初めての島
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しばらく店内のクマを堪能した後、ローの元に帰ってきた恋歌は、満足したようでにこにこと笑みを浮かべている。
「あれ、買わなくていいのか?」
”あれ”と指差された先には、恋歌が何度も触っていた大きな白クマのぬいぐるみ。
どことなくベポに似ているような気がしないでもない。
≪もう白クマのぬいぐるみ持ってるしね≫
「別にいくつあってもいいだろ」
≪でも、節約しないといけないんでしょ?≫
「…んなことは気にすんな
ほしいのか、ほしくねぇのかどっちだ」
う、と言葉に詰まった顔をする恋歌は、また視線を彷徨わせてぎゅっと目を瞑って、しばらく考えた後ゆっくりと目を開けローと視線を合わせた。
「…わかった
おい、あれをもらう」
「まいど」
何も言っていないにもかかわらず、視線だけで理解したローはあっさりとクマのぬいぐるみを購入した。
「はいよ、大事にしてやっておくれ」
首にリボンを巻かれた恋歌の身長の半分ほどある大きなぬいぐるみは、恋歌の腕に抱かれて店から連れ出された。
『あり、がとう』
「ん、
(あ…しまった)」
嬉しそうにぬいぐるみを抱き締める恋歌に、ぽんぽんと頭を撫でてやると、恋歌の声に近くにいた男たちが反応したことに気づいた。
手が使えないから声を出してお礼を言ったのだろうが、気づいた時にはもう遅かった。
「次行くぞ」
『(わっ…)』
手を繋げない恋歌の肩を抱いて、恋歌の声を聞いた男たちを牽制しながら歩く。
肩を抱かれた事に顔を赤くした恋歌だったが、手を繋いでいるときより近い距離に安心し、恥ずかしいながらもそのまま意識しないように白クマを抱く力を強めた。
白クマを抱いているせいで、視界が悪くなった恋歌だったが、離す気はないようで自分が前を見ているからと、ローも取り上げる事はしない。
「腹は減ってねぇか?」
『ちょっとだけ…』
「そうか
何か食べてぇもんは?」
町を半分ほど回ったところで、お昼時という事に気づいたローが、声をかけてくれると、そういえば少しお腹がすいたなと素直に言うと、ローが周りの店に視線を向ける。
それにつられて恋歌も周りに視線を向けると、いろんな飲食店が並んでいる。
でも、飲食店を見渡した後、またしても首を横に振る恋歌に、ローの眉間にしわが寄った。
「恋歌…」
『あ、えと…違うの…』
また遠慮しているのかと頬をつねってやろうとしたが、慌てたように恋歌が首を横に何度も振る。
『みんなと…一緒がいい…』
「…そうか
じゃあ町を一周したら食材買って帰るか」
『うん』
しばらくお腹をすかせた状態で町を回る事になるが、それでもかまわないと言う恋歌に、続きを回ろうと肩を抱く手に力を入れた。
『あの…ロー』
「ん?」
しばらく食材を中心に見て回っていると、白クマを片手で抱いて、ローの服の裾を引かれた。
きょろきょろと周りを見て、くいっと服を引いてどこかに向かおうとする。
どこに行きたいのかはわからないが、それについていくと、人気のない場所に連れてこられた。
「なにかあるのか?」
『荷物を…入れようと、思って』
最後に周りを確認して収納の魔方陣を出すと、そこに白クマのぬいぐるみをそっと入れた。
≪本もここに入れて≫
「ああ、悪いな」
ほんとは最初からこうしたかったが、まだ魔法は戦闘以外で人前で使う事に抵抗があるし、魔女の事を知らない町ならなおさら使いたくはない。
だが、食材を見るのにも視界が悪く、荷物も持ちにくい為、人気のない場所でならいいだろうと、ローを連れてきた。
両手が空いた2人は、自然に手を繋いで、店の方に歩きはじめる。
「いい魚があったからあれ買って帰るか」
全員が好物である焼き魚にでもしようと提案すると、笑顔で頷きが返ってきたので、今夜の夕飯のメニューは決まった。
「おや、若い夫婦だな
なんにする?」
『(ふ、夫婦!?)』
ロー「…そうだな…その魚5匹くれ」
「あいよ」
『(否定しないの!?)』
手を繋いで食材を買っていると、夫婦やカップルと間違えられ、何度も顔を赤くする恋歌に、ローの悪戯心が刺激され、否定することはしない。
