ウ「お、戻ってきた」

サンジと恋歌がえびす町に戻ると、すでにロー、ウソップ、フランキーの3人はえびす町に避難できていた。

2人とも変装を解き、3人の近くに降り立つ。

ウ「無事で何よりだ！

ところでサンジ！さっきのなんだ！？」

サ「ん？あー…あれはだな…」

サンジの変身に興奮が冷めていないウソップとフランキーが、変身のことについて問いただしている。

ロー「怪我は？」

『ありません』

ジェルマのことも詳しく聞きたいだろうに、恋歌に怪我がないかを一番に確認しにきてくれた。

恋歌に怪我がないとわかるとほっとしたような顔になる。

ロー「一先ず中で話そう

空き家は使っていいらしいからな」

ローに促され、えびす町の空き家に5人で足を踏み入れる。

フ「うわ、こりゃひでぇな…」

空き家の中は埃だらけで中もボロボロ。

恋歌とローが使っている家を綺麗にする前も同じような状態だった。

『ローさん』

ロー「なんだ」

『どうして私たちが使ってる家に行かないんですか？』

わざわざボロボロの家を使わなくても、恋歌とローが使っている家ならかなり綺麗になっている。

そっちを使えばいいのにとローに聞いてみれば、しばらくの沈黙の後小さくため息をついた。

ロー「…なんとなくだ」

『そうですか…』

ローの意図はわからなかったが、特にいつもの家がいいという理由もないので、恋歌も空き家に入ろうとした。

「あれー？お姉ちゃん帰ってきたの？」

後ろから声をかけられ振り向くと、女の子がにこにこしながら立っていた。

『うん』

「そっか！なんかお兄ちゃんも増えてるね！」

ロー以外にも3人男が増えているので、笑顔のままじーっと3人を見つめる。

「お姉ちゃん…旦那様こんなにたくさんいるの？」

『……ん？』

「あのお兄ちゃんが旦那様だってみんな言ってたのに」

「「「え？」」」

ロー「（余計なことを…）」

終始笑顔のまま純粋に疑問に思ったことを尋ねてくる女の子になんと返答していいかわからず全員が固まる。

ロー「……おい、それは誤解だ

こいつらは恋歌の旦那じゃねぇ」

「なーんだ！やっぱり！！

よかったー！」

アハハハハ！と笑いながら走ってどこかへ行ってしまった女の子を見送り、誰にも話しかけられないうちに中に入ろうと外にいる恋歌を引っ張って家の中に入れた。

ロー「よし、じゃあまずは状況を整理するぞ」

ウ「いやいやいや！！待てよ！

今の話が気になりすぎてそれどころじゃねぇよ！」

普通に畳に上がって話を続けるローにウソップが突っ込む。

だが、それは他の2人も同じだったようでローに回答を求めるように視線を向ける。

ロー「…はぁ

俺と恋歌は数日前からここを拠点にしてる

初めてここに来たときに駆け落ちの夫婦と間違えられて、誤解を解くのも面倒だからそのまま通してるだけだ」

サ「数日前から…？

ってことはお前！恋歌さんとずっと行動を…！？」

ウ「ていうか駆け落ち！？」

フ「しかももう旦那って町に浸透してんじゃねぇか…」

ロー「…だから言いたくなかったんだ」

『そうですね…』

この3人にバレれば質問攻めになることはわかっていた。

2人で過ごした家に他の男が上がるのも嫌というのもあったが、一番は説明が面倒だから。

今の自分たちの関係をなんと言って説明すればいいのかわからない。

ロー「細かいことはいい

そんなことより明日からどうするかだ」

「「「いいわけねぇだろ！」」」

3人から突っ込みが入るが、ローは答える気はないようで淡々と話を進めていく。