この島にいる間は白ひげからも複数人でいるようにと言われている為、この食堂から一人で出ていく事はしない。

レ「船長の言う事には従うのね」

ロ「当然でしょ」

『…カミラさん結構強くなったと思うんですけどね』

ロ「あんたに傷一つでもつけられる男になったら考えてやるわよ」

「「「無理でしょ」」」

はもって答えた女たちに恋歌は苦笑いしているが、カミラが強くなってきているのは事実。

だがやはり防御面に特化しているため、攻撃はまだいまいちだ。

シ「あーあ、わたしにも想ってくれるいい人現れないかなー」

セ「海賊じゃ出会いなんかないもんね」

この二人は白ひげのクルーは家族であると割り切っている為、恋愛に発展することはないと以前言っていたのを聞いた事がある。

まだ若い二人だが、こういう話を聞いていると羨ましくなってしまう。

シ「わたしたちも武器の手入れしよっか」

セ「うん」

がたん、と席から立ち上がった二人は自分たちの武器を持ってきていなかったので、一度部屋に戻ると言う。

『わたしも…』

この船の女たちの事を任されている為、恋歌もついていくと立ち上がる。

シ「部屋はすぐそこだし船の中だから大丈夫よ」

たしかに食堂から部屋までは往復で武器をとったとしても5分もかからない。

『…わかりました』

まだこの船の中には見張りの白ひげのクルーもいることもあり、この距離であれば大丈夫だろうと二人を見送ることにした。




『…！！』

ばたん、と扉が閉まった直後、恋歌が急に立ち上がって、食堂から飛び出した。

ニ「恋歌？」

すぐに追いかけてきてくれたニーナも食堂から出ようとするが、恋歌に出るなと手で制され扉から出る前に止まる。

『油断した…！！』

「「「？？？」」」

なにが起こったかわかっていない女なたちは食堂の中で首を傾げている。

『(どこ…あの二人にも渡しておけばよかった…！)』

きょろきょろとあたりを見渡している恋歌に、見張りをしていたクルーたちが声をかけに来る。

「恋歌ちゃん何してんだ？」

「食堂から出たら危ないぜ？」

『…船の中で白ひげのクルーじゃない人見かけませんでした？』

「んー…そんな奴いたらすぐに全員にわかるようになにか動きがあると思うけどな」

『そうですよね…』

難しい顔をして考えるように目を閉じて集中をする。

ニ「恋歌…もしかして…」

恋歌 の焦り方や、クルーたちにした質問から推察して最悪の状況を導き出す。

ロ「…あの二人攫われたってこと？」

「「「！！？？」」」

ニーナがたどり着いた答えにローラもたどり着いたようで、それを口に出すと驚いた表情で恋歌に視線が集まる。

『…はい

お二人が食堂から出た瞬間、この船の人ではない気配が一瞬だけして…

嫌な予感がしたので…』

ぎゅっと拳を握りしめる恋歌に誰も声をかける事ができない。

『ニーナ、ここは任せてもいい？』

ニ「はい、恋歌が帰ってくるまで誰もここから出しません」

ニーナに一言声をかけて希望通りの返事が返ってきたので、ネックレスの気配を頼りに島へ飛んだ。