初めての島に辿り着くまで
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その後はみんなで夕飯を食べ、不寝番のロー以外は眠たくなれば自分の部屋に戻っていく。
すでにローは外で見張りをしており、食堂には最後まで残った恋歌が、ぽつんと1人で本を読んでいる。
『(人を…わたしの魔法の中に、か)』
シャチに言われたことが本当に可能なのかどうか、それを調べる為に本を読んでいるが、まだ答えは見つかっていない。
もしかすると誰もやった事がないのかもしれない。
収納の魔法は基本的に魔女であれば誰でも出来る。
そこに誰かをいれようとは考えた事はないのかもしれない。
静まり返っている船内で、ふと時計を見ればとうに日付は変わっていて、時刻は深夜とも早朝とも言える時間。
ぱたん、と本を閉じて立ち上がり、少し考えてから2人分の紅茶を準備して甲板に出た。
『(さすがに寒いか)』
ほんのり明るくなってきている水平線に、息を吐けば白く色がつく。
「恋歌?」
扉の横の壁を背にして毛布にくるまっていたローは、こんな早い時間に恋歌が外に出てきていることに驚いている。
笑ってローの前に淹れたての紅茶を置けば、はぁとため息をついてぐいっと腕を引っ張られる。
「そんな恰好で出てくる奴があるか」
呆れたような声だが、足の間に入れて後ろから抱きしめるように手を回してくれるローのぬくもりに、背中を預けて小さくごめんなさいと言えば、それ以上怒られることはない。
2つあるカップを見て、1つは自分の物なのだと理解したローは、湯気の出ているそれをとり、冷えた身体に流し込む。
「眠れねぇのか?」
その問いに首を横に振った恋歌は、自分も紅茶を飲もうとカップに手を伸ばす。
『星を…見に来たの』
「ああ…」
恋歌の答えになるほどと空を見上げるが、既に一番星が見える時間は過ぎている。
今の理由が本当の理由ではないとわかったが、詮索するようなことはしない。
「恋歌」
ぎゅっとお腹に回している手に力を入れて、恋歌の肩に顎を乗せてくる。
「それ、似合ってる」
一瞬何のことを言われているかわからなかったが、パジャマの事を言っているのだとわかり、自分の顔の横にあるローに擦り寄る。
『ありがとう』
お腹にある手の上に自分の手を重ねると、手首を反して指を絡めて握ってきた。
「ちゃんと寝ろ」
『うん
ここで、寝てもいい?』
「ああ」
ローの返事を聞いてカップを床に置き、寝やすいように姿勢を整え、ローの胸に頭を預けるようにして目を閉じる。
『おやすみ』
「おやすみ」
ぽんぽん、と背中を叩いてくれる手に意識はすぐに薄れていった。
「あ、やっぱ部屋にいないと思ったらここだった」
翌朝、みんなを起こしていたらしいペンギンが恋歌を部屋に呼びに行くといなかったため、外に探しに来ればローの腕の中で眠っているのを発見した。
「寒いのにわざわざキャプテンと一緒とはな」
北の海は寒い。
夜ともなれば余計に寒いが、恋歌は安心しきったように眠っている。
「こいつが勝手に来たんだよ
そろそろ起こす」
「そんなこと言って、嬉しかっただろ?」
「…おい、恋歌
起きろ」
にやにやするペンギンを無視して、恋歌を揺するとゆっくと瞼が開いていく。
『…おはよう』
「おはよう
朝飯、できてるぞ」
眠そうな顔で挨拶をされたので、ペンギンがにっこり笑って返し、恋歌が伸びをして完全に起きるのを待ってやる。
≪ごめんね
重くなかった?≫
「ああ、問題ねぇよ」
数時間恋歌を支えていたが、特に身体に支障はない。
「キャプテンも朝飯食べるだろ?」
「ああ」
シャチとベポが朝食を用意してくれているので、3人で食堂へ向かった。
すでにローは外で見張りをしており、食堂には最後まで残った恋歌が、ぽつんと1人で本を読んでいる。
『(人を…わたしの魔法の中に、か)』
シャチに言われたことが本当に可能なのかどうか、それを調べる為に本を読んでいるが、まだ答えは見つかっていない。
もしかすると誰もやった事がないのかもしれない。
収納の魔法は基本的に魔女であれば誰でも出来る。
そこに誰かをいれようとは考えた事はないのかもしれない。
静まり返っている船内で、ふと時計を見ればとうに日付は変わっていて、時刻は深夜とも早朝とも言える時間。
ぱたん、と本を閉じて立ち上がり、少し考えてから2人分の紅茶を準備して甲板に出た。
『(さすがに寒いか)』
ほんのり明るくなってきている水平線に、息を吐けば白く色がつく。
「恋歌?」
扉の横の壁を背にして毛布にくるまっていたローは、こんな早い時間に恋歌が外に出てきていることに驚いている。
笑ってローの前に淹れたての紅茶を置けば、はぁとため息をついてぐいっと腕を引っ張られる。
「そんな恰好で出てくる奴があるか」
呆れたような声だが、足の間に入れて後ろから抱きしめるように手を回してくれるローのぬくもりに、背中を預けて小さくごめんなさいと言えば、それ以上怒られることはない。
2つあるカップを見て、1つは自分の物なのだと理解したローは、湯気の出ているそれをとり、冷えた身体に流し込む。
「眠れねぇのか?」
その問いに首を横に振った恋歌は、自分も紅茶を飲もうとカップに手を伸ばす。
『星を…見に来たの』
「ああ…」
恋歌の答えになるほどと空を見上げるが、既に一番星が見える時間は過ぎている。
今の理由が本当の理由ではないとわかったが、詮索するようなことはしない。
「恋歌」
ぎゅっとお腹に回している手に力を入れて、恋歌の肩に顎を乗せてくる。
「それ、似合ってる」
一瞬何のことを言われているかわからなかったが、パジャマの事を言っているのだとわかり、自分の顔の横にあるローに擦り寄る。
『ありがとう』
お腹にある手の上に自分の手を重ねると、手首を反して指を絡めて握ってきた。
「ちゃんと寝ろ」
『うん
ここで、寝てもいい?』
「ああ」
ローの返事を聞いてカップを床に置き、寝やすいように姿勢を整え、ローの胸に頭を預けるようにして目を閉じる。
『おやすみ』
「おやすみ」
ぽんぽん、と背中を叩いてくれる手に意識はすぐに薄れていった。
「あ、やっぱ部屋にいないと思ったらここだった」
翌朝、みんなを起こしていたらしいペンギンが恋歌を部屋に呼びに行くといなかったため、外に探しに来ればローの腕の中で眠っているのを発見した。
「寒いのにわざわざキャプテンと一緒とはな」
北の海は寒い。
夜ともなれば余計に寒いが、恋歌は安心しきったように眠っている。
「こいつが勝手に来たんだよ
そろそろ起こす」
「そんなこと言って、嬉しかっただろ?」
「…おい、恋歌
起きろ」
にやにやするペンギンを無視して、恋歌を揺するとゆっくと瞼が開いていく。
『…おはよう』
「おはよう
朝飯、できてるぞ」
眠そうな顔で挨拶をされたので、ペンギンがにっこり笑って返し、恋歌が伸びをして完全に起きるのを待ってやる。
≪ごめんね
重くなかった?≫
「ああ、問題ねぇよ」
数時間恋歌を支えていたが、特に身体に支障はない。
「キャプテンも朝飯食べるだろ?」
「ああ」
シャチとベポが朝食を用意してくれているので、3人で食堂へ向かった。