そしてドリフの滞在が決まった日の夕食。

エースと恋歌が食堂に行くと、ドリフがクルーたちに囲まれていた。

びしょ濡れだった服は誰かに洗濯してもらっているらしく、誰かのぶかぶかの服を着ている。

エ「なにやってんだ？」

「あ！エース隊長！

こいつすげーんすよ！」

「一回見たものは忘れないみたいで、記憶力が半端ないんっす！」

エ「お、おう

そうか」

興奮気味にクルーたちがエースに語るが、正直言って興味はない。

エ「行こうぜ

腹減った」

一緒について来ていた恋歌の手を引いて、2人で座れる場所を探す。






エ「………」

『えっと…席が空いてないって言うから…』

ド「よっ」

エースがいつも通り食事を取りに行って帰ってくると、自分が座るはずの場所とは反対、つまり恋歌の隣に一番見たくない顔の男が座っていた。

皿を机に置き、恋歌とドリフの間に無理矢理割り込んで座る。

エ「さ、とっとと食って部屋戻ろうぜ」

『う、うん』

ドリフを完璧に無視しながらエースは黙々と食事を進めていく。











サボ「だめだ…！

笑いが止まらねぇ…！！」

少し離れた席で笑いが止まらず、食事をとれてないサボがニーナに呆れたような視線を向けられていた。

ニ「エースはともかく恋歌が可哀想よ…」

恋歌に話しかけようとするドリフをエースが必死に遮っている。

恋歌は話しかけられているのに無視などできる性格ではない。

しかしその性格が災いして、エースの機嫌が悪くなってきている。

ニ「でもなんであんなに恋歌のこと気にしてるんだろ」

サボ「ん？そりゃ可愛いからじゃないのか？

母さんは見た目小柄だし細いから守ってやりたくなる感じだしな」

ニ「それもあるだろうけど…

それだけじゃない気がするのよね

なんていうか…気持ち悪い執着みたいな…」

サボ「気にしすぎだろ

今は桜姫の力を使うことは禁止されてるとは言え、いざとなればなんとでもなるさ」

今のところ確証はないため、ニーナも忠告のしようがない。

ニ「（この感覚…どこかで…）」