リ「…それは命をかけるということですか？」

『いえ、私が命をかけるとまた説教されてしまうのでそれはなるべく避けたいですね』

おどけたように言う恋歌にリーシャ以外の三人が笑う。

エ「もうあんなことにはならねぇから大丈夫だ」

『うん、私もなるぺくは無茶しないようにする』

エ「なるべくじゃ意味ねぇんだけど…」

『みんなに何かあったらやれることはやりたいの


見てるだけなんて嫌だから』

エ「…気ぃつけるよ」

最後はエースが折れて降参と言うように両手をあげた。

リ「貴女は一体…」

恋歌の口ぶりではまるで恋歌が戦えるようだ。

リーシャはただの非戦闘員だとばかり思っていたのでどういうことなのかと恋歌を見つめる。

『白ひげ海賊団の恋歌は船のことや海のことなどここにいる人たちに比べたらなんにも知らないただの女です

でもいざとなれば助っ人が来てくれますから』

リ「それは他力本願なのでは？」

『そうとも言いますね』

クスクスと笑いながら言う恋歌にリーシャはさらに疑問を持つ。

リ「その人が誰なのかは存じませんが白ひげ海賊団ではないということはこの船には乗っていないのではないですか？」

『というより海賊でもないですよ』

リ「ならば尚更のこと

貴方が危険であることに変わりはありません」

恐らくリーシャは本気で恋歌を心配して言ってくれているのだろう。

力のないものはこの海では生きていけないことを知っているから。

リ「あなた方も常に恋歌さんを護衛しているというわけにはいかないばすです

それでもこの船に置いておかれるつもりですか？」

エ「恋歌がここにいるのは俺との約束があるからだ

だから俺はどんなことがあっても恋歌を守るし、常に気を張っていろと言うのであればそうする

命だってかけてやるさ

でもそれを恋歌が望まない

自分のせいで俺らが傷つくことを一番許せない人だからな」

リ「しかし…」

エ「あんたは恋歌がどんな女なのか知らないからな

恋歌のことを心配してくれて言ってくれてんのは嬉しいけどさ俺らはこの生活を望んでいるし止めるつもりもない

そしてそれを止める権利もあんたにはないさ」

エースに強く言われたリーシャはとうとう口を閉じた。

『心配してくれてありがとうございます

でも言いましたよね？私がここにいるのは傍にいたい人がいるからだと

だから誰に何と言われようと降りるつもりはありません』

目を見合せあう恋歌とエースにリーシャもため息をついた。

サボ「この二人を引き離すことは諦めた方がいい

この船の誰もそれを望んでいない

守ると決めた人だから」

リ「ここまで頑固な人は初めて見ました

私もお手上げですよ」

ニ「恋歌に敵う人は誰もいないと思うわ

あのエースでさえも微笑まれただけで折れるんだから」