大恩人の形見
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船の中に入った恋歌は、初めての潜水艇でどこに向かえばいいのかわからず、扉を閉めた直後に立ち止まってしまった。
ロ「…こっちだ」
困っているのがわかったのか、恋歌が引っ張っていた手を今度はローが引っ張ってすたすたと船内を歩いていく。
しばらく歩いた先にある扉に通されると、そこはローの部屋の様で医学書やカルテなどが壁と一体になっている本棚に並べられた部屋だった。
ロ「まぁ座れ」
がたん、と椅子を置き恋歌が座ったのを確認すると、ローは机の前にある椅子に深く腰掛けた。
ロ「急に呼び出して悪かったな」
『いえ、これが私の仕事ですから』
ロ「これを…知ってるか?」
机の上に無造作に置かれていた新聞を取り、恋歌に手渡し一面を読んでほしいと伝える。
『セウム王国主催の催し…コロシアム?』
ロ「ああ
その国は腕に覚えのある猛者が集まって殺し合いをする」
『…くだらないことしてるんですね』
ロ「それは俺もそう思う」
『それでこれがどうかしたんですか?』
なんとなくローの依頼がわかってきたが、理由がわからない。
ロ「今回の優勝賞品が悪魔の実なんだ」
『えー、っと…
あ、ほんとですね
優勝賞品は超人系悪魔の実”ナギナギの実”』
その悪魔の実の名前を口にした直後、ローの拳に力がはいったのがわかった。
『…この悪魔の実はローさんに必要なものなんですか?』
ロ「必要とか…そんなんじゃねぇ…
そいつは…俺に心をくれた大恩人が持っていた能力…
そして…形見だ…」
『…そうですか』
この世界で同時期に同じ悪魔の実が二つ存在することはない。
ローの恩人が持っていたと言う悪魔の実の能力が、実に戻っているという事は前の能力者は既に亡くなっているという事。
ロ「俺がその島へ行って盗んでくることも、俺や仲間たちと一緒にコロシアムの試合に出る事も考えた
けど…どれも現実的じゃない上に失敗したときのリスクを考えると実行に移せねぇ…」
『どうしてですか?』
ロ「セウム王国は屈強な騎士を育てていて、全員が覇気使い
そして海軍ともつながりがあって護衛には…大将クラスが来ることになっている」
『なるほど…』
ロ「試合中は海軍も手を出してこないが、試合が終わればすぐに逃げる必要がある」
たしかに今の話を聞けば海賊が大勢で試合に出る事は無謀であり、一人で侵入して盗んでくるというのも無茶な気がした。
だが、それをわかっていてもローは諦める事はできなかった。
だからこそ…一度しか使えない手札を使う事に決めたのだ。
ロ「恋歌…いや、桜姫
お前への依頼はコロシアムに優勝し”ナギナギの実”を俺に届ける事だ」
『…いいでしょう
その依頼承りました
必ずローさんの恩人の形見はあなたの手に持ってきて見せます』
容易い事だと笑う恋歌に、ローはすまないと頭を下げた。
最初から言いにくそうにしていたのも、私情で桜姫を呼べる珠を壊し、自分の恩人の形見を取り返してほしいというわがままを勝手に推し進めている事への罪悪感から。
頭を下げたまま動かないローの帽子の上に優しく手を置き、その手触りを確かめるように撫でた。
『謝る必要はありませんよ
ルフィと仲良くしてくれればそれだけで十分です』
ロ「…はっ
また…麦わら屋か…」
『それが私の原動力ですからね』
ロ「敵同士になるまでは同盟を組んだ相手だ
何かあれば俺は麦わら屋を手助けすると誓おう」
『はい
ありがとうございます』
ロ「…こっちだ」
困っているのがわかったのか、恋歌が引っ張っていた手を今度はローが引っ張ってすたすたと船内を歩いていく。
しばらく歩いた先にある扉に通されると、そこはローの部屋の様で医学書やカルテなどが壁と一体になっている本棚に並べられた部屋だった。
ロ「まぁ座れ」
がたん、と椅子を置き恋歌が座ったのを確認すると、ローは机の前にある椅子に深く腰掛けた。
ロ「急に呼び出して悪かったな」
『いえ、これが私の仕事ですから』
ロ「これを…知ってるか?」
机の上に無造作に置かれていた新聞を取り、恋歌に手渡し一面を読んでほしいと伝える。
『セウム王国主催の催し…コロシアム?』
ロ「ああ
その国は腕に覚えのある猛者が集まって殺し合いをする」
『…くだらないことしてるんですね』
ロ「それは俺もそう思う」
『それでこれがどうかしたんですか?』
なんとなくローの依頼がわかってきたが、理由がわからない。
ロ「今回の優勝賞品が悪魔の実なんだ」
『えー、っと…
あ、ほんとですね
優勝賞品は超人系悪魔の実”ナギナギの実”』
その悪魔の実の名前を口にした直後、ローの拳に力がはいったのがわかった。
『…この悪魔の実はローさんに必要なものなんですか?』
ロ「必要とか…そんなんじゃねぇ…
そいつは…俺に心をくれた大恩人が持っていた能力…
そして…形見だ…」
『…そうですか』
この世界で同時期に同じ悪魔の実が二つ存在することはない。
ローの恩人が持っていたと言う悪魔の実の能力が、実に戻っているという事は前の能力者は既に亡くなっているという事。
ロ「俺がその島へ行って盗んでくることも、俺や仲間たちと一緒にコロシアムの試合に出る事も考えた
けど…どれも現実的じゃない上に失敗したときのリスクを考えると実行に移せねぇ…」
『どうしてですか?』
ロ「セウム王国は屈強な騎士を育てていて、全員が覇気使い
そして海軍ともつながりがあって護衛には…大将クラスが来ることになっている」
『なるほど…』
ロ「試合中は海軍も手を出してこないが、試合が終わればすぐに逃げる必要がある」
たしかに今の話を聞けば海賊が大勢で試合に出る事は無謀であり、一人で侵入して盗んでくるというのも無茶な気がした。
だが、それをわかっていてもローは諦める事はできなかった。
だからこそ…一度しか使えない手札を使う事に決めたのだ。
ロ「恋歌…いや、桜姫
お前への依頼はコロシアムに優勝し”ナギナギの実”を俺に届ける事だ」
『…いいでしょう
その依頼承りました
必ずローさんの恩人の形見はあなたの手に持ってきて見せます』
容易い事だと笑う恋歌に、ローはすまないと頭を下げた。
最初から言いにくそうにしていたのも、私情で桜姫を呼べる珠を壊し、自分の恩人の形見を取り返してほしいというわがままを勝手に推し進めている事への罪悪感から。
頭を下げたまま動かないローの帽子の上に優しく手を置き、その手触りを確かめるように撫でた。
『謝る必要はありませんよ
ルフィと仲良くしてくれればそれだけで十分です』
ロ「…はっ
また…麦わら屋か…」
『それが私の原動力ですからね』
ロ「敵同士になるまでは同盟を組んだ相手だ
何かあれば俺は麦わら屋を手助けすると誓おう」
『はい
ありがとうございます』