海に落ちたシャンクスは赤髪海賊団のクルーに助けてもらっていた。

『えっと、その、ごめんなさい…』

びしょ濡れになったシャンクスに恋歌は申し訳なさそうに謝罪している。

エ「気にしなくていいんじゃね？

こいつが変なこと言ったのが悪いんだし」

『でも…』

ベン「気にすんな

あれはどう見てもお頭が悪かった

恋歌が謝ることじゃないさ」

『すみません…』

勢いとはいえ、海に落としてしまったことに罪悪感があるらしい。

シ「いやー、相変わらず見事な蹴りだったな！」

海に落とされた本人は何も気にしていないようだったが。

ヤ「しっかしお頭も見事な飛ばされっぷりだったな！」

ヤソップの言葉に先程の飛ばされたときのことを思い出したクルーが笑い始める。

自分が笑われているというのに一緒に笑い出すシャンクス。

エ「こいつには気にするだけ無駄だと思うぜ？」

『…』











シ「でもよーさっきマルコお前ここには恋歌はいねぇって言ってたじゃねぇか

嘘つきやがって」

拗ねたような口調のシャンクスにマルコは鼻で笑う。

マ「ふん、お前に大事な妹の居場所を教えるわけねぇだろい」

シ「妹？ってことは恋歌は…」

『はい、白ひげ海賊団に入れてもらいました

もちろん"恋歌"として』

それはつまり"桜姫"としてではなく普通の女として迎えられたということなのだろう。

それが伝わったシャンクスは安心したように笑った。

シ「そうか…

白ひげの元ならまぁ安全だろうしな」

マ「まぁってなんだよい…」

エ「つか、用事終わったなら帰れよ」

エースは先程恋歌に抱きついたシャンクスを許していないのか若干睨み付けながら不機嫌そうに言う。

シ「なんだよ、ヤキモチか？

心の狭い男はモテねぇぞ？」

シャンクスがからかうようにそう言えばエースは舌を出して恋歌の肩を引き寄せた。

『？』

エ「俺は別にモテなくても恋歌が俺のことを好きでいてくれればいいんだよ

おっさんとは違うんだ」

シ「ってめ！その手を離せ！」

エ「嫌だね

そっちこそ早く恋歌のこと諦めろ」

シ「誰が諦めるか！」

子どものような二人のやりとりを微笑ましそうに見守る二つの海賊団。

エースに肩を抱かれている恋歌も幸せそうに笑っていた。