れていたが、まだ気になっていたことがあったとローが思い出したように恋歌に問うと、それを思い出した恋歌の顔がまた少し赤くなった。
≪えっと…この紋章は…あんまり見せちゃいけなくて…
初めて家族以外の人に見られたから恥ずかしくて…≫
「…そうか」
「えー…また何言ってるのかわからないや…」
家族以外で初めて見たのがベポということに、ローは心に何か引っかかったような気がしたが、取り敢えずすっきりはした。
長く風呂に入っており、ベポが騒ぎ過ぎた為ヴォルフに叱られている声。
その声を心地よく感じながらも、この騒ぎの中に恋歌の声はないが、楽しそうに笑っている姿は想像できた。
「怒られちゃったね」
へへへ、と笑いながら部屋に戻ってきたベポと恋歌。
部屋に二人が帰ってきたので、医学書を閉じたがあることに気づいて身体を起こして、恋歌を自分のベッドに座る様に手招きした。
不思議そうな顔をしながらローの横にちょこんと座ると、ローがタオルを持って恋歌の後ろに回った。
「ベポ」
「どうしたの?」
「恋歌はお前と違ってこの寒い気候じゃ髪を濡れたままにしてると風邪をひく」
わしわしと恋歌の髪を痛くないように拭いてやりながら、ベポに注意をする。
肩より少し長い程度の綺麗な銀髪はまだ少し湿っていて、このままでは風邪をひいてしまうかもしれない。
「そ、そっか
恋歌、ごめんね」
落ち込んだように頭を下げてくるベポに気にするなと頭を撫でてやると、ほっとしたような顔になった。
「へへ、おれ恋歌に頭撫でてもらうの好きだ」
嬉しそうにしているベポにお風呂上りでもふもふになった毛並を堪能している恋歌も楽しそう。
「そういえば恋歌って身体に落書きしてあるんだね」
『(!!)』
「落書き?」
ベポが急に思い出したように恋歌に問いかけると、恋歌の顔がぼっと赤く染まった。
それにローは気づいたが落書き、というのが気になりベポの話を続けるようにと視線を向ける。
「えっと、この辺にお星さまの絵が描いてあったんだ」
「へー」
ベポの言うこの辺、とは心臓のあたり。
何故恥ずかしそうにしているのかわからないが、勝手に教えたベポは恋歌にぽこぽこと殴られている。
まったく痛くなさそうではあるが、何に怒られているのかわからずベポは困惑顔。
「それは恋歌の力に関係があるものなのか?」
「恋歌の力?」
星の落書きと言えば思い当たるのはひとつしかない。
ベポは恋歌が魔女であるという事を知らないため濁して言ったが、ベポを殴る手を止めた恋歌はローに視線を合わせてしっかりと頷いた。
≪魔力っていうのは心に直結してるって言われてて、魔女はみんなここに紋章があるの
わたしは星の魔法の適正が強いからここに星の魔方陣がある
だから紋章を見ればその人がどんな魔法をが得意なのかわかるんだよね≫
「なるほどな」
「え?え?
速すぎてなにがなんだか…」
ローに今更隠す事はしないのか、ベポの言う落書きについて説明をしたが、今日から手話を勉強し始めたベポは恋歌の言葉を理解することはできなかった。
「…まぁ髪も乾いたし恋歌がいいならこいつには話してもいいんじゃねぇか?」
自分の悪魔の実の事は内緒にしている癖に恋歌には話してもいいんじゃないかとは、どの口が言っているのかとおかしくなったが、恋歌が頷いたのでベポに自分の力を話す事になった。
「よし、じゃあ俺が話してやる
今から話す事は人には喋るな、わかったな?」
「う、うん」
何を教えてもらえるのかと正座をしながらごくりと唾を飲み込んだ。
恋歌はローの横に座り直し、ローが話してくれることを静かに聞いていた。
魔女であること、魔法が使えること、胸にあった落書きは魔女の証であることを全て説明し、実際に恋歌が魔法を見せると、ベポが驚きで騒ぎそうになったがまたヴォルフに怒られそうだと慌てて口を塞いだ。
「ま、まぁこういうことだ」
「へぇー、魔法使いってほんとにいたんだね」
≪大した魔法は使えないけどね≫
ノートに文字を書いてベポに見せたが、そんなことないよと首を振ってくれた。
「おれは魔法が使えるって聞いて、見せてくれて…そんな恋歌もすごいなって思ったけど…
魔法を使わなくても…おれを助けてくれたこと…ずっと忘れないよ」
魔法が使える事はすごい事。
だが、それよりもその力に頼らず庇ってくれたことの方がずっと心にやさしい思い出として残っている。
≪ありがとう≫
「そういや恋歌
なんでベポに胸に紋章があったって言われた時に恥ずかしそうにしてたんだ?」
ほわほわとした雰囲気が流れていたが、まだ気になっていたことがあったとローが思い出したように恋歌に問うと、それを思い出した恋歌の顔がまた少し赤くなった。
≪えっと…この紋章は…あんまり見せちゃいけなくて…
初めて家族以外の人に見られたから恥ずかしくて…≫
「…そうか」
「えー…また何言ってるのかわからないや…」
家族以外で初めて見たのがベポということに、ローは心に何か引っかかったような気がしたが、取り敢えずすっきりはした。