『え！？そ、そんな言い方…

あ…それを取り除いてほしければ私に勝つことですね

な、軟弱な…男風情が…』

皇「？？」

最初に言った言葉は小さくて聞き取れなかったが、なぜか途中から口調が変わり、言いにくそうに兵士たちに言葉を発する。

「いくら世界最強と言われていようと語り継がれている戦いすべてが伝説！

巷ではお前のしてきた所業のすべてがまやかしとまで言われているのだ」

『え、そうなんですか？』

きょとんとした声で聞き返してくる恋歌に、先ほどの言葉とのギャップが強すぎてどう反応していいのかわからない。

『あ、はい

と、とにかく！あなたたちが私を倒すか、伝統を改めない事には命が危険にさらされたまま生きる事になります

外で暴れているの海賊たちも今回仲間を連れ去られたことで怒っています

むやみやたらと女性を連れ去るのは良くないと学んでください』

わたわたしながら警告してくる姿は本当に伝説と呼ばれる桜姫なのか怪しくなってきた。

皇「(先ほどから様子がおかしいな…)」

「くだらん！貴様が本物かどうか確かめてやる！！

陛下！！離れてください！！」

兵士たちは一人の兵士が剣を抜いたのを見て、全員が抜刀する。

『離れて下さい』

ウィリアムだけに聞こえるだけの声量で伝え、恋歌も刀を取り出し握りしめる。

『では私が本物かどうかその目で確かめてください』









マ「ふぅ、まぁこんなもんかよい」

エ「ああ、大体片付いたな」

一方その頃、城の外で暴れていたエースたち白ひげ海賊団は、島の住民たちが向かってこない程度に返り討ちにしていた。

サボ「捕まってた女たちの救助も済んだぞ」

ニ「近くの海軍に引き渡したら元いた国に帰してくれるでしょ」

島の地下に広い牢屋があり、そこに捕らえられていた女たちも白ひげ海賊団の手により救出が完了した。

エ「あとは恋歌の指示待ちか」

マ「ああ

わかりやすい合図をするって言ってたけどない」

ニ「シェリーもセレナもこの作戦にノリノリだったから、恋歌が困ってないといいけど…」

エ「どういうことだ？」

ニ「あれ？あんた知らないの？

恋歌の喋り方ってさ、優しいじゃない？」

エ「え？まぁそうだな」

たしかに言われてみれば初対面の相手には大体敬語、海賊ではあるが口は悪くないし、世界最強と言われているからといって高圧的な口調でもない。

ニ「今回の作戦は女に二度とこんなことができないようにするってのが目的でしょ？

だから、恋歌には口が悪い人たちから指示を貰えるように小型電伝虫持って行ってるはず」

エ「…口の悪い恋歌か

ちょっと見てみたい気もする…」

サボ「それは確かに…」

ニ「あんたらねぇ…」

レアな恋歌を見てみたいと言う二人にニーナが呆れたような視線を向けた直後、城の方から大きな爆発音が聞こえてきた。

サボ「あれは…」

エ「間違いなく恋歌だな」

城を覆い尽くすほどの桜に、恋歌の攻撃であると白ひげ海賊団全員が理解した。

マ「あれが合図だない

行くぞ！」

マルコの声に近くにいた者たちが反応し、恋歌の攻撃が見えた者たちも城へ向かうために走り出した。