初めての島
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『はぁ…』
4人にたくさん重ね着された防寒具プラス毛布のおかげで身体は寒くないが、顔が冷たく吐く息は白い。
温かい紅茶をポットに入れて持たせてくれたので、それを飲みながらぼーっと見張りを続ける。
『(1人で過ごす夜ってこんなに長く感じるものなんだ…)』
湯気が立ち上るカップで手を温めながら、空を見上げる。
『(町での買い物…楽しかったな…)』
初めてスワロー島以外でした買い物。
見た事のない本、可愛いぬいぐるみ、おしゃれな服。
最初は怖くて足がすくんでしまったが、ずっとそばにいてくれたローのおかげで、楽しい思い出になった。
『(いつかはみんなと島を回れたらいいな)』
今日1日楽しい思い出が出来たおかげで、次の島がどんなところなのかと楽しみになった。
「…よう」
『ロー…?』
膝に頬を乗せていろいろと想像していると、急に後ろから声がかかった。
毛布を身体に巻いて、手には医学書を持っているローは、どかっと恋歌の横に腰を下ろす。
「寒くねぇか」
寒さで赤くなっている頬を、温かい手で挟んでくれ、むにむにと頬を揉まれる。
「(柔らけ…)」
『寒くないよ
どうしたの?』
「別に…たまたま目が覚めたんでな」
『?』
たまたま目が覚めてわざわざ寒い外に出てくるだろうかと首を傾げるが、頬から手を離して、医学書を読み始めてしまったので、聞くことは止めた。
「おれがいるからお前も本を読んでもいいぞ」
2人いれば何かあった時にすぐに対処できるだろうということなのはわかるが、見張りは自分なのに甘えてもいいのだろうかとしばらく考えていると、こん、と頭に医学書を置かれた。
「じゃあ今から勉強するか」
『(お勉強…?)』
ぐっと恋歌の肩を引き寄せてさらに密着すると、恋歌にも見やすいように本を広げる。
「おれの船のクルーなら医療知識はあって損はねぇ」
『(ローがすごいお医者さんなのに、わたしたちが素人だったらお手伝いもできないもんね)
うん、教えてほしい』
「ああ」
スワロー島でカルテの見方を教えてくれたように、初心者でもわかりやすく教えてくれるローの言葉に耳を傾け、大事な事はメモを取っていく。
「よし、今夜はここまでにしとくか」
キリの良い所で本をぱたんと閉じたローは、空を見て大体の時間を確認する。
『寝る?』
「いや、次は恋歌がおれに教えてくれ」
『?』
「おれが知らねぇこと、恋歌の事、星の事…なんでもいい
恋歌の…声が聞きてぇ」
すりっ、とまた寒さで赤くなり始めた頬を撫でてやると、寒さとは別に顔が赤くなっていっている事に気づいた。
ストレートに声が聞きたいと言われ、照れたように俯く恋歌の顔を、頬に添えていた手で上を向かせる。
『ロー…』
「…話してくれ
なんでもいい」
照れた顔と潤んだ瞳を見て、思わずキスしそうになったが、魔力の回復という名目がないため、ぐっと踏みとどまった。
魔力回復の名目以外でもキスしたことはあるが、あまり好き勝手やって嫌われるということは避けたい。
『う、ん…
あのね、昨日ベポと、話してたことが、あって、』
「ああ」
両手は空いているが、ゆっくりと話し始め、その話を今度はローが耳を傾けて聞く。
心に響く星を魅了する声を今だけは独り占め出来ている事に頬が緩みそうになるが、一生懸命に星と方角についての話をしている恋歌の声に聞き入った。
4人にたくさん重ね着された防寒具プラス毛布のおかげで身体は寒くないが、顔が冷たく吐く息は白い。
温かい紅茶をポットに入れて持たせてくれたので、それを飲みながらぼーっと見張りを続ける。
『(1人で過ごす夜ってこんなに長く感じるものなんだ…)』
湯気が立ち上るカップで手を温めながら、空を見上げる。
『(町での買い物…楽しかったな…)』
初めてスワロー島以外でした買い物。
見た事のない本、可愛いぬいぐるみ、おしゃれな服。
最初は怖くて足がすくんでしまったが、ずっとそばにいてくれたローのおかげで、楽しい思い出になった。
『(いつかはみんなと島を回れたらいいな)』
今日1日楽しい思い出が出来たおかげで、次の島がどんなところなのかと楽しみになった。
「…よう」
『ロー…?』
膝に頬を乗せていろいろと想像していると、急に後ろから声がかかった。
毛布を身体に巻いて、手には医学書を持っているローは、どかっと恋歌の横に腰を下ろす。
「寒くねぇか」
寒さで赤くなっている頬を、温かい手で挟んでくれ、むにむにと頬を揉まれる。
「(柔らけ…)」
『寒くないよ
どうしたの?』
「別に…たまたま目が覚めたんでな」
『?』
たまたま目が覚めてわざわざ寒い外に出てくるだろうかと首を傾げるが、頬から手を離して、医学書を読み始めてしまったので、聞くことは止めた。
「おれがいるからお前も本を読んでもいいぞ」
2人いれば何かあった時にすぐに対処できるだろうということなのはわかるが、見張りは自分なのに甘えてもいいのだろうかとしばらく考えていると、こん、と頭に医学書を置かれた。
「じゃあ今から勉強するか」
『(お勉強…?)』
ぐっと恋歌の肩を引き寄せてさらに密着すると、恋歌にも見やすいように本を広げる。
「おれの船のクルーなら医療知識はあって損はねぇ」
『(ローがすごいお医者さんなのに、わたしたちが素人だったらお手伝いもできないもんね)
うん、教えてほしい』
「ああ」
スワロー島でカルテの見方を教えてくれたように、初心者でもわかりやすく教えてくれるローの言葉に耳を傾け、大事な事はメモを取っていく。
「よし、今夜はここまでにしとくか」
キリの良い所で本をぱたんと閉じたローは、空を見て大体の時間を確認する。
『寝る?』
「いや、次は恋歌がおれに教えてくれ」
『?』
「おれが知らねぇこと、恋歌の事、星の事…なんでもいい
恋歌の…声が聞きてぇ」
すりっ、とまた寒さで赤くなり始めた頬を撫でてやると、寒さとは別に顔が赤くなっていっている事に気づいた。
ストレートに声が聞きたいと言われ、照れたように俯く恋歌の顔を、頬に添えていた手で上を向かせる。
『ロー…』
「…話してくれ
なんでもいい」
照れた顔と潤んだ瞳を見て、思わずキスしそうになったが、魔力の回復という名目がないため、ぐっと踏みとどまった。
魔力回復の名目以外でもキスしたことはあるが、あまり好き勝手やって嫌われるということは避けたい。
『う、ん…
あのね、昨日ベポと、話してたことが、あって、』
「ああ」
両手は空いているが、ゆっくりと話し始め、その話を今度はローが耳を傾けて聞く。
心に響く星を魅了する声を今だけは独り占め出来ている事に頬が緩みそうになるが、一生懸命に星と方角についての話をしている恋歌の声に聞き入った。