パラレル番外
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念の為ばらばらにえびす町に帰ろうということになり、人気のない場所で恋歌が先に空から帰った。
先にえびす町に帰った恋歌は、風呂をもう一度準備するかを悩んでいた。
一度目は自分も使いたかったのと気まぐれ、そしてこの町の人たちが笑顔で受け入れてくれたから。
けれどもうこの町のために作った風呂は壊しており、再度作ることはできるが風呂のある生活に慣れていないえびす町の町人に、毎日お風呂に入れるのではと思われるのもあまり良くない。
『(けどわたしが入りたいってのもあるんだよね…)』
純粋に恋歌が入りたいというのもあり、おそらくローも風呂は毎日入りたいタイプなはず。
『よし』
決めた、と立ち上がった恋歌は家の中で柏手をうった。
『あ、おかえりなさい』
ロー「ああ…」
恋歌が作業を始めてからしばらくして、ローが帰ってきたので声をかけると扉を開けた状態で固まった。
ロー「これは…?」
『お風呂です』
家の中には今朝までなかった四角い箱のようなものがある。
中は見えず軽く叩いてみるとこん、と軽い音が鳴った。
『今回はあまり大掛かりなのはやめておきました
わたしも使うんですけど、よかったら使ってください』
ロー「…助かる」
恋歌のなんでもありな行動に慣れつつあるローは、礼だけを言ってとりあえず畳に腰掛けた。
『これどうぞ』
ぽん、と渡されたのは新しい手拭いが数枚と石鹸が入っている昨日身体を拭くために作った桶だった。
どこから作ったのか黒色の浴衣も渡される。
『細かい仕組みは気にしないでください
ここから入れるのでお先にどうぞ』
開くとは思っていなかった場所が開いて、恋歌に促され中を覗けば箱よりも大きな空間が広がっていた。
簡易的ではあるが脱衣所もあり、浴槽もある。
ロー「(桜姫の力の無駄遣いだな…)」
世界最強と言われる恋歌の力はえびす町に来てから、ほぼお風呂にしか発揮されていない。
どうしたらこんな空間を作る事ができるのか疑問だったが、詮索したところで理解できそうにもなかったので箱の中に足を踏み入れた。
そして数十分後。
風呂の扉を開けると恋歌は畳の上で刀の手入れをしていた。
『よかった、浴衣もぴったりそうですね』
ロー「ああ」
昨日より至れり尽せりな時間を過ごしている気がしたが、恋歌との時間を他の者たちに取られないでよかったとも思っている。
ロー「桜姫ってのは戦いで世界最強じゃなかったか?」
『んー…あんまり自分では意識した事ないですね…
わたしより強い人はきっといますよ』
たしかにカイドウを簡単に気絶させていたが、それ以外は戦闘を見ていない。
笑っているところを見ると、本人にもあまり自覚はないように見える。
ロー「それは?」
刀の手入れかと思ったが、簡単に手拭いで拭いてじーっと刃の部分を見ているだけ。
自分の手入れの方法とは違うので、純粋な疑問だった。
『刃こぼれとかないか見てるだけなんですよ
あとはちょっと汚れてたら拭いてあげるぐらいです』
恋歌の刀は普通の刀とは根本的に違うので、手入れもあまり必要ない。
今日はローのお風呂を待っている間が暇だったので、気まぐれに始めただけ。
手入れの方法は持ち主によって違うだろうとあまり気には止めないことにしたが、それよりももっと気になる事がある。
ロー「恋歌お前…何本刀持ってるんだ?」
『30本ぐらいですね』
手入れが終われば恋歌は自分の横に置いているのだが、それが山積みになってきている。
到底1人では扱える本数ではない。
ロー「これは俺が触ってもいいやつか?」
『…抜けないかもしれませんけど』
桜姫の刀に興味が湧いたローが、恋歌の刀を一本取って抜いてみようと柄に手をかけて力を入れたがびくともしない。
『別にいいよ』
抜けない様子を見てやっぱりか、と恋歌がローが持っている刀をちょん、と触ると今度はあっさりと抜く事ができた。
ロー「見た目は普通の刀だな…」
重さや長さは普通の刀で、妖刀というわけでもなさそう。
ロー「普通は恋歌以外に抜くことはできねぇし、使うこともできねぇってことか」
『あんまりローさんとかゾロみたいに刀を振ったりするわけじゃないので、他の人に抜かれてもいいんですけどね』
ロー「そういや刀が桜になったりするんだったな」
『はい
ちなみにその子は氷が出せます』
ロー「風呂の時にいたやつか」
『そうです
わたしが持ってる子は切った分重たくする事ができます』
ロー「そんなこと俺に話していいのか?」
いずれ敵になると自分で言っていたにもかかわらず、ぺらぺらと自分の力を話してくる。
『いいですよ
秘密にしてるわけではないですし』
ロー「まぁ…恋歌がいいならいいけどよ…」
『それに…ローさんは言いふらしたりとかしないでしょう?
