大恩人の形見
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
人気のない場所まで連れてきた恋歌は、立ち止まって女の手を離すと女も立ち止まった。
『あそこには聞き耳立ててる人がいっぱいいたからこっちの方が話しやすいですよ』
「あ…はい
えっと…話、聞いてくれるんですか?」
『?
聞いて欲しくて声をかけたんですよね?』
「正直…こんなに普通に話を聞いてもらえるとは思ってなくて…」
『変な話とかじゃなきゃ聞きますよ
大事な話なんでしょう?』
女が緊張しているのは桜姫に話しかけるのが怖かったからだけではないというのは最初からわかっていた。
何か大事なことを話したいから敢えて桜姫に話しかけたということも。
「ありがとう…
自己紹介もまだでしたね
わたしはジェシカ
あなたに…助けてもらい人がいる…」
『助けてもらいたい人?』
ジ「はい…
わたしには結婚を約束した人がいました
その人が…あることで死刑を言い渡されました…」
ぎゅっ、と拳を握りしめてうつむくジェシカの言葉は、今にも泣き出しそうだった。
ジ「ここの剣闘士たちはみんな死刑囚ばかり
だから…戦いの中で命を落としても…みんな何とも思わないし罪にも問われない…」
『その人はなにをして死刑になるんですか?』
ジ「……この国の姫様の…求婚を断ったんです
姫様はとてもプライドが高く、わがままに育てられたので今まで思い通りにならないことはなかったと聞いています
今回の求婚を除いて…」
『それだけで死刑…』
ジ「死刑と宣告されるとこのコロシアムでの戦いを命じられます
そして…そこで生き残れば解放される…
でもこのコロシアムで生き残るのはいつも優勝者だけ
しかも今回は優勝賞品が悪魔の実…
いつもより強い人たちが集まってて…どうしたらいいかわからなくなった…」
『それでなぜわたしに声をかけたんですか?』
ジ「あなたは…懸賞金は高いけど悪い噂を聞いたことがない
少しでもあの人が助かる確率が上がるなら、わたしはわたしにできることをしたいと思ったの」
だから力を貸して欲しいと頭を下げるジェシカに、恋歌はしゃがんで下からジェシカを見上げる。
『わたし今回はどうしても優勝しないといけない理由があるんです
わたしができることはあなたとその彼を死なせないこと
それに生きて終われたとしてもこの島で住み続けることはできないと思います
それでもいいですか?』
こんな趣味の悪い催しをする国なのだから、優勝者以外に生存者がいることは許されないだろう。
たとえ許されたとしても無罪放免というわけにはいかないはず。
ジ「その覚悟はできています
悪魔の実もいりません」
『そうですか
ならいいですよ
手を組みましょう』
すっと下から出された手にどうしていいかわからないジェシカは戸惑う。
ジ「わたしと桜姫が手を組む?
わたしは…なにもあなたにできることはないですよ?」
『わたしはこの国のことを知らないのでわからないことがあれば教えてもらえたら充分です』
たったそれだけのことでいいのかと、罠かもしれないと一瞬思ったがもう頼れる者がおらず、最後の希望として恋歌を信じると決め恋歌の手を握り締めた。
ジ「よろしくお願いします」
『はい』
ジ「えっと、じゃあ早速だけど桜姫の…『恋歌』
え?」
『わたしの名前
恋歌だから好きに呼んで
それに共闘するなら敬語もなしで』
本名すら出回っていない桜姫の本名をあっさりと知ることができたので一瞬耳を疑ったが、やはり噂通り悪い人物ではないと信じることができた。
ジ「うん…よろしく恋歌
じゃあさっきの話の続きだけど、さっきの部屋から何かひとつは持って参加しないといけないの
だから今の恋歌の格好じゃだめなんだ」
『ふーん…
じゃあ見に行くのついてきてくれる?』
ルールをまだいまいち理解できていない恋歌は、出場資格がなくなるのがだめなので、ジェシカに色々と教えてもらうことにした。
2人で先程の部屋に戻り特になにも装備がいらない恋歌の為に、ジェシカが腕輪を持ってきてくれた。
『これは防具?』
ジ「一応ね
恋歌みたいに防具とか武器が必要ない人はこれをつけることが多いみたい」
『詳しいね』
ジ「わたしも…この国で育ってるからね…」
ジェシカに渡された腕輪をつけたが、趣味の悪い金色の腕輪はたとえ規則だとしてもあまりつけたくはないものだった。
『あとなにかしておくことある?』
ジ「今回は人数が多いから4つのグループに分けて予選から始まるの
恋歌は…396番だからBグループ
わたしはCグループであの人はAグループ
最初はみんなばらばらだけど…そこは勝ち残るしかない…」
『予選はどうやったら突破するの?』
ジ「1つのグループに200人いるからその中の50人に残ればいいの」
『予選突破はできそう?』
ジ「……なんとかする」
『あそこには聞き耳立ててる人がいっぱいいたからこっちの方が話しやすいですよ』
「あ…はい
えっと…話、聞いてくれるんですか?」
『?