しかも、その照れる顔にきゅん、とした店主たちにおまけをたくさんつけてもらい、今夜の食事は豪華なものになりそうだった。
「あれ、買わなくていいのか?」
”あれ”と指差された先には、恋歌が何度も触っていた大きな白クマのぬいぐるみ。
どことなくベポに似ているような気がしないでもない。
≪もう白クマのぬいぐるみ持ってるしね≫
「別にいくつあってもいいだろ」
≪でも、節約しないといけないんでしょ?≫
「…んなことは気にすんな
ほしいのか、ほしくねぇのかどっちだ」
う、と言葉に詰まった顔をする恋歌は、また視線を彷徨わせてぎゅっと目を瞑って、しばらく考えた後ゆっくりと目を開けローと視線を合わせた。
「…わかった
おい、あれをもらう」
「まいど」
何も言っていないにもかかわらず、視線だけで理解したローはあっさりとクマのぬいぐるみを購入した。
「はいよ、大事にしてやっておくれ」
首にリボンを巻かれた恋歌の身長の半分ほどある大きなぬいぐるみは、恋歌の腕に抱かれて店から連れ出された。
『あり、がとう』
「ん、
(あ…しまった)」
嬉しそうにぬいぐるみを抱き締める恋歌に、ぽんぽんと頭を撫でてやると、恋歌の声に近くにいた男たちが反応したことに気づいた。
手が使えないから声を出してお礼を言ったのだろうが、気づいた時にはもう遅かった。
「次行くぞ」
『(わっ…)』
手を繋げない恋歌の肩を抱いて、恋歌の声を聞いた男たちを牽制しながら歩く。
肩を抱かれた事に顔を赤くした恋歌だったが、手を繋いでいるときより近い距離に安心し、恥ずかしいながらもそのまま意識しないように白クマを抱く力を強めた。
白クマを抱いているせいで、視界が悪くなった恋歌だったが、離す気はないようで自分が前を見ているからと、ローも取り上げる事はしない。
「腹は減ってねぇか?」
『ちょっとだけ…』
「そうか
何か食べてぇもんは?」
町を半分ほど回ったところで、お昼時という事に気づいたローが、声をかけてくれると、そういえば少しお腹がすいたなと素直に言うと、ローが周りの店に視線を向ける。
それにつられて恋歌も周りに視線を向けると、いろんな飲食店が並んでいる。
でも、飲食店を見渡した後、またしても首を横に振る恋歌に、ローの眉間にしわが寄った。
「恋歌…」
『あ、えと…違うの…』
また遠慮しているのかと頬をつねってやろうとしたが、慌てたように恋歌が首を横に何度も振る。
『みんなと…一緒がいい…』
「…そうか
じゃあ町を一周したら食材買って帰るか」
『うん』
しばらくお腹をすかせた状態で町を回る事になるが、それでもかまわないと言う恋歌に、続きを回ろうと肩を抱く手に力を入れた。
『あの…ロー』
「ん?」
しばらく食材を中心に見て回っていると、白クマを片手で抱いて、ローの服の裾を引かれた。
きょろきょろと周りを見て、くいっと服を引いてどこかに向かおうとする。
どこに行きたいのかはわからないが、それについていくと、人気のない場所に連れてこられた。
「なにかあるのか?」
『荷物を…入れようと、思って』
最後に周りを確認して収納の魔方陣を出すと、そこに白クマのぬいぐるみをそっと入れた。
≪本もここに入れて≫
「ああ、悪いな」
ほんとは最初からこうしたかったが、まだ魔法は戦闘以外で人前で使う事に抵抗があるし、魔女の事を知らない町ならなおさら使いたくはない。
だが、食材を見るのにも視界が悪く、荷物も持ちにくい為、人気のない場所でならいいだろうと、ローを連れてきた。
両手が空いた2人は、自然に手を繋いで、店の方に歩きはじめる。
「いい魚があったからあれ買って帰るか」
全員が好物である焼き魚にでもしようと提案すると、笑顔で頷きが返ってきたので、今夜の夕飯のメニューは決まった。
「おや、若い夫婦だな
なんにする?」
『(ふ、夫婦!?)』
ロー「…そうだな…その魚5匹くれ」
「あいよ」
『(否定しないの!?)』
手を繋いで食材を買っていると、夫婦やカップルと間違えられ、何度も顔を赤くする恋歌に、ローの悪戯心が刺激され、否定することはしない。
しかも、その照れる顔にきゅん、とした店主たちにおまけをたくさんつけてもらい、今夜の食事は豪華なものになりそうだった。