いまだに転がっているチャルロス聖の背中を数秒見つめた後、裾を踏んでいる足をどけた。

『結局あなたたちの言う神がこれだけ侮辱され、傷つけられても誰も助けには来ませんでしたね』

敵わないとわかっている相手に向かって行くのは難しいことではあるが、しらほしを助けるためにビビやレベッカが行動を起こそうとしたのも知っている。

友人を守るために先に恋歌が動いただけの事。

チ「よくも…！よくもここまでこけにしてくれたえ！！

覚えているえ！！どんなことをしてでもお前を捕まえてわちしの奴隷にしてやるえ！！

その人魚もわちしのペットにするえ！！」

『…そうですか

もう少し、怪我をしてもらった方がいいですか？』

少しぴりついた気配が伝わってきたチャルロス聖は、立ち上がって尻込みしながら後退するチャルロス聖の後ろに人影があらわれた。

「やめろチャルロス！！」

「「「！！！？」」」

『…』

ドゴォン、という音を立てて吹っ飛ばされたチャルロス聖を視線だけで追いかけて止まったのを確認した後、殴った人物に視線を向ける。

ミ「ハァ…ハァ…申し訳ない

同じ天竜人として恥ずかしい！！どうか許してくれ！！

皆の者すまん！！バカが社交の場に恐怖を与えた…」

ざわつく城内に現れたのはもう一人の天竜人、ミョスガルド聖だった。

話を聞けばネプチューンと過去に関わりがあったという。

ミ「桜姫も刀をおさめてくれないか」

今まで出会った天竜人とは違うミョスガルド聖の言葉に従い、持っていた刀を指輪に戻した。

ミ「恩に着る」

『いえ…』

チャルロス聖を奴隷に運ばせ、CP0も下がらせた。










チャルロス聖が運ばれている間に社交の広場にはほとんど人がいなくなってしまった。

マ「どおれすか？

お怪我はないれすか？」

し「ええ、ありがとうございますマンシェリーちゃん様」

奴隷に触れられる前にしらほしを守ったつもりだが、怪我はないかとマンシェリーが心配してくれている。

だが、しらほしに怪我はないようで恋歌もほっとした。

ネ「あー…お主…先ほどはしらほしを守ってくれてありがとうじゃもん」

桜姫の恰好のままその場にいる恋歌に改めてネプチューンから礼を言われる。

『いえ…私が勝手にしたことですから』

「「「…」」」

恋歌が桜姫である時は知り合いであるという事を隠さなければならないためお互いに言葉数が少なくなる。