だからいいんです』
言いふらされて困るわけではないが、ローがそんなことをしないのもわかっている。
いずれは敵だとしても、今信頼できる相手であることは間違いない。
ロー「…ああ、そうだな」
先にえびす町に帰った恋歌は、風呂をもう一度準備するかを悩んでいた。
一度目は自分も使いたかったのと気まぐれ、そしてこの町の人たちが笑顔で受け入れてくれたから。
けれどもうこの町のために作った風呂は壊しており、再度作ることはできるが風呂のある生活に慣れていないえびす町の町人に、毎日お風呂に入れるのではと思われるのもあまり良くない。
『(けどわたしが入りたいってのもあるんだよね…)』
純粋に恋歌が入りたいというのもあり、おそらくローも風呂は毎日入りたいタイプなはず。
『よし』
決めた、と立ち上がった恋歌は家の中で柏手をうった。
『あ、おかえりなさい』
ロー「ああ…」
恋歌が作業を始めてからしばらくして、ローが帰ってきたので声をかけると扉を開けた状態で固まった。
ロー「これは…?」
『お風呂です』
家の中には今朝までなかった四角い箱のようなものがある。
中は見えず軽く叩いてみるとこん、と軽い音が鳴った。
『今回はあまり大掛かりなのはやめておきました
わたしも使うんですけど、よかったら使ってください』
ロー「…助かる」
恋歌のなんでもありな行動に慣れつつあるローは、礼だけを言ってとりあえず畳に腰掛けた。
『これどうぞ』
ぽん、と渡されたのは新しい手拭いが数枚と石鹸が入っている昨日身体を拭くために作った桶だった。
どこから作ったのか黒色の浴衣も渡される。
『細かい仕組みは気にしないでください
ここから入れるのでお先にどうぞ』
開くとは思っていなかった場所が開いて、恋歌に促され中を覗けば箱よりも大きな空間が広がっていた。
簡易的ではあるが脱衣所もあり、浴槽もある。
ロー「(桜姫の力の無駄遣いだな…)」
世界最強と言われる恋歌の力はえびす町に来てから、ほぼお風呂にしか発揮されていない。
どうしたらこんな空間を作る事ができるのか疑問だったが、詮索したところで理解できそうにもなかったので箱の中に足を踏み入れた。
そして数十分後。
風呂の扉を開けると恋歌は畳の上で刀の手入れをしていた。
『よかった、浴衣もぴったりそうですね』
ロー「ああ」
昨日より至れり尽せりな時間を過ごしている気がしたが、恋歌との時間を他の者たちに取られないでよかったとも思っている。
ロー「桜姫ってのは戦いで世界最強じゃなかったか?」
『んー…あんまり自分では意識した事ないですね…
わたしより強い人はきっといますよ』
たしかにカイドウを簡単に気絶させていたが、それ以外は戦闘を見ていない。
笑っているところを見ると、本人にもあまり自覚はないように見える。
ロー「それは?」
刀の手入れかと思ったが、簡単に手拭いで拭いてじーっと刃の部分を見ているだけ。
自分の手入れの方法とは違うので、純粋な疑問だった。
『刃こぼれとかないか見てるだけなんですよ
あとはちょっと汚れてたら拭いてあげるぐらいです』
恋歌の刀は普通の刀とは根本的に違うので、手入れもあまり必要ない。
今日はローのお風呂を待っている間が暇だったので、気まぐれに始めただけ。
手入れの方法は持ち主によって違うだろうとあまり気には止めないことにしたが、それよりももっと気になる事がある。
ロー「恋歌お前…何本刀持ってるんだ?」
『30本ぐらいですね』
手入れが終われば恋歌は自分の横に置いているのだが、それが山積みになってきている。
到底1人では扱える本数ではない。
ロー「これは俺が触ってもいいやつか?」
『…抜けないかもしれませんけど』
桜姫の刀に興味が湧いたローが、恋歌の刀を一本取って抜いてみようと柄に手をかけて力を入れたがびくともしない。
『別にいいよ』
抜けない様子を見てやっぱりか、と恋歌がローが持っている刀をちょん、と触ると今度はあっさりと抜く事ができた。
ロー「見た目は普通の刀だな…」
重さや長さは普通の刀で、妖刀というわけでもなさそう。
ロー「普通は恋歌以外に抜くことはできねぇし、使うこともできねぇってことか」
『あんまりローさんとかゾロみたいに刀を振ったりするわけじゃないので、他の人に抜かれてもいいんですけどね』
ロー「そういや刀が桜になったりするんだったな」
『はい
ちなみにその子は氷が出せます』
ロー「風呂の時にいたやつか」
『そうです
わたしが持ってる子は切った分重たくする事ができます』
ロー「そんなこと俺に話していいのか?」
いずれ敵になると自分で言っていたにもかかわらず、ぺらぺらと自分の力を話してくる。
『いいですよ
秘密にしてるわけではないですし』
ロー「まぁ…恋歌がいいならいいけどよ…」
『それに…ローさんは言いふらしたりとかしないでしょう?
だからいいんです』
言いふらされて困るわけではないが、ローがそんなことをしないのもわかっている。
いずれは敵だとしても、今信頼できる相手であることは間違いない。
ロー「…ああ、そうだな」