ハンコックは恋歌に腕を引かれて手摺に上がる。

『ちょっとごめんね』

ハ「？…!?

恋歌様何を！」

よいしょ、と軽く言って恋歌はハンコックを横抱きにした。

ハンコックは恋歌に抱き上げられて嬉しいやら申し訳ないやらであたふたしている。

『あんまり暴れないでね

落とすかもしれないから』

恋歌ならどんなことがあっても落とすことはないとは思うがハンコックはおとなしくなった。

自分より身長の高いハンコックを抱えている恋歌だが、軽々と抱えている。

一瞬でダークブーツを発動させた恋歌はハンコックに女ヶ島の方向を聞いた。

『送ったらすぐに帰ってくるね』

エ「わかった」

とん、と軽く手摺を蹴るとハンコックの示した方にいつもよりゆっくりと飛んでいった。











サボ「よく母さんが行くのあっさり許したな」

エ「恋歌なら自分に会いに来てくれたやつを危険の多い海に帰るからってはい、そうですかって帰すわけないと思ったからな」

サボ「なるほどな」

ニ「さすがよく恋歌のことを理解してらっしゃること」

エ「そりゃな」

サボ「しっかし何かあの細腕で軽々とあの海賊女帝を抱き抱えるとは思わなかった」

ニ「ハンコックは嬉しそうだったけどね」

サボ「ちょっとかっこよかったな」

エ「どこからあんな力が出てくるのやら」

サボ「そこは桜姫クオリティということで」

エ「なんだそりゃ」

ニ「まぁ今は恋歌のことより重要なのはこの倒れたみんなをどうするかってことね」

サボ「……今なら白ひげ海賊団を攻める絶好のチャンスだな」

エ「冗談言ってねぇでこいつら起こすぞ」

ニ「ハンコックに石にされなかっただけありがたいわね」

エ「恋歌の前ではこいつらなんか眼中になかったんだろうよ」

サボ「うちの母さんはすごいのに好かれたもんだな」

エ「…いろんなやつに好かれ過ぎると色々厄介だけどな」

サボ「母さんの彼氏って立場も辛そうだな」

エ「んな楽しそうな顔で言われても嬉しくねぇよ」