海王類では５日もかかる距離でも恋歌ならば往復で三時間もかからなかった。

もっとも、今回はハンコックのことを考えていつもよりゆっくり進んでいたからなのだが。

女ヶ島に着くとハンコックの安否を心配していた島の女たちが一斉に駆け寄ってきた。

連れてきてくれた恋歌に大層感謝して何か土産をとまで言われてしまったが恋歌としてハンコックが自分に会いに危険を侵してまで来てくれたことが嬉しかったので丁寧に断った。

『じゃあ私は行くね』

ハ「はい、お送りくださりありがとうございます

またここにも遊びに来てくださいまし」

『うん

会いに来てくれてありがとう、嬉しかった』

ハ「恋歌様に何かあれば我ら九蛇海賊団は直ぐ様駆けつけますゆえ、そのことお忘れなきよう

そこらの男どもより恋歌様のお力になります」

『ありがと

ハンコックも女ヶ島のみんなとか自分の身に何か起こったら私が助けに来るからね』

ハ「ありがたきお言葉にございます

それでは道中といいますか、帰り道お気をつけくださいまし」

ぺこりと頭を下げたハンコックを恋歌の正体を知らない者は驚いた表情で見ている。

しかし皇帝であるハンコック、それに加えて妹たち、ニョン婆まで頭を下げているのを見て慌てて女たちも頭を下げた。

全員に頭を下げられ恋歌は苦笑いしながらも頭を下げるハンコックの頭を撫でてから女ヶ島を後にした。


恋歌が帰ったあとには頭を撫でられたことにより暫く悶えるハンコックがいたとかいなかったとか…。












船を出てから三時間。

ようやく白ひげ海賊団の船が見えてきたと思ったら見覚えのある船が横につけられている。

『？何か用事かな？』

船で来るなど珍しいななどと思いながらも恋歌は三人のペンダントの気配のあるところに降りていく。











マ「だから！ここにはいねぇからさっさと帰れって言ってるんだよい！」

船の甲板に降りるとマルコが怒鳴っているところだった。

しかし、怒鳴られている相手はにこにこしながら軽く流している。

回りに倒れている白ひげクルーたちは恐らく強すぎる覇気に当てられたのだろう。

シ「だからな、ここにいなくてもあいつらが呼べば来てくれるんだろ？

一目でいいから会いたいんだって」

あいつらと言って指差したのはエースたち。

頼んでいるのは赤髪海賊団船長、赤髪のシャンクスだ。

近くには赤髪の幹部たちも成り行きを見守りながらため息をついている。