聞いて欲しくて声をかけたんですよね?』
「正直…こんなに普通に話を聞いてもらえるとは思ってなくて…」
『変な話とかじゃなきゃ聞きますよ
大事な話なんでしょう?』
女が緊張しているのは桜姫に話しかけるのが怖かったからだけではないというのは最初からわかっていた。
何か大事なことを話したいから敢えて桜姫に話しかけたということも。
「ありがとう…
自己紹介もまだでしたね
わたしはジェシカ
あなたに…助けてもらい人がいる…」
『助けてもらいたい人?』
ジ「はい…
わたしには結婚を約束した人がいました
その人が…あることで死刑を言い渡されました…」
ぎゅっ、と拳を握りしめてうつむくジェシカの言葉は、今にも泣き出しそうだった。
ジ「ここの剣闘士たちはみんな死刑囚ばかり
だから…戦いの中で命を落としても…みんな何とも思わないし罪にも問われない…」
『その人はなにをして死刑になるんですか?』
ジ「……この国の姫様の…求婚を断ったんです
姫様はとてもプライドが高く、わがままに育てられたので今まで思い通りにならないことはなかったと聞いています
今回の求婚を除いて…」
『それだけで死刑…』
ジ「死刑と宣告されるとこのコロシアムでの戦いを命じられます
そして…そこで生き残れば解放される…
でもこのコロシアムで生き残るのはいつも優勝者だけ
しかも今回は優勝賞品が悪魔の実…
いつもより強い人たちが集まってて…どうしたらいいかわからなくなった…」
『それでなぜわたしに声をかけたんですか?』
ジ「あなたは…懸賞金は高いけど悪い噂を聞いたことがない
少しでもあの人が助かる確率が上がるなら、わたしはわたしにできることをしたいと思ったの」
だから力を貸して欲しいと頭を下げるジェシカに、恋歌はしゃがんで下からジェシカを見上げる。
『わたし今回はどうしても優勝しないといけない理由があるんです
わたしができることはあなたとその彼を死なせないこと
それに生きて終われたとしてもこの島で住み続けることはできないと思います
それでもいいですか?』
こんな趣味の悪い催しをする国なのだから、優勝者以外に生存者がいることは許されないだろう。
たとえ許されたとしても無罪放免というわけにはいかないはず。
ジ「その覚悟はできています
悪魔の実もいりません」
『そうですか
ならいいですよ
手を組みましょう』
すっと下から出された手にどうしていいかわからないジェシカは戸惑う。
ジ「わたしと桜姫が手を組む?
わたしは…なにもあなたにできることはないですよ?」
『わたしはこの国のことを知らないのでわからないことがあれば教えてもらえたら充分です』
たったそれだけのことでいいのかと、罠かもしれないと一瞬思ったがもう頼れる者がおらず、最後の希望として恋歌を信じると決め恋歌の手を握り締めた。
ジ「よろしくお願いします」
『はい』
ジ「えっと、じゃあ早速だけど桜姫の…『恋歌』
え?」
『わたしの名前
恋歌だから好きに呼んで
それに共闘するなら敬語もなしで』
本名すら出回っていない桜姫の本名をあっさりと知ることができたので一瞬耳を疑ったが、やはり噂通り悪い人物ではないと信じることができた。
ジ「うん…よろしく恋歌
じゃあさっきの話の続きだけど、さっきの部屋から何かひとつは持って参加しないといけないの
だから今の恋歌の格好じゃだめなんだ」
『ふーん…
じゃあ見に行くのついてきてくれる?』
ルールをまだいまいち理解できていない恋歌は、出場資格がなくなるのがだめなので、ジェシカに色々と教えてもらうことにした。
2人で先程の部屋に戻り特になにも装備がいらない恋歌の為に、ジェシカが腕輪を持ってきてくれた。
『これは防具?』
ジ「一応ね
恋歌みたいに防具とか武器が必要ない人はこれをつけることが多いみたい」
『詳しいね』
ジ「わたしも…この国で育ってるからね…」
ジェシカに渡された腕輪をつけたが、趣味の悪い金色の腕輪はたとえ規則だとしてもあまりつけたくはないものだった。
『あとなにかしておくことある?』
ジ「今回は人数が多いから4つのグループに分けて予選から始まるの
恋歌は…396番だからBグループ
わたしはCグループであの人はAグループ
最初はみんなばらばらだけど…そこは勝ち残るしかない…」
『予選はどうやったら突破するの?』
ジ「1つのグループに200人いるからその中の50人に残ればいいの」
『予選突破はできそう?』
ジ「……なんとかする」